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細菌性赤痢

細菌性赤痢はグラム陰性桿菌である赤痢菌属の細菌が起こす感染症で、粘液や血が混じった水様便が頻繁に出て、痛み、発熱、脱水症などの症状を伴います。

赤痢菌属は赤痢を起こす代表的な菌で、世界中の多くの地域で、下痢を伴う病気の5〜10%はこの菌が原因となっています。米国では毎年約50万人が細菌性赤痢に感染します。この菌は感染した人の便に排出され、通常は人から人への接触でうつります。汚染された食べものが感染源となることもあります。衛生状態が悪く人口の密集した地域で流行が起こります。保育所、長期療養施設、軍駐留地の営舎なども発生しやすい環境です。小児の方が感染しやすく、症状も重くなりがちです。

この病気は、菌が大腸の粘膜より侵入するために起こるもので、その結果、腸が腫れ、表面に潰瘍ができることもあります。

症状

感染の1〜4日後にまず腹痛と水性の下痢がみられます。熱も出て、約41℃に達することもあります。嘔吐はまれですが、起こることもあります。1〜2日たつと便に血や粘液が混じり、排便時に痛みを伴うようになります。便通が1日に20回を超えるほどになるため、体重は減少し、脱水症が激しくなります。脱水症が進むと、慢性疾患のある成人や2歳以下の小児の場合、ショックを起こして死亡することがあります。

小児ではけいれん発作を起こすことがあります。けいれん発作の原因が単に高熱によるものだけなのか、あるいは赤痢に特有の誘因があるのかはわかっていません。成人は結膜炎や反応性関節炎(ライター症候群)(関節リウマチとその他の炎症性関節炎: ライター症候群を参照)を起こすことがあります。まれに腸穿孔(せんこう)もみられます。排便時に強くいきんだために、直腸の一部が体外に押し出されてしまう脱腸を起こし、回復不可能な排便障害が残ることもあります。

診断と治療

赤痢菌の汚染地域に住んでいる人に、痛み、発熱、血性下痢便など特有の症状がみられた場合には、医師は赤痢を疑い、便を採取してすぐに培養し、診断を確定します。

治療は下痢で失われた水分と塩分の補給を中心に行います。口からの補給でほとんどの人が良くなりますが、点滴が必要な場合もあります。大半の場合、4〜8日で抗生物質を使わなくても回復しますが、重症になると3〜6週間かかることもあります。乳幼児、高齢者、重症例、感染が広がるおそれが強い場合などはトリメトプリム‐スルファメトキサゾール(ST合剤)、ノルフロキサシン、シプロフロキサシン、フラゾリドンなどの抗生物質を使います。抗生物質を使うことにより、重い症状が和らぎ、便に赤痢菌が排出される期間が短くなります。ジフェノキシレートやロペラミドのような下痢止め薬は感染症を長びかせることがあるため、使用は控えるべきです。

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