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供血方法

血液を成分に分けずに全血として採血する場合は、全過程に約1時間かかります。供血者は17歳以上で体重が約50キログラム以上でなければなりません(訳注:日本では献血の量と種類によりますが16〜69歳、男性45キログラム以上、女性40キログラム以上)。また、健康でなければなりません。脈拍、血圧、体温を測定し、採血して貧血を調べます。健康状態、健康に影響のある事柄、訪れた国などについての質問も行われます。

供血ができない人もいます。B型肝炎、C型肝炎、心疾患、ある種のがん(白血病、リンパ腫、治療後再発した癌、化学療法を受けた癌)、重度の喘息(ぜんそく)、出血性障害がある場合や、プリオン病(変異型クロイツフェルト‐ヤコブ病など)に感染している可能性がある場合(プリオン病: はじめにを参照)、エイズを発症している場合、ヒト免疫不全ウイルス(HIV、エイズの原因ウイルス)の感染リスクが高い行動を取っていてHIVに感染している可能性がある場合は(ヒト免疫不全ウイルス感染症を参照)、生涯供血ができません。一時的に供血ができなくなる場合もあります。マラリア(最後に症状が出てから3年未満)、手術や放射線療法による治療を受けた癌(最後の治療から5年未満)、妊娠、最近受けた大きな手術、コントロールが不十分な高血圧、低血圧、貧血、特定の薬物の使用、肝炎に感染している可能性、最近受けた輸血などがある場合には、一時的に供血できません。

一般に、供血には56日以上の間隔を空けることになっています。供血者に謝礼を渡す慣行はほとんど行われなくなりました。謝礼が出ることで貧しい人が供血者となり、不適格な状態を隠して売血することがあったためです。

血液型の判定

受血者に適合しない血液の輸血は、危険な結果をもたらすため、供血された血液は血液型によって分類されます。人間の血液型は、赤血球の表面にある特定のタンパク質(血液型抗原A、B、Rh因子)の有無によって決まります。

血液型にはA、B、AB、Oの4種類があり、さらにそれぞれの型についてRh因子陽性(Rhプラス)とRh因子陰性(Rhマイナス)があります。たとえば、O型Rhマイナスは、赤血球に抗原A、B、Rh因子のいずれもない場合です。AB型Rhプラスは、赤血球に抗原A、BとRh因子がすべてある場合をいいます。各血液型の人口に占める構成比には偏りがあります。米国で最も多いのはO型RhプラスとA型Rhプラスで、続いてB型Rhプラス、O型Rhマイナス、A型Rhマイナス、AB型Rhプラス、B型Rhマイナス、AB型Rhマイナスの順です。

緊急の場合、O型の赤血球はどの血液型の人にも輸血できます。つまり、O型の人はだれにでも血液を提供することができます。AB型の人は逆に、どの血液型の人からも輸血が受けられます。Rhマイナスの人に輸血できるのはRhマイナスの血液に限られますが、Rhプラスの人には、Rhプラスの血液でもRhマイナスの血液でも輸血できます。

供血の条件を満たしていることが確認されると、リクライニングチェアか簡易ベッドに横になります。ひじの内側を調べて採血する静脈を選び、周囲を消毒して静脈に針を挿入し、滅菌テープで一時的に固定します。針を刺すときにチクッとした痛みを感じますが、あとは痛みはありません。血液は針を通って採血バッグに入ります。採血にかかる時間は10分程度です。

標準的な1回の供血量は約470ミリリットルです(訳注:日本では200ミリリットルまたは400ミリリットル)。採取された血液は、保存剤と血液凝固防止剤の入った血液バッグに封入されます。各供与血から少量のサンプルを取り、エイズ、ウイルス性肝炎、梅毒などの原因になる感染微生物の有無を検査します。

輸血による感染を防ぐための検査

輸血用の血液に感染微生物が含まれていると、輸血を受けた人に病気がうつることがあります。このため、献血資格は以前より厳しくなり、血液検査も前より徹底的に行われるようになりました。現在では、供血されたすべての血液について、ウイルス性肝炎、エイズ、その他のウイルス性疾患、梅毒などを引き起こす感染微生物の検査が行われています。

  • ウイルス性肝炎
    B型とC型のウイルス性肝炎は輸血で感染するため、供血された血液はこれらのウイルスについて検査されます。検査では、感染している血液のすべてを識別できるわけではありませんが、検査法や供血者の選別方法の向上により、今日ではB型肝炎の感染リスクはほとんどありません。一方、C型肝炎はいまだに輸血による感染の可能性が最も高く、約10万単位の輸血につき1件の感染リスクがあります。
  • エイズ
    供血された血液は、エイズを起こすヒト免疫不全ウイルス(HIV)の有無についても検査されます。この検査は100%正確ではありませんが、問診による供血者の選別も併せて行われ、その中でエイズの危険因子についても質問されます。たとえば、供血者やそのセックスパートナーは麻薬などの薬物を注射したことがあるか、男性同性愛者と性行為をしたことがあるかなどを尋ねます。血液検査と問診を行うことで、輸血によるHIV感染のリスクはきわめて低くなり、最近の推定によれば82万5000件に対して1件の割合です。
  • 梅毒
    輸血で梅毒がうつることはめったにありません。供血者の選別と採取した血液の検査が行われています。また、血液を低温で保存することにより、梅毒の原因となる微生物は死滅します。

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