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避妊とは受胎を防ぐ目的で、精子による卵子の受精を防いだり、あるいは受精卵が子宮内膜に着床するのを防ぐことをいいます。
避妊にはいくつかの方法があります。いずれも完璧ではありませんが、中には信頼性が比較的高い方法もあります。どの避妊方法にも利点と欠点があります。避妊方法は、個人のライフスタイルや好み、必要とする信頼性の程度によって選択されます。
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| 各種避妊法の効果 |
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避妊法
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避妊を始めて1年以内に妊娠する割合(%)
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| 経口避妊薬 |
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エストロゲン‐
プロゲスチン混合型
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0.1〜5 |
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プロゲスチン単剤
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0.5〜5 |
| ホルモン剤のインプラント |
0.1 |
| メドロキシプロゲステロンの注射 |
0.3 |
| コンドーム |
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男性用
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3〜14 |
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女性用
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5〜21 |
| ペッサリーと殺精子剤の併用 |
6〜20 |
| 子宮頸部キャップと殺精子剤の併用 |
9〜40 |
| 子宮内避妊具(IUD) |
0.1〜0.6 |
| リズム法(自然な家族計画) |
1〜25 |
| 腟外射精 |
4〜19 |
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ホルモン剤による避妊
妊娠を避けるために使われるホルモン剤には、エストロゲンやプロゲスチン(ホルモンのプロゲステロンに似た合成薬)などがあります。ホルモン剤による避妊では、卵子の受精を阻止することで妊娠を防ぎます。主に、卵巣からの卵子の放出を止めるか、子宮頸部(しきゅうけいぶ)の粘液濃度を高めて精子が子宮に入らないようにする方法が取られます。
経口避妊薬
経口避妊薬は一般に「ピル」とも呼ばれるホルモン剤で、プロゲスチンとエストロゲンを組み合わせた混合型のものと、プロゲスチンのみを含むものがあります。
混合型の経口避妊薬の代表的な服用方法は、4週間を1サイクルとし、このうち3週間は毎日1錠ずつ服用し、1週間は服用を休み(月経が起こるようにするため)、翌週から再び服用を開始するというものです。毎日1錠の服用を習慣づけるため、休薬期間の1週間はホルモンを含まない錠剤を代わりに服用することもあります。混合型の経口避妊薬を指示通りに服用している女性のうち、最初の1年間で妊娠する人の割合は0.2%未満です。しかし、薬の服用を確実に行わなかったり忘れたりすると、特にサイクルの最初の方で服用漏れが生じた場合、妊娠の可能性が高くなります。
混合型の錠剤に含まれているエストロゲンの量はさまざまです。普通は、低用量(20〜35マイクログラム)のエストロゲンを含むものが用いられます。これは高用量(50マイクログラム)のものに比べて、重大な副作用が少ないためです。タバコを吸わない健康な女性であれば、低用量のエストロゲンを含む混合型経口避妊薬は、閉経まで継続的に服用できます。
プロゲスチンのみを含む経口避妊薬は、毎日服用します。この薬を使用している人では不正出血がよくみられます。服用している人が妊娠する割合は約0.5〜5%です。プロゲスチンが単独で処方されるのは、エストロゲンを服用すると有害な可能性がある場合に限られます。たとえば授乳中の女性では、エストロゲンを服用すると母乳の量や質が低下するため、プロゲスチンが単独で処方されることがあります。プロゲスチンのみの場合は、授乳への影響はありません。
経口避妊薬の使用を始める前には、必ず医師の診察を受けて血圧測定などを行います。健康に問題がある人では、避妊薬の服用が危険な場合があります。本人または近親者に糖尿病や心臓病がある場合は、血液検査でコレステロール値やその他の脂質値、血糖値を測定します。コレステロール値や血糖値が高かったり、脂質値に異常がある場合でも、低用量のエストロゲンを含む混合型経口避妊薬が処方されることがあります。ただし、こうした人は定期的に血液検査を受けて脂質値や血糖値を確認します。経口避妊薬の服用を始めて3カ月後には再度診察を受け、血圧が大きく変化していないことを確認します。その後も少なくとも1年に1回は診察を受けます。
経口避妊薬を使いはじめる前に、自分のライフスタイルにおける経口避妊薬の利点と欠点を医師とよく話し合うようにします。
利点: 経口避妊薬の主な利点は、指示通りに服用していれば継続的な避妊効果が得られ、信頼性も高いことです。経口避妊薬を服用することで、月経痛、月経前症候群、不正出血、貧血、乳腺嚢胞(にゅうせんのうほう)、卵巣嚢胞、子宮外妊娠(ほとんどは卵管妊娠)、卵管の感染症も起きにくくなります。また、関節リウマチや骨粗しょう症も発症しにくくなります。
経口避妊薬の服用により、子宮体癌(子宮内膜癌)、卵巣癌、大腸癌(結腸癌、直腸癌)など一部の癌の発生リスクが低下します。リスク低下の効果は避妊薬の使用を中止してからも、何年間も続きます。経口避妊薬の服用期間中は乳癌になる可能性がやや高くなる傾向がありますが、服用を中止した後は、家族に乳癌患者がいる人でもそのような傾向はみられません。
妊娠初期に服用した経口避妊薬が胎児に害を及ぼすことはありません。しかし、妊娠に気づいたらすぐ服用を中止します。服用をやめてから2〜3カ月は排卵が起きない場合もありますが、経口避妊薬が生殖能力に長期的な影響を及ぼすことはありません。
欠点: 経口避妊薬の欠点は、ときにわずらわしい副作用が生じることです。服用開始から最初の2〜3カ月は不正出血がよくみられますが、通常は体がホルモンに慣れてくると止まります。また、数カ月間は休薬期間をおかずに毎日服用を続けると、出血回数を減らすことができます。
副作用の一部は避妊薬に含まれるエストロゲンによるものです。たとえば、吐き気、腹部の張り、むくみ、血圧の上昇、乳房の圧痛、片頭痛などがあります。プロゲスチンの種類や用量によって起こる副作用としては、気分障害(抑うつなど)、体重増加、にきび、神経質などがあります。経口避妊薬を服用すると、水分貯留によるむくみが生じ、体重が1〜2キログラムほど増えることがあります。食欲増進により、体重がさらに増えることもあります。頭痛や睡眠障害が起こる場合もあります。こうした副作用の多くは低用量の経口避妊薬ではあまりみられません。
経口避妊薬が原因で、顔に濃い色のしみが生じることがあります(黒皮症)。これは妊娠中に生じるのと同様のものです(皮膚の色素異常: 肝斑を参照)。日光にあたると色がさらに濃くなります。服用を中止すると徐々に薄れていきます。
経口避妊薬の服用で、発症リスクが増す病気もあります。混合型経口避妊薬を服用している女性では、服用していない女性よりも、静脈に血栓を生じるリスクが高くなります。高用量のエストロゲンを含む経口避妊薬ではこのリスクは7倍になり、低用量のエストロゲンの場合はリスクは2〜4倍となります。このリスクは通常の妊娠中のリスクの半分に相当します。手術も血栓の発生リスクを高めるため、手術の予定がある場合は1カ月前に避妊薬を中止し、手術後も1カ月間は服用を避けます。妊娠中と出産後2〜3週間は脚の静脈に血栓が生じやすいため、避妊薬を服用するのは出産後2週間以上たってからにするよう多くの医師が勧めています。タバコを吸わない健康な女性であれば、低用量のエストロゲンを含む混合型経口避妊薬は、脳卒中や心臓病を起こすリスクを増大させることなく使用できます。
経口避妊薬の使用は、5年以上継続すると特に、子宮頸癌のリスクを高めます。経口避妊薬を服用する場合は、少なくとも1年に1回はパパニコロー(パップスメア)検査(子宮頸部の細胞診)を受けるようにします。この検査によって子宮頸部の前癌病変を、癌になる前に見つけることができます。
経口避妊薬の服用開始後2〜3年は胆石ができやすくなりますが、その後は胆石の発症リスクは下がります。
経口避妊薬によって、特定の病気の発症リスクが大幅に増大する女性もいます。たとえば35歳以上でタバコを吸う女性では、心臓発作のリスクが高くなるため、経口避妊薬の使用は避けるべきです。特定の病気がある女性では、経口避妊薬によって健康上のリスクが増大する場合がありますが、こうした人でも医師の十分な観察の下であれば経口避妊薬を使用できる場合があります。
鎮静薬、抗生物質、抗真菌薬の中には経口避妊薬の効果を妨げるものもあります。経口避妊薬を使用中の女性がこうした薬を同時に服用すると、妊娠することがあります。
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*これらの制限事項があてはまるのはエストロゲン‐プロゲスチン混合型の経口避妊薬のみです。
mg/dL=血液1デシリットル中のミリグラム数
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避妊用パッチ剤と腟リング
エストロゲンとプロゲスチンを含む避妊用のパッチ剤や腟(ちつ)に挿入する腟リングは、3〜4週間にわたって使用し、第4週には使用をやめて月経を起こします。
パッチ剤は毎週1回新しいものを皮膚に貼り、3週間使用します。1回貼ったパッチ剤は1週間そのままにしておき、1週間後にはがして新しいパッチ剤を別の位置に貼ります。第4週は何も貼りません。パッチ剤は運動、サウナ、入浴などではがれないようになっています。
腟リングは、腟内に入れて使用する小さなプラスチック製の器具で、3週間入れたままにしておき、次の1週間は外します。腟リングは、使用者が自分で挿入したり取り出したりできます。リングのサイズは1種類で、腟内のどこに挿入しても構いません。性交時にパートナーがリングを感じることはありません。リングは毎月新しいものに交換します。
どちらの方法でも月経は正確に起こり、月経期以外の出血はほとんどみられません。起こりうる副作用や使用上の制限は、混合型経口避妊薬の場合とほぼ同様です。
避妊用インプラント
避妊用インプラントはプラスチック製のカプセルまたはスティックにプロゲスチンが入ったもので、これを皮膚の下に埋めこみます。皮膚に麻酔をかけ、小さく切開するか針を挿入して、ひじ上あたりの腕の内側の皮下にインプラントを入れます。縫合は不要です。インプラントから徐々にプロゲスチンが放出され、血流に入ります。米国では現在認可されているインプラント製品はありませんが、針を通して挿入するタイプのプラスチック製インプラントがまもなく認可される見通しです。この製品は1度埋めこむと3年間有効で、除去するときは皮膚を切開して取り出します。
副作用として最も多いのは、使いはじめて最初の1年間は月経が起こらなかったり、不規則になったりすることです。それ以降は月経はおおむね規則的になります。頭痛や体重増加がみられることもあります。こうした副作用がひどい人では、インプラントを取り出す場合もあります。インプラントは体内で溶解することはなく、医師に除去してもらう必要があります。インプラントの周囲では皮下の組織が厚くなるため、除去するのは挿入に比べて困難です。除去した後に小さな傷あとが残ることもあります。インプラントを除去すると卵巣機能はすぐに正常に戻るので、生殖能力も元に戻ります。
避妊薬の注射
避妊を目的としたホルモン剤の注射には2種類あり、医師などに腕または尻の筋肉に注射してもらいます。いずれも高い避妊効果があります。
プロゲスチンの1つである酢酸メドロキシプロゲステロンは、3カ月に1回の頻度で注射します。酢酸メドロキシプロゲステロンは月経周期を大きく狂わせることがあります。これを使う女性の約3分の1では、第1回の注射後3カ月は月経がなく、他の3分の1の人では不規則な出血が毎月11日間以上みられます。しばらく注射を続けると不正出血が起こる回数は少なくなり、2年後には約70%の人で不正出血がなくなります。注射を中止した後の月経周期は、半年以内に約半数の人で正常に戻り、1年以内に約4分の3で正常に戻ります。注射をやめてから生殖能力が戻るまでには最長1年間を要します。
わずかな体重増加や、骨密度の一時的減少といった副作用がみられます。注射をやめると、骨密度は注射の開始以前の値に戻ります。酢酸メドロキシプロゲステロンは、乳癌も含めて発癌のリスクを増やすことはなく、特に子宮内膜癌については発生リスクを大幅に低下させます。ほかの薬との相互作用もあまりありません。
もう1つの処方は1カ月に1回、エストロゲンと、3カ月ごとの注射に比べてはるかに少量の酢酸メドロキシプロゲステロンを注射するという処方です。この方法では各回の注射から約2週間後に規則的に出血が起こり、骨密度の減少も起こりません。酢酸メドロキシプロゲステロンの使用量が少ないため、注射をやめてから生殖能力が戻るまでの期間も短くなります。
緊急避妊
緊急避妊は「モーニングアフター・ピル」とも呼ばれるホルモン剤を使用する方法で、避妊をせずに性交をした後や、使用していた避妊法が失敗した後(コンドームが破れた場合など)、72時間以内にホルモン剤を服用します。
2種類の方法があります。より効果が高い方法は、プロゲスチンの1つであるレボノルゲストレルをまず1回服用し、12時間後にもう1回服用するというものです。この方法を行った場合、妊娠する割合は約1%で、副作用ももう1つの方法より少なくてすみます。もう1つの方法は、性交後72時間以内に混合型経口避妊薬を2錠服用し、12時間後にさらに2錠服用するというものです。この方法では、妊娠する割合は約2%ですが、副作用として50%に吐き気、20%に嘔吐がみられます。吐き気や嘔吐を防ぐためヒドロキシジンなどの制吐薬も処方されます。
バリアー法による避妊
バリアー法は、精子の通過を阻止するバリアー型避妊具を用いて、精子が子宮に入ることを物理的に妨げる避妊法です。コンドーム(男性用および女性用)、避妊用ペッサリー、子宮頸部キャップなどの種類があります。
コンドームは細菌による性感染症(淋菌感染症、梅毒など)やウイルスによる性感染症(ヒト免疫不全ウイルス[HIV]感染症など)の予防策にもなる唯一の避妊法です。ただしコンドームを使用した場合でも、完全に感染を阻止できるわけではありません。コンドームは通常はラテックス製です。ポリウレタン製のコンドームにも感染を防ぐ効果はありますが、ラテックス製よりも薄いため裂けやすいという欠点があります。ラムスキン(羊の腸)で作られたコンドームは、HIV感染症などのウイルス感染を防ぐ効果はないため、勧められません。
避妊効果を得るには、コンドームを正しく使用する必要があります(クラミジア感染症やウレアプラズマ感染症の合併症 を参照)。一部の男性用コンドームでは、精液をためるスペースを作るため、先端に1センチメートル余りゆとりをもたせて装着する必要があります。精液をためるためのスペースがあらかじめ先端に設けられているコンドームもあります。射精後は、コンドームの縁がペニスの根元にしっかり固定されている間に、すぐに腟からペニスを抜きます。これはコンドームが外れて精液が漏れるのを避けるためです。次に、コンドームを慎重に外します。女性の体内で精液が漏れてしまうと、精子が腟に入り妊娠することがあります。コンドームは射精のたびに取り替えます。品質が疑わしい場合は使用せずに廃棄します。また、殺精子剤をコンドームの潤滑剤に混ぜたり、腟内に入れることによって、避妊効果はさらに高まります。
女性用コンドームは、リングで腟内に保持されます。男性用コンドームに似ていますが、より大きく、避妊効果は劣ります。
避妊用ペッサリーはドーム形をしたゴム製のカップで、縁の部分に伸縮性があり、腟から挿入して子宮頸部にかぶせて使用します。避妊用ペッサリーは精子が子宮に入るのを阻止します。
避妊用ペッサリーにはさまざまな大きさがあり、医師などに適切なサイズを選んでもらい、挿入方法を教わる必要があります。ペッサリーは正しく装着されていれば不快感を生じることなく、子宮頸部全体を覆った状態になります。性交時に女性やパートナーがペッサリーの存在を感じることはありません。性交中にペッサリーの位置がずれた場合に備えて、殺精子剤のクリームまたはゼリーを必ず使用します。避妊用ペッサリーは性交前に挿入し、性交後少なくとも8時間はそのままにします。ただし、24時間以内に外すようにします。ペッサリーを挿入した状態で続けて何回も性交を行う場合は、追加の殺精子剤を腟内に入れます。体重の増減が4.5キログラム以上あった場合、1年以上ペッサリーを使っている場合、出産や中絶をした場合には、腟の大きさや形が変わることがあるため、医療機関を受診してペッサリーのサイズを再度合わせる必要があります。避妊用ペッサリーを使用している人が最初の1年間に妊娠する割合は、正しく使用していれば約3%ですが、一般的な使用方法では約14%と、使用方法によりかなりの差があります。
子宮頸部キャップは避妊用ペッサリーと似ていますが、ペッサリーより小さくて硬く、子宮頸部にぴったりとかぶさります。医師などに正しいサイズを選んでもらう必要があります。子宮頸部キャップも、必ず殺精子剤のクリームまたはゼリーと併用します。キャップは性交前に挿入し、性交後少なくとも8時間はそのままにしておきますが、48時間以内に外します。
殺精子剤
殺精子剤は、接触した精子を殺す薬剤です。腟用の発泡剤、クリーム、ゲル剤、座薬などが入手可能で、性交前に腟に入れます。精子に対する物理的障壁となることによる避妊効果もあります。殺精子剤のタイプによる避妊効果の差は特にないようです。男性用コンドーム、女性用コンドーム、避妊用ペッサリーなど、バリアー型避妊具との併用に適しています。
子宮内避妊具
子宮内避妊具(IUD)は小型の柔軟なプラスチック製器具で、子宮内に挿入して使用します。種類によって5〜10年、または外したくなるまで挿入しておきます。IUDの挿入や除去は医師などが行います。2〜3分もあれば挿入できます。除去する際も短時間で済み、不快感もほとんどありません。IUDは精子を殺したり運動能力を奪うことにより、卵子の受精を阻止します。
米国では現在2種類のIUDが使われています。1つはプロゲスチンを放出するタイプ(プロゲスチン付加IUD)で5年間有効です。もう1つは銅を放出するタイプ(銅付加IUD)で、少なくとも10年間有効です。IUDを外した後1年以内に、妊娠を希望する女性の80〜90%は妊娠します。
避妊をしなかった性交の後、1週間以内にIUDを挿入すると緊急避妊の方法としてほぼ100%の効果があります。
挿入時には、子宮の内部が細菌によって一時的に汚染されますが、感染が起こることはまれです。使用開始から1カ月目以降は、IUDによって骨盤内感染のリスクが増えることはありません。
IUDを除去する主な原因は出血と痛みで、本来の交換時期以前に除去する理由の半数以上を占めています。銅付加IUDは、月経の出血量を増加させます。対照的に、プロゲスチン付加IUDでは月経に伴う出血量が減少し、6カ月後には月経の出血が完全に停止します。
IUDの約10%は挿入後1年以内、多くは2〜3カ月で子宮から出てきてしまいます。IUDにはプラスチック製のひもがついているので、IUDが体内に入っているかどうかをときどき(特に月経後などに)確認できます。ひもが見つからない場合は、IUDが入っていることを医師に確認してもらうまでは、別の避妊法を用いるようにします。IUDが出てしまった後に別のIUDを挿入した場合、再び出てきてしまうことはまずありません。
まれに、挿入時に子宮の壁を傷つけてしまい、穿孔(せんこう)を起こすことがあります。穿孔しても普通、症状はありません。プラスチックのひもが見つからず、超音波検査やX線検査でIUDが子宮外に発見されて初めて、穿孔を起こしていることがわかります。子宮を貫通して腹腔に出てしまったIUDは、腸を傷つけるおそれがあるため手術で取り出します。
IUDを挿入していて妊娠した場合は、約55%の人が流産します。女性が妊娠の継続を望み、ひもが見えていれば、医師はIUDを除去して流産のリスクを低下させます。IUDを挿入していて妊娠した場合、子宮外妊娠である可能性が約5%あり、これは通常と比較して5倍のリスクです。ただし、IUDを使っている女性では妊娠そのものがかなりの確率で避けられるので、避妊していない女性に比べて子宮外妊娠が起こる可能性ははるかに低くなります。
タイミング法による避妊
薬や器具を使用せずに、性交を行うタイミングを調整して避妊する方法です。
リズム法
リズム法(自然な家族計画)は、女性の受精可能期間には性交を避ける避妊法です。ほとんどの女性では、月経の始まる約14日前に排卵があります。受精しない卵子の生存期間は約12時間ですが、精子は性交の後、6日程度は生きています。したがって、排卵前の6日以内に性交を行うと受精が起こる可能性があります。
リズム法の1つであるカレンダー法は、たとえ月経周期が規則的であっても、リズム法の中で最も避妊効果の低い方法です。性交を避ける時期を計算するには、最近12回の月経周期のうち最短の周期から18日を差し引き、最長の周期から11日を差し引きます。たとえば月経周期が26〜29日であれば各周期の8日目から18日目までは性交を避けます。
リズム法でより避妊効果が高いのは、体温法、粘液法、症状体温法です。
体温法では毎朝の起床前に体温を測り、安静時の体温(基礎体温)を調べます。この体温は排卵の前に下がり、排卵後にやや高くなります。月経の開始時から、基礎体温が上がった日の少なくとも48時間後までは性交を避けます。
粘液法では子宮頸部の粘液を観察して女性の妊娠可能期間を判断します。この粘液は排卵直前になると大量に分泌され、水っぽくなります。月経の終了時から、粘液量の増加が観察されるまでは、低い妊娠リスクで性交を行うことができます。粘液が最大量になってから4日間は性交を避けます。
症状体温法では、子宮頸部の粘液の変化と基礎体温に加えて、排卵に関連してみられる、締めつけるようなわずかな痛みなどの症状を観察します。リズム法の中ではこれが最も信頼できる方法です。
腟外射精
精子が腟内に入らないように、男性が射精前にペニスを腟から抜く方法です。性交中絶法とも呼ばれます。男性のオルガスムとともに精液が放出されるのが射精ですが、精子は実際にはオルガスムの前にも放出されるため、この方法は避妊法としては信頼できません。また、この方法では男性が強い自制心を保ち、タイミングを正確に計る必要もあります。
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