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はじめに

寄生虫とは、他の生物を宿主としてその表面や中にすみつき、宿主に害を及ぼす生物をいいます。

寄生虫感染症は、アフリカ、アジア、中南米の農村部によくみられ、先進国には少ない病気です。開発途上国を旅行して知らないうちに寄生虫に感染し、帰国して受診しても、この感染症を診たことがない医師の場合、すぐには診断できないこともあります。

寄生虫は口や皮膚を通して人体に入ります。口から入る寄生虫は、飲みこまれて腸にとどまるか、腸壁を通り抜けて他の臓器に侵入します。皮膚から侵入する寄生虫には、直接皮膚を通り抜けて入るものや、寄生虫に感染した昆虫(ベクター)などが刺した傷口から入るものがあります。はだしで歩いている人の足の裏から入る場合や、寄生虫がいる水で泳いだり、水浴びしたりしている人の皮膚から侵入する場合もあります。

寄生虫感染症が疑われる場合には、血液、便、尿のサンプルを採取して検査します。寄生虫がいると思われる組織のサンプルを採取することもあります。寄生虫が見つかるまで、繰り返しサンプルの採取と検査が必要な場合もあります。

単細胞の寄生虫には、宿主の中で増殖するものがあります。卵や幼虫の間は環境中やベクターである昆虫の中で過ごし、人体に入ってから感染性をもつという複雑なライフサイクルをもつものもあります。消化管にいる寄生虫が卵を産むと、卵が便に出るので、顕微鏡で見つけることができます。抗生物質、下剤、制酸薬を服用すると、便中の寄生虫の数が減るため、検出できなくなることがあります。

衛生状態が悪く、不衛生な習慣が残る地域では、食べもの、飲みもの、水などが寄生虫で汚染されていることが多いので、こうした地域へ旅行する場合は、加熱調理して食べる、沸かして飲む、皮をむいて食べる、そうできないものは食べない、ことが鉄則です。冷凍しても死なない寄生虫もいるので、氷から病気がうつることもあります。

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