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退院後の経過

大きくなった子宮はしばらくの間収縮を続け、2週間ほどかけて徐々に小さくなります。この収縮は不規則に起こり痛みを伴います。子宮の収縮力は授乳によって強まります。これは、授乳によって分泌が促進されるオキシトシンというホルモンに、乳汁を放出させる作用(催乳反射)と子宮を収縮させる作用があるためです。産後5〜7日で子宮は硬くなり、圧痛はみられなくなりますが、サイズはまだ大きく、恥骨とへその中間あたりまで達しています。産後2週間で子宮は正常な大きさに戻りますが、腹部が妊娠前のように平らになるには、運動をしている人でも数カ月かかります。妊娠線が薄くなるまでには1年ほどかかることもあります。

シャワーや入浴は問題ありませんが、腟洗浄は産後少なくとも2週間は避けるべきです。腟部の圧痛は、1日に2〜3回ぬるま湯で腟の周りを洗うことによって軽減されます。会陰(えいん)切開や痔による痛みは、座った状態で殿部だけ湯船につかる座浴によって軽減されます。

授乳をしていない人は、睡眠の補助や痛みの緩和に必要であれば、薬を使用することもできます。痛みに対しては、アセトアミノフェンまたは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が投与されます。大多数の薬は母乳の中にも移行するため、授乳をしている人では薬の用量が制限されます(授乳中に使える薬と使えない薬を参照)。

母乳で子育てをする人は、授乳時の乳児の適切な抱き方を知っておく必要があります(授乳時の抱き方を参照)。抱き方が悪いと乳頭(乳首)が痛くなることがあります。乳児が下唇を巻きこんだ状態で乳頭を吸うと、刺激痛が生じます。このような場合には親指で乳児の下唇を引き出します。授乳を終えたら、乳頭についた乳汁はふき取ったり洗ったりせず自然に乾かします。早く乾かしたい場合は、低温にしたヘアドライヤーを使っても構いません。非常に空気が乾燥しているところでは、低アレルギー性のラノリンや軟膏(なんこう)を使用することもできます。プラスチック製のブラジャー用ライナーは使用すべきではありません。

授乳期には栄養を十分に摂取する必要があり、特にカルシウムの補給が必要です。乳製品はカルシウムの優れた供給源となります。乳製品を食べられない人は、ナッツ類と緑色野菜で補うか、カルシウムのサプリメント(栄養補助食品)を服用します。栄養のバランスが取れた食事をしていて、特にビタミンB6、B12、Cを十分に摂取していれば、ビタミン剤をわざわざ服用する必要はありません。

自分で大丈夫だと感じれば、普通の日常生活を再開できます。性欲や快感が生じてくれば、性交も再開できます。ただし、排卵が再開すれば妊娠する可能性があるため、避妊をすることが勧められます。授乳をしていない人の場合は、月経が再開する前に、産後4週間ほどで排卵が起こるのが普通ですが、これよりも早く起こる場合もあります。授乳をしている人では排卵と月経の再開が遅れる傾向があり、産後10〜12週間たってから起こるのが普通です。再開するまでの期間の長さは、乳児が母乳以外の栄養をどの程度摂取しているかによって決まります。乳児が摂取する栄養の5分の4以上を母乳に依存している間は、排卵が再開することはまずありません。ただし、ときには授乳中の女性でも、授乳をしていない人と同様に産後まもなく排卵や月経が起こったり、妊娠することがあります。

体が妊娠以前の状態に完全に回復するには1〜2年かかるため、それまでは妊娠を避けることを多くの医師が勧めています。しかし実際には、女性がこの勧めに従わない場合もあります。出産後最初の健診で避妊の方法(家族計画: 避妊を参照)についても相談し、自分に合った方法を選びます。風疹の予防接種を受けた直後に妊娠すると胎児に影響するおそれがあるので、予防接種の実施後少なくとも1カ月間は妊娠を避ける必要があります。

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