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肝静脈閉塞症

肝静脈閉塞症は、肝臓の小静脈がふさがることで起こります。

肝静脈閉塞症はどの年齢の人にも発症します。1〜3歳の小児は血管が細く閉塞を起こしやすい傾向がありますが、それ以降でも発症します。小静脈の閉塞は、肝臓内の血管に対して毒性のある物質が原因です。このような物質には、クロタラリア属やセネキオ属の植物の葉(ジャマイカではハーブティーに使われる)に含まれるアルカロイドや、癌の化学療法に使われるシクロホスファミド、アザチオプリンなどの薬があります。また骨髄移植などで行われる放射線療法や、肝臓移植の拒絶反応で生じる抗体によっても小静脈の閉塞が起こります。

静脈が閉塞すると肝臓に血液がうっ滞し、肝臓に供給される血液量が減少します。血液供給が不十分になると、肝細胞の障害が起こります。

症状

肝静脈閉塞症の症状は突然生じます。小静脈が閉塞すると肝臓は腫大し、触診で腹部に圧痛がみられます。腫れた肝臓の表面から体液が漏れ出て腹部にたまることがあります(腹水)。黄疸もときに起こります。肝臓に血液が滞留すると門脈内の血圧が上がり(門脈圧亢進症)、肝臓に流れこむ静脈内の圧力も上昇します。血圧が上がると食道部分の静脈に拡張や屈曲が生じ(食道静脈瘤)、破裂により出血し、ときには大量出血を起こす場合があります。動脈瘤から出血すると血を吐いたり(吐血)、消化管を通過した血液により黒色便(メレナ)となったり、出血量が多ければショック症状を起こします。

経過の見通しと治療

経過の見通し(予後)は障害の広がりの程度や、損傷(毒性物質への暴露)の再発・反復の有無によって異なります。閉塞の多くは短期間で消失し、患者は治療の有無やその内容にかかわらず回復します。しかし、肝静脈閉塞症の患者の25%は3カ月以内に肝不全で死に至ります。患者の多くで門脈圧亢進症が持続し、損傷からやがて肝硬変(肝臓の重度の線維化)を起こします。

閉塞した静脈に対する治療法は特にありません。毒性のある物質が原因で閉塞が起きている場合は、その使用をやめることが唯一の治療法です。再発しやすく、特にクロタラリア属やセネキオ属の植物の葉を含むハーブティーの飲用を続けている人ではよく再発します。

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