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ダウン症候群

ダウン症候群(21トリソミー)とは染色体の異常による病気で、精神遅滞とさまざまな体の異常が生じます。

ある染色体が過剰に存在し、3本ある状態を「トリソミー」と呼びます。新生児で最もよくみられるトリソミーは21トリソミー(21番染色体が3本あること)です。ダウン症候群の症例のうち、約95%の原因が21トリソミーです。母親が高齢の場合、特に35歳以上の場合は、若い母親よりも余分な染色体が生じる原因となります。その結果、高齢の母親はダウン症候群の子供を産む確率が高いのです(遺伝病の検査: 染色体異常を参照)。しかし、余分な染色体は父親が原因であることもあります。

写真

ダウン症候群:21トリソミー

ダウン症候群:21トリソミー

症状

ダウン症候群では、体と精神の発達が遅れます。ダウン症候群の乳児はおとなしく消極的で、やや筋肉の低緊張がみられます。ダウン症候群の子供の知能指数(IQ)には幅がありますが、正常な子供のIQが平均100であるのに比べ、ダウン症候群の子供では平均でおよそ50です。ダウン症候群の子供は視覚動作能力(絵を描くなど)が、聞くために必要な能力より優れている傾向があります。そのため典型的には、言語能力の発達が遅くなります。早期に教育やそのほかの面で介入することによって、ダウン症候群の幼児の機能を高めることができます。

ダウン症候群の子供は頭が小さく、顔は広く扁平でつり上がった眼と低い鼻をもつ傾向があります。舌は大きく、耳は小さくて頭の低い位置についています。手は短くて幅が広く、手のひらを横切るしわが1本しかありません。指は短く、第5指の関節は3つではなく2つしかないことが多く、内側に曲がっています。足指の第1指と第2指の間が明らかに広くなっています。

ダウン症候群の子供は心臓の異常をしばしば伴います。ダウン症候群の人の多くに甲状腺疾患が起こります。耳の感染症を繰り返し、内耳に液体がたまりやすいため(漿液[しょうえき]性耳炎)、聴覚に障害が起こりやすい傾向があります。角膜と水晶体に問題があるため、視覚障害も起こしやすい傾向があります。ダウン症候群の人の多くは30代で、アルツハイマー病でみられるような記憶喪失、知能低下の進行、人格の変化などの痴呆の症状を発現します。

診断

ダウン症候群は、出生前に診断されることがしばしばあります(遺伝病の検査: 出生前診断を参照)。ダウン症候群の乳児には、診断を促す特徴的な外見があります。確定診断には、乳児の染色体を検査して21トリソミーあるいは21番染色体のそのほかの病気を調べます。診断がついたら、超音波検査や血液検査などを行ってダウン症候群に関連する異常がないか調べます。発見した異常を治療すると、それにより健康が損なわれることをしばしば防げることができます。

経過の見通し

ダウン症候群の子供の大半は、死亡することなく成人になります。軽度から中等度の精神遅滞を伴うダウン症候群の子供の平均余命は55歳で、明らかな精神遅滞を伴う子供の場合は45歳です。多くの人は精神面の機能の悪化が進行します。心臓の異常はしばしば薬剤や手術で治療できます。ダウン症候群の子供の死因の多くは心臓の病気と白血病です。

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