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薬物などの使用と乱用

青年期の若者における薬物などの使用は、試してみるだけから依存まで、いろいろな範囲で起こります(薬物の使用と乱用: はじめにを参照)。その影響も、まったくない場合から命にかかわるものまで幅があり、使用する物質の種類、使用状況、使用頻度によって異なります。しかし試しに使ってみただけでも、過剰摂取、自動車事故、望まない妊娠などの重大な結果を引き起こしかねません。試すだけやときどき使用するだけの例はよくみられますが、実際の薬物依存はあまりみられません。

アルコールは、青年期の若者の間で最もよく使用される物質です。高校の最上級生の約80%がアルコールを飲んだことがあると答えています。この中には、大量飲酒(アルコールを連続して5杯以上飲むことと定義されています)を行っている者もいます。青年期の若者がアルコールを飲むようになるかどうかについては、危険因子があります。遺伝も要素の1つです。家族の中にアルコール依存症の人がいる若者には、そのリスクについて認識させる必要があります。友人や兄弟姉妹が過度に飲酒をする場合も、若者はその行為を容認できるものと考えることがあります。社会やメディアも、しばしば飲酒を容認できるものとする傾向があります。これらの影響があっても、親は若者に対し、飲酒に関してどのような行動を望んでいるかを明確に伝え、一貫した制限を設けて、若者を監視することで状況は変えられます。

タバコを吸う成人の多くは、青年期に喫煙を始めています。中学3年生のほぼ5分の1が、定期的に喫煙するとしています。青年期の若者が喫煙者にならずに18〜19歳に達した場合は、成人後に喫煙者になる可能性もかなり低くなります。若者の喫煙を誘発する要因としては、親が喫煙する(単独で最も予測可能な因子)、友人が喫煙する、自己評価が低い、などがあります。そのほかの違法薬物の使用も影響します。親は、自分たち自身が喫煙しない(あるいはやめる)、タバコの害について率直に話し合う、すでに喫煙している若者の場合はタバコをやめたり、必要であれば禁煙のための医学的援助を探すよう説得する、などの方法で若者の喫煙を防ぐことが可能です。

青年期における違法薬物の使用は、全体的にみてここ数年は減少傾向にあるものの、依然として多くみられます。2000年には、高校3年生の約54%に、それまでに違法薬物を使用した経験がありました。高校3年生の約62%は飲酒経験があると答えています。そのほかに使用経験のある薬物として49%がマリファナ、16%がアンフェタミン、13%が幻覚剤、9%がバルビツール酸系催眠薬、9%がコカイン、2%がヘロインを挙げています。メチレンジオキシメタンフェタミン(エクスタシー)の使用は、先に挙げた薬物と異なりここ数年間で劇的に増加していて、高校3年生の11%がときどき使用するとしています。

高校生男子のうち、多数の運動選手ではない者を含む6%までが、筋肉増強剤であるタンパク同化ステロイドを少なくとも1回以上使った経験があります。青年期のタンパク同化ステロイド使用の副作用には、骨の先端にある成長板が早期に閉じてしまうことがあり、その結果永久的に低身長になります。そのほかの副作用は成人の場合と同様です(乱用のおそれがあるその他の薬物を参照)。

12〜14歳の若者も薬物などを使用することがあります。青年期の若者が薬物などの使用にかかわるようになる危険因子はあるものの、どの若者が最も深刻な乱用の形態に陥るかを予測するのは困難です。親は、若者に異常な行動、気分のむら、友人を替える、学業成績の低下などがないか注意を払う必要があります。もしこれらの行動に気づいたら、若者や主治医とそのことについて話し合うべきです(難しい話題について子供と話し合うにはを参照)。

医師は、青年期の若者が薬物使用などの問題を抱えていないかどうかを調べる手助けができます。尿による薬物検査の実施を希望して、若者を連れて受診する親も一部にいますが、この際に親が心に留めておくべきポイントがいくつかあります。医師は、若者が拒んだ場合は、薬物検査を受けさせることはできません。また尿検査の結果は、偽陰性になることもあります。その薬物の代謝や最後に使用した時期によって、結果に影響が出るからです。最も重要なのは、非難したり対立するような雰囲気の中では、診断にとって最も重要な鍵となるこれまでの薬物使用歴に関して、医師が若者から聞きだすのが難しくなるということです。

若者が薬物使用などの問題を抱えていると医師が判断した場合、薬物乱用などに関する専門家を紹介することができます。このような専門家は、診断をつけて必要な治療を決定することができます。若者に対する治療は成人の場合と同様ですが(薬物の使用と乱用: はじめにを参照)、ほかの若者と一緒に行うのが一般的です。

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