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新生児敗血症

敗血症とは、血液における細菌感染症です。

新生児、特に早産児は免疫システムが未熟のため、敗血症にかかるリスクが小児や成人よりもずっと高くなります。また、早産児は特定の細菌に対するある種の抗体をもっていません。これらの抗体は、妊娠後期に胎盤を通って母親から胎児へ移行するものだからです。敗血症にかかるもう1つの重要な危険因子は、静脈内カテーテルと人工呼吸器の使用です。

生後まもない新生児で敗血症を引き起こす原因菌として最も多くみられるのは、B群溶連菌です。一方、後に新生児集中治療室(NICU)でケアを受けている間に新生児がかかる敗血症は、ブドウ球菌の1つのタイプ(コアグラーゼ陰性)が原因であることが最も多いようです。

新生児にみられるある種の感染症

感染症の種類

感染様式

症状

治療と予防

ヘルペス

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新生児の単純疱疹

新生児の単純疱疹
通常、陣痛や分娩の際の破水後に胎児がウイルス(単純ヘルペスウイルス)に感染する 通常、小さな水疱が皮膚に現れる。感染症は眼、肺、肝臓、脳、皮膚など多くの臓器に広がることがある 抗ウイルス薬を静脈内投与する。眼の感染症はトリフルリジンの点眼薬で治療する

B型肝炎

通常、陣痛や分娩の際の破水後に胎児がウイルスに感染する 慢性肝臓感染症(慢性肝炎)を発症するが、普通は青年期になるまで症状は現れない 感染した母親から生まれた新生児には、B型肝炎ワクチンとB型肝炎免疫グロブリンの両方を生後24時間以内に投与する

サイトメガロウイルス感染症

ウイルスは妊娠中、あるいは分娩中に母親から胎盤を移行すると考えられている(リスクは1%)。出生後の新生児は、感染した母乳や汚染血液の輸血によって感染する ほとんどの新生児では症状はみられない。約10%で出生時の低体重、小さい頭部、黄疸、小さいあざ、肝臓と脾臓の肥大が起こる。難聴が起こることもある 治療法はない。ガンシクロビルが一部の症状緩和に効き目がある。新生児は生後1年間は複数回にわたって聴力検査を受ける必要がある

風疹

ウイルスは妊娠中に胎盤を移行する(予防接種が普及したために現在ではまれ)。妊娠初期に胎児が感染した場合、症状は重くなる 胎児への影響は、出生前に死亡する、先天異常を生じる、聴覚障害はあるが他の症状はないなど幅がある。新生児に出生時の低体重、脳炎、白内障、網膜の損傷、心臓の異常、肝臓と脾臓の肥大、あざ、青みがかった赤い皮膚病変、リンパ節腫大、肺炎などがみられることがある この感染症に特定の治療法はない。母体の感染を防ぐには、妊娠可能な年代の女性すべてが、妊娠する前に予防接種を受ける必要がある。風疹の免疫がない女性が妊娠初期に患者と接触した場合は、ときに免疫グロブリンを注射する

トキソプラズマ症

妊娠中に寄生虫(トキソプラズマ)が胎盤を移行する。妊娠初期に胎児が感染した場合、症状は重くなる 胎児の成長が遅くなり、早産で生まれる場合もある。新生児には小さい頭部、脳炎、黄疸、肝臓と脾臓の腫大、心臓や肺や眼の炎症、発疹などがみられる場合がある 妊娠中の女性は、ネコのトイレ砂を取り扱うことは避ける必要がある。母親から胎児への感染は、母親がスピラマイシンを服用すると予防できる場合がある。胎児が感染していた場合は、妊娠後期にピリメタミン、スルホンアミドを服用する。感染した新生児に症状がある場合は、ピリメタミン、スルホンアミド、ロイコボリンで治療する。心臓、肺、眼の炎症の治療にはコルチコステロイド薬を用いる

梅毒

母親が妊娠中に梅毒に感染したり、過去に感染した梅毒の治療が不適切であった場合、細菌(梅毒トレポネーマ)が胎盤を移行して感染する 死産や早産が起こる場合がある。新生児は無症状である。生後1カ月で新生児に大きな水疱や平らな銅色の皮疹が手のひらと足の裏に生じ、鼻と口の周囲およびおむつをあてる部位に隆起部分が生じる。通常、リンパ節、肝臓、脾臓が腫大する。新生児は発育不良となり、口の周囲にひび割れが生じ、老人のような外観になるのが特徴。鼻から粘液、膿、血液が流れ出る場合がある。まれに髄膜炎が起こる 出産前に母親をペニシリンで治療する。出生後もまだ感染している場合は母親も新生児もペニシリンで治療する

結膜炎

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新生児の結膜炎

新生児の結膜炎
陣痛や分娩の際の破水後に細菌(主にクラミジア淋菌)が胎児に感染する

クラミジアが原因の場合:

通常、生後5〜12日で結膜炎が起こるが、6週間後の場合もある。眼から大量の膿を含む水様の分泌物が出る

淋菌が原因の場合:

通常、生後2〜3日で結膜炎が起こるが、7日後までに起こる場合もある。眼から膿が出る

クラミジアが原因の場合:

エリスロマイシンの眼軟膏を投与し、錠剤も内服する

淋菌が原因の場合:

ポリミキシン、バシトラシン、エリスロマイシン、テトラサイクリンなどを含む眼軟膏を使う。セフトリアキソンなどの抗生物質も静脈内投与する

ヒトパピローマウイルス感染症

通常、新生児は分娩時に感染する 泣き声の変化、ときとして呼吸困難や気管にできたいぼによる気道の重大な閉塞などの症状を伴う。肺感染症も起こる いぼは外科的に取り除く。インターフェロンで再発を予防できる

症状と診断

敗血症にかかった新生児は元気がない、乳をあまり飲まないといった症状がみられ、低体温もしばしばみられます。そのほかの症状としては、呼吸の一時的な停止(無呼吸)、発熱、顔色が青白い、皮膚の血液循環が悪く手足が冷たい、腹部の腫れ、黄疸などがあります。

新生児は感染症に対する免疫力が低いので、血流中の細菌はさまざまな臓器に侵入し感染を起こします。敗血症の合併症の中で最も重いものは、脳を覆っている膜の感染症(髄膜炎)です。髄膜炎を伴う新生児は、活動性が著しく低下し、昏睡(こんすい)、けいれん、泉門(頭蓋骨の間にある軟らかい部分)の隆起などの症状が現れます。髄膜炎の可能性を除外したり診断したりするためには、脊椎(せきつい)穿刺(腰椎[ようつい]穿刺)を行って脳脊髄液を採取し、そのサンプルを培養します。骨の感染症(骨髄炎)は腕や脚に痛みと腫れを引き起こすことがありますが、これは新生児がその腕や脚を動かさないことからしばしば発見されます。関節の感染症では、その関節が腫れる、熱をもつ、赤くなる、押すと痛むなどの症状が現れ、その関節は少ししか動かせないか、まったく動かせなくなります。関節の感染症が疑われる場合、その部位に穿刺して液体を採取し、サンプルを培養します。

治療と経過の見通し

血液培養の結果が出る前に、敗血症の疑いがある新生児には抗生物質を静脈内投与します。病原体が特定されたら、抗生物質の種類をそれに応じて調整します。抗生物質による治療に加え、人工呼吸器、静脈内投与による水分補給、血圧と血液循環の補助などの治療が必要となることもあります。

敗血症は、生後1週間が過ぎた未熟児の死亡の主な原因となっています。敗血症から回復した新生児に長期的な問題は生じません。ただし髄膜炎を起こした場合は例外で、後に精神発達の遅れ、脳性麻痺、けいれん、難聴などが現れることがあります。

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