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レプトスピラ症

レプトスピラ症は、スピロヘータの1種であるレプトスピラ属の細菌によって起こる病気で、重症になることもあります。

レプトスピラ症は多くの野生動物や家畜に発症する病気で、保菌しているが発症せず、尿から菌をまき散らすようになる動物もいれば、この病気で死んでしまう動物もいます。人は、感染した動物、感染した動物が排泄した尿、感染尿で汚染された土や水に触れることで感染します。

レプトスピラ症は、農業従事者、汚水処理業者、食肉処理業者の職業病とされていますが、実際に感染するのは、汚染された水の中を泳いだり、歩いて渡ったりするなど、野外で遊んでいるときが多いようです。ちなみに、米国では毎年40〜100件の感染例が報告されますが、そのほとんどが夏の終わりから初秋にかけて発生しています。レプトスピラ症は軽い場合、インフルエンザに似たはっきりしない症状を起こすので、おそらく報告されないまま見過ごされている例が多いものと思われます。

症状と診断

レプトスピラ症の約90%は軽症ですみますが、一方の10%では多臓器が侵され、致死的な経過をたどる可能性があります。感染してから2〜20日後に、突然の発熱、頭痛、激しい筋肉痛、悪寒など第1期の症状が現れます。3〜4日目に眼が真っ赤に充血してきます。吐き気や嘔吐もよくみられます。喀血(かっけつ)など肺の症状が10〜15%の感染者にみられます。悪寒と約39℃まで上がる高熱が4〜9日続きます。

その後、熱が引いて数日たったころから第2期の症状が現れます。これは、菌に対する体の免疫反応で炎症が起こることによるさまざまな症状です。熱がぶり返し、首のこわばり(項部硬直)や頭痛を伴った髄膜炎(脳や脊髄を包む膜の炎症)が起こり、意識の混濁や昏睡に陥ることもあります。重症例では、肝臓、腎臓、肺の炎症が起こり、黄疸(おうだん)、腎不全、血が混じったせきが生じます。心臓に炎症が及ぶと、動悸(どうき)や危機的な血圧低下によるショックが起こります。妊婦がレプトスピラ症にかかると、流産してしまうことがあります。

ワイル症候群はレプトスピラ症の中でも重症のタイプで、熱が続き、意識が混濁し、血液凝固能が低下し、そのため組織内出血が起こります。血液検査は貧血を示します。3〜6日目までに、肝臓や腎臓の障害の徴候が現れます。腎臓の障害により、尿に血液が混じったり、排尿時に痛みが生じたりします。肝障害に関しては重症になることは少なく、たいていの場合は完治します。

レプトスピラ症の診断は、血液、尿、または脳脊髄液のサンプルを培養し、菌を検出すれば確定できますが、この菌に対する抗体の有無を調べる血液検査もあり、後者の方が広く行われています。

経過の見通しと治療

感染しても黄疸が出なければ、たいていの場合は治癒します。黄疸は肝障害があることを意味し、60歳以上の場合、死亡率は10%以上になります。

レプトスピラ症の予防には抗生物質のドキシサイクリンが有効で、感染者と同じ感染源にさらされた人に投与します。感染した場合には、ペニシリンやアンピシリンなどの抗生物質を用いて治療します。重症例には抗生物質の静脈内投与を行います。レプトスピラ症患者は隔離の必要はありませんが、患者の尿を扱うときや処分するときには注意が必要です。

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