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慢性リンパ球性白血病

慢性リンパ球性白血病は、成熟リンパ球が癌化して、徐々にリンパ節の正常な細胞に取って代わる病気です。

慢性リンパ球性白血病(CLL)の患者の4分の3以上が60歳を超えており、小児にはみられません。また、男性では女性の2〜3倍多く発症します。北米とヨーロッパでは最も多いタイプの白血病ですが、日本と東南アジアではまれなことから、発症には遺伝が関係していると考えられています。

慢性リンパ球性白血病では、悪性の成熟リンパ球が最初に血液とリンパ節内で増殖します。続いて肝臓と脾臓に広がり、これらの臓器が腫れて大きくなってきます。悪性リンパ球は骨髄にも侵入し、正常細胞と置き換わります。その結果、血液中の赤血球が減少し、正常な白血球と血小板の数も減少します。感染からの防御を担うタンパク質である抗体の量も減少します。このタイプの白血病では免疫系に異常が生じることもあり、正常な状態では微生物や異物に対する防御を担っている免疫系が、体の組織を破壊してしまうことがあります。こうした免疫系の異常によって、赤血球と血小板が破壊されることもあります。

慢性リンパ球性白血病の95%がBリンパ球(B細胞)(免疫システムのしくみと働き: Bリンパ球を参照)のがんですが、B細胞以外の場合もあります。ヘアリーセル(有毛細胞)白血病はまれなタイプのB細胞白血病で進行が遅く、顕微鏡で毛のような突起がはっきり見える異常な白血球が大量につくられます。T細胞白血病(Tリンパ球の白血病)は、B細胞白血病よりもはるかに少ないタイプです。セザリー症候群はまれなタイプのT細胞白血病で、まず菌状息肉腫(まれなタイプの非ホジキンリンパ腫を参照)というTリンパ球の皮膚癌が生じ、この悪性Tリンパ球が急速に増殖して血流に入り、白血病細胞になります。

症状と診断

初期の慢性リンパ球性白血病は一般に症状がなく、白血球数の増加から診断されます。その後、リンパ節の腫れ、疲労、食欲減退、体重減少、運動時の息切れ、脾臓の腫大による腹部膨満感などが現れます。

進行すると顔色が悪くなり、あざができやすくなります。細菌、ウイルス、真菌などの感染症は、通常は病気の後期になるまで生じません。

慢性リンパ球性白血病は、別の理由で血液検査をしたときにリンパ球が多いことから偶然発見されることがあります。血液中のリンパ球の特徴を調べる検査により診断を確定できるので、骨髄生検は通常は不要です。血液検査では、赤血球、血小板、抗体が減少していることもあります。

経過の見通し

ほとんどのタイプの慢性リンパ球性白血病がゆっくり進行します。医師は病気の進行度(病期)を判定し、経過の見通し(予後)を予測します。この判定は、血液と骨髄のリンパ球数、脾臓と肝臓の大きさ、貧血の有無、血小板数などの要素に基づいて行われます。

B細胞白血病の患者の多くは診断後10〜20年以上生存し、初期の段階では通常は治療を必要としません。貧血や血小板減少がみられる場合は、ただちに治療を行う必要があり、経過は良くありません。慢性リンパ球性白血病による死亡は、骨髄が正常細胞を十分に産生できなくなり、酸素の運搬、感染の防御、出血の防止などの機能が果たされなくなることが原因です。T細胞白血病では、経過はさらに悪くなります。

慢性リンパ球性白血病では皮膚癌や肺癌といった別の癌が生じやすく、これは免疫系の変化に関係があると考えられています。また、進行の速いタイプのリンパ腫へ変化することもあります。

治療

慢性リンパ球性白血病はゆっくりと進行するので、多くの場合、リンパ球数の増加、リンパ節の腫れ、赤血球や血小板の減少などがみられるまで治療を必要としません。

白血病治療に使われる薬は症状を緩和し、リンパ節や脾臓の腫れを抑えますが、白血病自体を治療するものではありません。B細胞の慢性リンパ球性白血病の治療で最初に使われる薬には、がん細胞のDNAと相互作用をしてがん細胞を死滅させるクロラムブシルなどのアルキル化薬や、静脈から注射するフルダラビンという薬があります。いずれの薬も、数カ月間から数年間にわたって白血病を抑えることができ、再発時にも有効です。しかし、やがて慢性リンパ球性白血病はこれらの薬に抵抗性になり、ときには試験的治療として別の薬やモノクローナル抗体(アレムツズマブなど)との併用療法が考慮されます。ヘアリーセル白血病にはクラドリビンとペントスタチンが効果的で、病気を15年以上抑えることができます。

赤血球数の減少による貧血は輸血で治療します。エリスロポエチンまたはダルベポエチン(赤血球の産生を促進する薬)を注射することもあります。血小板数が不足している場合は血小板を輸血し、感染症には抗生物質を使用します。リンパ節、肝臓、脾臓の腫れが不快感をもたらし、化学療法で効果が得られない場合は、放射線療法を行って腫れを軽減させます。

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