メルクマニュアル家庭版
米国メルク社とメルクマニュアル
メルクマニュアル家庭版
を検索
索引
記号
セクション

知っておきたい基礎知識

薬についての基礎知識

心臓と血管の病気

肺と気道の病気

骨、関節、筋肉の病気

脳、脊髄、神経の病気

心の健康問題

口と歯の病気

消化器の病気

肝臓と胆嚢の病気

腎臓と尿路の病気

栄養と代謝の障害

ホルモンの病気

血液の病気

免疫の病気

感染症

皮膚の病気

耳、鼻、のどの病気

眼の病気

男性の健康上の問題

女性の健康上の問題

小児の健康上の問題

事故と外傷

その他の話題

付録

解剖図

マルチメディア

単位の換算表

一般的な医学的検査

医薬品の一般名と主な商品名

情報源と支援団体

メルクマニュアル家庭版について

セクション

トピック

リンパ球減少症

リンパ球減少症とは、血液中のリンパ球数が異常に少なくなった状態をいいます。

リンパ球は血液中にある全白血球の20〜40%を占めています。リンパ球数の正常値は、成人で血液1マイクロリットルあたり1500以上、小児で3000以上です。リンパ球数が減少しても、白血球の総数が大きく変動することは普通はありません。

エイズの原因ウイルスであるヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染など、さまざまな病気や病態で血液中のリンパ球数が減少します。また、強いストレスを受けたとき、プレドニゾロンなどのコルチコステロイド薬を使用しているとき、癌の化学療法や放射線療法を受けているときなどにも、リンパ球数は一時的に減少します。先天性免疫不全症という遺伝病では、重度のリンパ球減少症が生じます(免疫不全疾患: はじめにを参照)。

リンパ球には大きく分けて、Bリンパ球、Tリンパ球、ナチュラルキラー細胞の3種類があり、すべて免疫系で重要な働きを担っています。Bリンパ球が少なすぎると、形質細胞が減少し、抗体の産生が低下します。Tリンパ球またはナチュラルキラー細胞が少なすぎると、ウイルス、真菌、寄生虫などの感染を制御しにくくなります。重度のリンパ球減少症があると感染を制御できなくなり、命にかかわることがあります。

リンパ球減少症の原因

  • エイズ
  • 癌(白血病、リンパ腫、ホジキン病)
  • 慢性感染症(粟粒結核など)
  • 遺伝性疾患(ある種の無ガンマグロブリン血症、ディ・ジョージ奇形、ヴィスコット‐オールドリッチ症候群、重症複合免疫不全症候群、毛細血管拡張性運動失調)
  • 関節リウマチ
  • 一部のウイルス性感染症
  • 全身性エリテマトーデス

症状と診断

軽度のリンパ球減少症では特に症状が出ないため、ほかの理由で全血球計算を行ったときに偶然発見されるのが一般的です。リンパ球が急激に減少した場合は、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などの感染を起こしやすくなります。

リンパ球が急激に減少した場合は、骨髄組織を採取して顕微鏡で観察します(骨髄生検)。Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー細胞などリンパ球の種類別に数を調べることもできます。特定の種類のリンパ球が減少している場合は、エイズや先天性免疫不全症などの病気を診断する手がかりになります。

治療

治療方法は主に原因に基づいて決定されます。薬剤が原因のリンパ球減少症は、その薬の使用を中止すれば、普通は数日間で治ります。エイズが原因の場合は、少なくとも3種類の抗ウイルス薬を組み合わせて使用することにより、Tリンパ球が増加して生存率が向上します。

Bリンパ球がほとんどないため抗体が産生されない場合には、感染予防用に抗体を多く含むガンマグロブリンを投与します。先天性免疫不全症では、骨髄(幹細胞)移植で効果が得られることがあります。感染が生じた場合は、その感染源に適した抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗寄生虫薬を投与します。

ページの先頭へ

前へ: 好中球増加症

次へ: リンパ球増加症

アニメーション
オーディオ
イラスト
写真
囲み解説
ビデオ
個人情報の取扱いご利用条件