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壊死性腸炎

壊死性腸炎とは、腸内部の表面が損傷を受ける病気です。

壊死性腸炎は主に早産児にみられる病気で、その原因は不明です。健康状態が悪い早産児では腸への血流が少なくなるために腸の内側の層が損傷を受けますが、損傷を受けた腸壁には腸内に常在する細菌が侵入しやすくなります。損傷が進行して腸壁を侵し、腸壁に穴が開いてしまうと、腸の内容物が腹腔に漏れ出して腹膜炎を引き起こします。壊死性腸炎は、血液の感染症(敗血症)の原因にもなります。最も症状が重い場合、壊死性腸炎は命にかかわります。

壊死性腸炎を起こした新生児は、腹部が腫れます。また、胆汁に染まった腸液を吐いたり、便に血が混じっているのが肉眼でわかることもあります。これらの症状が出た新生児はすぐに非常に具合が悪くなり、眠りがちな状態に陥り、体温が低下し、呼吸の一時的な停止を繰り返します(無呼吸発作)。壊死性腸炎の確定診断は、腹部X線検査によって行います。感染症の原因菌を特定するため、血液サンプルを採取して培養します。

予防、治療、経過の見通し

早産児には、乳児用調合乳より母乳を与える方が、ある程度の抵抗力がつくようです。体格が小さい、あるいは病気の早産児の場合は、授乳開始を数日遅らせて、その後授乳量をゆっくり増やすようにすると、壊死性腸炎のリスクを軽減できることがあります。壊死性腸炎の疑いがある場合は、授乳を中止します。吸引チューブを新生児の胃に入れると、空気と乳児用調合乳を飲みこむことで生じる圧力を取り去ることができ、腸にかかる圧力も軽減できます。静脈内投与で水分補給を保ち、血液培養で原因菌が判明したら抗生物質の投与も開始します。

壊死性腸炎を起こした新生児の約70%は手術を必要としません。腸が穿孔(せんこう)した場合は手術が必要となります。また、治療を行ったにもかかわらず症状が進行性に悪化した場合も手術が必要となります。

非常に体格が小さい新生児、非常に状態が悪い新生児の場合は、腹膜ドレーン(排液管)という管を左右の下腹部から腹腔内に留置します。この管で腹腔から便と腹膜液を吸い出すことができ、抗生物質の投与を同時に行うことで症状が改善されます。排液管を使った治療で多くの新生児は容体が安定し、後に手術をより安全な状態で行うことができます。手術をしなくてもこの治療法だけで完全に回復する例もあります。

より大きい乳児の場合は、腸を部分的に切除して、健常な腸の端を皮膚表面につなぎ、老廃物を排出するための一時的な開口部を作る手術(オストミー)が必要です。

集中的な治療と必要に応じて手術を行うことで、壊死性腸炎を起こした新生児の経過の見通し(予後)は改善されています。この病気にかかった新生児の3分の2以上が助かっています。

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