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レンサ球菌感染症

レンサ球菌感染症はグラム陽性球菌のレンサ球菌属が起こす感染症です。

病気を起こすレンサ球菌にはさまざまなタイプがあり、性状、化学的性質、外観によっていくつかのグループに分かれます。各グループは特定の種類の感染症や症状を引き起こす傾向があります。レンサ球菌の多くは人の体内や表面に害を及ぼすことなくすみついています。また病原性をもつタイプの菌が、健康な人の体内にいることもあります(保菌者、キャリアなどと呼ばれる状態)。病気の人にこうした菌が見つかった場合、その菌が病気の原因かどうかを判定するのは難しいことがあります。

ある種のレンサ球菌に感染すると、体が自分自身の組織を攻撃する自己免疫反応を誘発することがあります(自己免疫疾患を参照)。自己免疫反応は咽頭炎などの感染症の後に起こって、リウマチ熱や糸球体腎炎などの原因となります。

症状

レンサ球菌は主にのどと皮膚に感染しますが、心臓に起こる心内膜炎など、他の部位にも感染します。皮膚の感染症には、蜂巣炎、丹毒、とびひ、壊死性筋膜炎などがあります(細菌による皮膚感染症: はじめにを参照)。

咽頭炎はレンサ球菌感染症の中で最もよくみられます。突然のどが痛くなり、悪寒、発熱、頭痛、吐き気、嘔吐、心拍数増加、全身のけん怠感などを伴います。のどは真っ赤になり、扁桃が腫れ、首のリンパ節も腫れて押すと痛みます。せき、喉頭炎、鼻づまりはレンサ球菌感染症ではあまりみられない症状なので、そういった症状がある場合には、かぜやアレルギーなど別の原因が疑われます。ただし、4歳以下の小児の場合は、鼻水がレンサ球菌感染症の唯一の症状であることもあります。

猩紅熱(しょうこうねつ)はのどに感染したレンサ球菌が毒素を出すことによって起こります。濃いピンク色の発疹が腹部や胸の両側、皮膚のしわの部分に広く現れます。この発疹は痛くもかゆくもありません。ほかには、口の回りが青白くなる、顔がほてって赤くなる、皮膚のしわが赤黒い筋になるなどの症状が出ます。さらに、舌が赤い斑点を残して白い苔に覆われたようになります(イチゴ舌)。数日すると、この苔状のものは消えて、舌は真っ赤になります。赤くなった皮膚は熱が下がるとはがれます。

診断

蜂巣炎やとびひなどのレンサ球菌感染症は症状に特徴があるので、検査をせずに診断することが可能です。一方、レンサ球菌咽頭炎は他の細菌やウイルスによって起こる病気と症状が似ているので、感染部位のサンプルを培養して診断します。ただし、特に皮膚感染症の場合、培養は容易ではありません。多くの細菌がもとからすみついているので、培養して検出したものが感染の原因菌とはいい切れないからです。また、培養には1晩かかるので、すぐに結果が出ないということもあります。数時間で結果が出る別の検査法があるので、そちらが陽性ならば培養検査は行わず、陰性の場合のみ培養を行います。こうした検査が必要なのは、のどの痛みは大半がウイルスによって引き起こされるものであり、どんなに症状がひどくみえても、ウイルス感染症は抗生物質で治療すべきではないからです。

治療

レンサ球菌咽頭炎と猩紅熱は、たいていの場合は治療をしなくても2週間ほどで良くなります。しかし、抗生物質を使うと症状のある期間を短くし、リウマチ熱などの重い合併症を防ぐことができます。また、中耳、副鼻腔、乳様突起や、他の人へ感染症が広がるのを予防できます。症状が出たらすぐにペニシリンVなどの抗生物質の内服を始め、10日間続けます。

蜂巣炎、壊死性筋膜炎、心内膜炎などはレンサ球菌感染症の中でも大変重いもので、ペニシリンを単独あるいは他の抗生物質と併用して静脈注射します。壊死性筋膜炎の場合は、感染して壊死した組織を外科的に切除する必要があります。ペニシリンはほとんどのレンサ球菌に有効ですが、ペニシリンや多くの抗生物質に対して耐性をもった菌も増えています。

熱、頭痛、のどの痛みには、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬などの解熱鎮痛薬を使います。安静や隔離の必要はありません。ただし、家族や友人などに同じような症状がある人や、以前にレンサ球菌感染症で合併症が出たことのある人は、予防治療を受けた方がよいでしょう。

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