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その他の臓器の移植

ひどいやけどを負ったときのように、皮膚を広範囲に損傷した場合には皮膚移植を行います。この場合、最も成功率が高いのは自分自身の皮膚の一部を用いる方法です。もし自分の皮膚が使えないときは、一時的な措置として、ドナーやブタなどの動物の皮膚を用います。これらは短期間しかもちませんが、正常な皮膚ができてくるまで損傷個所を一時的に保護する役割を果たします。移植に必要な量の皮膚を得るためには、本人の皮膚小片を組織培養して増やすか、移植に用いる皮膚に細かい切り込みをたくさん入れて引き伸ばし、大きな領域をカバーするという方法が取られます。

軟骨は、免疫抑制薬を使用せずに移植できます。移植軟骨に対しては免疫システムの拒絶反応が他の組織に比べてずっと穏やかだからです。小児では耳や鼻の欠損を治すのに軟骨移植が行われ、成人では、関節炎によって損傷した関節を治すのに行われます。

眼の表面を覆っている透明な半球体である角膜も、免疫抑制薬を使用せずに移植できます。

角膜移植の成功率が高い理由

角膜移植は、移植の中でも、広く普及していて成功率の非常に高い治療法です。傷ついたり濁ったりした角膜は、顕微鏡下の手術により、およそ1時間で健康で明澄な角膜と交換できます。角膜は、最近死亡したばかりの人から提供を受けます。手術は全身麻酔か局所麻酔で行います。まず提供された角膜を適正サイズに切断し、次に傷ついた角膜を切除し、そこに提供された角膜を入れて縫合します。移植手術を受けた人は、通常は2〜3日入院しますが、入院しないで帰宅できる人もいます。

拒絶反応がほとんど起こらないのは、角膜には血液が流れていないからです。角膜は、酸素や栄養物を周囲の組織と涙から得ています。異物に応答して拒絶反応を引き起こす免疫システムである白血球と抗体は血流で運ばれます。したがって、これらの細胞や抗体は移植された角膜には届かず、異物組織に出会うこともないので、拒絶反応は起きないのです。一方、血流が豊かな組織では、それだけ拒絶反応も激しくなります。

骨は、体のある部分から他の部分へ移植できます。ドナーから移植した骨は長くはもちませんが、新しい骨の成長を促しながら、新しい骨ができるまで問題部位を固定して、新しい骨が埋めるべき空間にフレームを形成します。

小腸の移植は、まだ研究段階です。腸が疾患により破壊されてしまった場合、あるいは、十分機能せず生命が維持できない場合の最後の手段として用いる方法です。小腸には多くのリンパ組織があるので、移植組織がレシピエントを攻撃する細胞をつくり、移植片対宿主病を引き起こしやすいからです。

パーキンソン病患者には、自分の副腎から脳に組織を移植するという治療方法があります。あるいは、流産で死亡した胎児からの脳組織を用いる方法もあります。どちらの処置もパーキンソン病の症状を和らげることができます。しかし流産で死亡した胎児の組織を使うことが倫理的に受け入れられる方法かどうかは、議論の余地があります。

ディ・ジョージ症候群として知られる生まれつき胸腺のない小児には、中絶や流産で死亡した胎児から胸腺を移植する方法があります。胸腺がないと免疫システムに欠陥が生じます。人は免疫システムにより異物から身を守っていますが、その重要な部分である白血球は胸腺で成熟するからです。胸腺を移植すると免疫システムは回復しますが、移植した胸腺はレシピエントを攻撃する細胞をつくり、移植片対宿主病を引き起こすことがあります。

切断した手指の再接着

指や手、腕などが万が一、切断されても、切断部分の損傷が比較的小さければ、再びうまくつながる場合があります。ただし、脚の再接着はあまり成功しません。切断部分は、手術ができるまで清潔に保ち、氷水の中に保存します。すぐに再接着ができれば切断部分への血流を回復できます。他人から切断部分の提供を受ける移植もわずかに試みられていますが、まだ実験段階にとどまっています。

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