メルクマニュアル家庭版
米国メルク社とメルクマニュアル
メルクマニュアル家庭版
を検索
索引
記号
セクション

知っておきたい基礎知識

薬についての基礎知識

心臓と血管の病気

肺と気道の病気

骨、関節、筋肉の病気

脳、脊髄、神経の病気

心の健康問題

口と歯の病気

消化器の病気

肝臓と胆嚢の病気

腎臓と尿路の病気

栄養と代謝の障害

ホルモンの病気

血液の病気

免疫の病気

感染症

皮膚の病気

耳、鼻、のどの病気

眼の病気

男性の健康上の問題

女性の健康上の問題

小児の健康上の問題

事故と外傷

その他の話題

付録

解剖図

マルチメディア

単位の換算表

一般的な医学的検査

医薬品の一般名と主な商品名

情報源と支援団体

メルクマニュアル家庭版について

セクション

トピック

鞭虫症

鞭虫(べんちゅう)症は、回虫の1種であるヒト鞭虫によって起きる腸の感染症です。

鞭虫症は大変よくみられる病気で、主として熱帯や亜熱帯などの、衛生状態が悪く、土中で鞭虫の卵を保有するのに適した高温多湿の地方で発生します。

感染は、土の中で温められた卵が付着した食べものを食べることによって起こります。小腸で卵から幼虫がかえり、大腸に移動し、頭部を腸壁に侵入させます。各幼虫は11センチメートルほどの長さの成虫になり、卵は便に混じって排出されます。

症状と診断

腸内に大量の成虫がいると、腹痛や下痢などの症状が起こります。極端に多い場合は、慢性の下痢、体重減少、腸管出血、貧血などが起こります。重症の小児では、直腸が肛門から突出する直腸脱がみられることがあります。

鞭虫症は、便を顕微鏡で調べ、特有のたる型の卵を見つけることで診断します。また、大腸内視鏡で成虫を発見することで診断が確定することもあります。

予防と治療

予防には、清潔なトイレを使い、衛生管理を心がけ、洗っていない生野菜は食べないようにすることです。治療にはアルベンダゾールとメベンダゾールが有効ですが、胎児に悪影響を及ぼすため、妊婦には使用できません。

その他の寄生虫

寄生虫

感染源と侵入部位

主な症状

診断の手がかり

治療

回虫

       
糞線虫;多湿の熱帯地方や米国南東部で発生

感染源:土壌に混じった便(幼虫)

侵入部位:皮膚(主に足)

みぞおちの痛み。下痢、線状のじんま疹や発疹、喘鳴や喘息様呼吸器症状

便中や十二指腸に幼虫

播種性の過剰感染症、たんの中に幼虫、大量の幼虫による敗血症や髄膜炎

イベルメクチン

条虫

       
小形条虫;世界各地で発生

感染源:環境中に放出された虫卵

侵入部位:

下痢、小児の重症感染症では腹部不快感 便中に虫卵
  • プラジカンテル
  • ニクロサミド
エキノコッカス;世界各地のヒツジやウシの畜産地域で発生する;野生動物も感染する

感染源:動物の糞

侵入部位:

肝臓や肺の腫瘤、腹痛、胆管疾患、胸痛、せきとともに血やシストの内容物を喀出 本感染症の発生地域に居住、肝臓や肺に嚢胞、血液中に条虫に対する抗体、胸部X線検査の異常所見
  • アルベンダゾール
  • 外科的切除
  • 経皮的な除去、高濃度食塩水をシストに注入した後に吸引

吸虫

       
腸ジストマ;極東地域に多い

感染源:植物や淡水魚

侵入部位:

普通は無症状。ときに腹痛や下痢 便中に虫卵 プラジカンテル
肝蛭;世界各地のヒツジ畜産国で発生

感染源:シストが付着したクレソンや他の水生植物

侵入部位:

急性の腹痛、肝臓や胆嚢の炎症 便中や胆汁中に虫卵 ビチオノール
肝吸虫(肝ジストマ);極東地域で発生

感染源:淡水魚

侵入部位:

腹痛、黄疸、下痢。数年後に胆管の癌 便中や腸内容物中に虫卵 プラジカンテル
肺吸虫(肺ジストマ);極東地域に多い

感染源:シストが付着した淡水のカニやザリガニ

侵入部位:

呼吸困難、喀血 便中やたんの中に虫卵、血液検査陽性、胸部X線画像で多数の小さなブドウ状の空洞 プラジカンテル

トリパノソーマ

       
クルーズトリパノソーマ(シャーガス病);北アメリカ、中央アメリカ、南アメリカで発生

感染源:吸血昆虫のサシガメ属

侵入部位:虫にかまれた皮膚や眼の周囲。輸血で感染することもある

急性症状:発熱、全身の脱力感、心臓や脳への致死性の感染症

慢性症状:急性の危機的状況を脱した場合も長期にわたって心臓や消化管に症状が残ることが多い

血液中にトリパノソーマ ニフルチモックス ベンズイミダゾール(しばしば、効果がなく毒性をもたらすことがある)
アフリカトリパノソーマ(眠り病);熱帯アフリカの一部地域で発生

感染源:ツェツェバエ

侵入部位:皮膚(ハエに刺された場所)

かまれた部分に痛みのある丘疹が現れた後、発熱、頭痛、発疹がみられ、やがて眠気、歩行困難、昏睡、死に至る 血液中や脊髄液中にトリパノソーマ
  • スラミン
  • ペンタミジン
  • エフロルニチン(ガンビアトリパノソーマのみ)
  • メラルソプロール(脳感染症の場合)
ページの先頭へ

前へ: 旋毛虫症

アニメーション
オーディオ
イラスト
写真
囲み解説
ビデオ
個人情報の取扱いご利用条件