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敗血症性ショック

敗血症性ショックとは、血液が感染する敗血症によって血圧が危機的なレベルまで低下し、血流量が不足して多くの臓器が機能不全に陥る状態をいいます。

ショック(ショックを参照)の原因はいくつかありますが、敗血症もその1つです。敗血症性ショックは、新生児(新生児の健康上の問題と病気: 新生児敗血症を参照)、50歳以上の人、免疫力が低下している人などに起こりやすく、エイズや癌(がん)、あるいは化学療法を受けていて白血球数が低い人、糖尿病や肝硬変のような慢性疾患がある人も敗血症性ショックを起こすリスクが高くなります。

敗血症性ショックは、免疫システムが感染と闘うためにつくる物質であるサイトカイン(免疫システムのしくみと働き: サイトカインを参照)や、特定の細菌がつくる毒素によって起こります。これらの物質には血管を拡張させる作用があるので、結果的に血圧を下げてしまいます。すると、腎臓や脳など生命維持に欠かせない臓器への血流量も減ってしまいます。体は心拍数を増やし、心臓から送り出す血液の量を増やしますが、それでも血流量の減少を補うことはできません。やがて心臓への負荷と毒素によって心臓が弱り、心拍出量が減少し、重要臓器への血液供給がさらに減少します。血管の壁から体液が組織内に漏れやすくなり、浮腫が起こります。肺にも漏れや浮腫が起こり、呼吸困難が生じます。

症状と診断

しばしば、敗血症性ショックの最初の徴候は錯乱と認知力の低下で、血圧低下の24時間以上前から症状が現れることがあります。前駆症状にはほかに、ふるえや悪寒、体温の急な上昇、肌のほてりと紅潮、速く激しい動悸(どうき)、息切れ、血圧の上昇や下降があります。尿量も減ります。血液量が不足した組織は血液中に乳酸を放出し、これが血液の酸性度を高め、多くの臓器に機能障害をもたらします。末期になると、体温がしばしば正常レベル以下に下がります。

敗血症性ショックが進むと、さまざまな臓器が機能不全に陥ります。たとえば、腎不全が起こると、尿量が極端に減るかまったく出なくなり、尿素窒素のような代謝老廃物が血液にたまってきます。肺不全になると、呼吸困難が起こり、血液中の酸素濃度が低下します。心不全になると、水分貯留と組織の浮腫が生じます。さらに、血管内に血のかたまりができることがあります。

敗血症性ショックの診断を確定するには、血液検査を行います。白血球数の増加ないし減少、酸素濃度の低下、血小板数の減少、乳酸過多、代謝老廃物の増加は、すべて敗血症性ショックの徴候です。指先にセンサーをあてて、血液中の酸素濃度の監視も行います。心電図で心臓のリズムに異常がみられる場合は、心臓への血液供給量が不足していることを示します。血液培養を行って病原体を確定します。敗血症以外にもショックを引き起こす原因にはさまざまなものがあるので、場合によってはさらに検査が必要です。

治療と経過の見通し

敗血症性ショックは、明らかな症状が出たら、ただちに集中治療室で治療を行う必要があります。血圧を上げるために大量の水分を静脈内投与します。脳や心臓などの臓器への血流量を増やす薬剤を使い、酸素マスクによる酸素の補給も行います。肺が機能不全に陥った場合は、呼吸を補助するため人工呼吸器を使います。

血液培養用の採血が終わり次第、抗生物質を大量に静脈注射で投与します。検査で感染菌が特定されるまでは、2種類以上の抗生物質を使用して菌を死滅させる確率を上げます。

膿瘍がある場合は膿を出し、感染の原因と思われるカテーテルはすべて抜きます。腸壊疽(ちょうえそ)などは、壊死(えし)組織を取り除く手術を行います。このようなあらゆる手立てを施しても、敗血症性ショックを起こした患者の25%以上は死亡します。

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