メルクマニュアル家庭版
米国メルク社とメルクマニュアル
メルクマニュアル家庭版
を検索
索引
記号
セクション

知っておきたい基礎知識

薬についての基礎知識

心臓と血管の病気

肺と気道の病気

骨、関節、筋肉の病気

脳、脊髄、神経の病気

心の健康問題

口と歯の病気

消化器の病気

肝臓と胆嚢の病気

腎臓と尿路の病気

栄養と代謝の障害

ホルモンの病気

血液の病気

免疫の病気

感染症

皮膚の病気

耳、鼻、のどの病気

眼の病気

男性の健康上の問題

女性の健康上の問題

小児の健康上の問題

事故と外傷

その他の話題

付録

解剖図

マルチメディア

単位の換算表

一般的な医学的検査

医薬品の一般名と主な商品名

情報源と支援団体

メルクマニュアル家庭版について

セクション

トピック

食物アレルギー

食物アレルギーとは、特定の食物に対するアレルギー反応です。

多種多様な食品がアレルギー反応を引き起こします。代表的なものは、ピーナツや特定のナッツ類、貝、エビやカニなどの甲殻類、魚、牛乳、卵、小麦、大豆などです。食物アレルギー反応は重症の場合もありアナフィラキシー反応(アナフィラキシー様反応とアナフィラキシー反応を参照)を起こすこともあります。

食物アレルギーは乳児期から始まることもあります。そうした場合、両親も食物アレルギーや、アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息があることが多いようです。食物アレルギーの子供たちは卵、牛乳、ピーナツ、大豆などの代表的なアレルゲンの大半にアレルギーがあります。

食物アレルギーにより子供の多動、慢性の疲労、関節炎、運動不足、うつ病などが起こるといわれますが、これらとの関連性は実証されていません。

食物への反応のすべてがアレルギー反応とはいえません。たとえば、食物不耐性は食物アレルギーとは異なります。免疫システムと関係がないからです。食物不耐性は消化管の反応で、消化不良を起こします。たとえば、人によっては牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)の消化に必要な酵素が欠乏していることで、食物不耐性の反応を起こします(吸収不良: 乳糖不耐症を参照)。食物が汚染されていたり腐っている場合にも食物への反応が起きます。

食品添加物がアレルギー反応に類似した反応を引き起こすこともあります。たとえば化学調味料のグルタミン酸ナトリウム(胃腸炎: チャイニーズレストラン症候群を参照)や、メタビスルファイトなどの保存料、キャンデーや清涼飲料などの黄色着色料のタートラジンが喘息やじんま疹症状を引き起こすことがあります。同様に、チーズ、ワイン、チョコレートといった食品で片頭痛を起こす人もいます。

症状

乳児では食物アレルギーの最初の徴候として、アトピー性皮膚炎に似た湿疹や、じんま疹に似た発疹がみられます。発疹とともに、むかつき、吐き気、下痢が起きます。1歳ごろまでには、発疹は少なくなります。10歳ごろまでには最もアレルギーの強く出る牛乳や卵やピーナツなどの食物アレルギーも治まる傾向にあります。食物アレルギーが治まると、アレルギー性喘息や花粉症のような空気中の浮遊物質に対するアレルギーが発症してきます。

成人の食物アレルギーは口のかゆみ、じんま疹、発疹、場合によっては、鼻水や喘息も引き起こします。食物アレルギーのある人は、わずかな量の食物でも重篤な反応を起こすことがあります。発疹が全身に現れ、のどが腫れて気道が狭くなり呼吸が困難になります。場合によっては、この反応は生命にかかわるアナフィラキシー反応となります。また、食物へのアレルギー反応は、食物を取った直後に運動をしたときにのみ起きることもあります。

診断

医師はまず問診から食物アレルギーを疑います。その上で各種の食物から採取した抽出物で皮膚テストをします。テストされた食物に反応が起きても、必ずしもその食物に対するアレルギーがあるとは限りません。しかし反応が一切なければ、その食物に対してアレルギーがないことを意味します。もしテストされた食物に反応があれば、さらに経口負荷試験という検査を行い診断を確かなものにします。この検査では疑いのある食物を牛乳やアップルソースなどに混ぜて患者に食べてもらい、その経過を医師が観察します。これで症状が出なければ、その食物に対するアレルギーはありません。

食物アレルギーを確認するもう1つの方法は除去食によるものです。患者は約1週間、症状を引き起こしている可能性のあるすべての食物の摂取をやめます。次に医師が患者の食べる献立を作り、患者は献立に指定された食材、それも無添加のものだけを摂取します。このような食事を続けていくのは、容易なことではありません。なぜなら、多くの食物にははっきりしない成分、予測できない成分が入っているからです。たとえば、ライ麦パンと称するものは、いくらかの小麦粉が含まれています。外食は望ましくありません。患者と医師は毎回の食事の材料を知る必要があるからです。もし症状が出なければ、除去した食材を1種類ずつ献立に戻します。1種類戻したら、数日間あるいは症状が出るまで待ちます。これをアレルゲンが確認されるまで続けます。

治療

食物アレルギーがある人は、献立の中からアレルギーを起こす食材を完全に除去しなければなりません。最初に除去し、そのあと少量食べるとか、絞り汁を舌下に滴下するといった方法で脱感作を試みても、あまり効果はありません。じんま疹や腫れを和らげるだけなら抗ヒスタミン薬が有効です。重症の食物アレルギーの人は、反応が起きた場合に備えて、ただちに服用できるように抗ヒスタミン薬を携行します。また、さらに激しい反応が出たときのために、エピネフリン自己注射用キットも携行します。

ページの先頭へ

前へ: 通年性アレルギー

次へ: 肥満細胞症

アニメーション
オーディオ
イラスト
写真
囲み解説
ビデオ
個人情報の取扱いご利用条件