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子宮頸部の粘液の異常

子宮頸部(子宮下部の腟とつながる部分)の粘液は、普段は濃厚で精子が侵入できないようになっていますが、排卵直前になるとエストロゲン値の上昇により、この粘液が透明でさらさらになります。その結果、精子は粘液内を通って子宮から卵管に入っていけるようになり、受精が行われます。感染症などが原因で、排卵の時期になっても粘液の状態が変わらないと、妊娠しにくくなります。精子に対する抗体が粘液に含まれている場合にも、精子が卵子に到達する前に抗体によって殺されてしまうため、妊娠の可能性は非常に低くなります。

診断と治療

性交後検査(フーナーテスト)という方法では、性交から2〜8時間後に子宮頸部の粘液を検査し、精子が粘液内で生存できるかどうかを調べます。検査は月経周期のちょうど中間時点、すなわちエストロゲン値が最高になり、排卵が起こる時期に行います。粘液のサンプルを鉗子(かんし)か注射器で採取し、粘液の濃度や粘り気の強さ、粘液内の精子数を調べます。粘液の濃度が高すぎる、粘液内に精子が存在しない、粘液中に精子に対する抗体があり精子が凝集している―などの場合は異常とみなされます。ただし、こうした異常がみられる場合でも粘液に問題があるとは限らず、また妊娠が不可能とも限りません。単に性交時にうまく腟内に射精が行われなかったため粘液内に精子がみられなかったり、検査が月経周期の適切な時期に行われなかったため粘液が濃すぎる場合もあるからです。

治療方法の1つは人工授精です。女性の子宮内にパートナーの精液を直接注入することで、子宮頸部の粘液による影響を避けることができます。粘液を薄める薬(グアイフェネシンなど)を使うこともあります。ただし、どちらの治療を行った場合も、妊娠の可能性が増すという証拠は得られていません。

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