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はじめに

癌(がん)は子供ではまれな病気で、小児癌の発症率は年間5000人にわずか1人です。子供に最もよくみられる癌は白血病、リンパ腫、脳腫瘍(のうしゅよう)などですが、これらの癌は成人にも同様にみられ、診断と治療法は子供も成人も大体同じです。主に子供に発症する癌で比較的多くみられるのは、ウィルムス腫瘍、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫です。

成人の癌とは対照的に、小児癌はかなり治癒する傾向が高く、癌に罹患した子供の約75%が最低5年は生存します。にもかかわらず癌で死亡する子供は年間2000人以上です。

小児癌の治療には、成人と同様に手術、化学療法、放射線療法を組み合わせて用います。しかし子供は成長期にあるため、これらの治療によって、成人では起こらない副作用が生じる場合があります。たとえば子供の場合は放射線を浴びた腕や脚は完全な大きさにまで発育しないことがあります。脳に放射線を浴びると、知能が正常に発達しない可能性があります。

癌から生き延びた子供は、不妊症、成長障害、心臓の損傷、二次的な癌の発症(癌を経験した子供の3〜12%で起こる)など、成人に比べて化学療法や放射線療法の影響を長期間受けることになります。治療によって重大な影響が出る可能性と治療の複雑さを考慮すると、癌を発症した子供は小児癌に特化した専門の病院で治療を受けるのが最善の策です。

癌と診断された衝撃と治療のつらさは、子供とその家族を打ちのめします。医師と家族は、子供が正常だという感覚をもって子供と普通に接することが難しくなります。特に子供が頻繁に入院したり癌治療を受けたり、合併症が起こるようになるとそれが困難に感じられます。親は看病と仕事を両立させるのに苦労し、癌の子供に兄弟姉妹がいる場合にはその子にも気を配り、その上で癌の子供のさまざまな必要性に注意を払わねばならないので、計り知れないほどのストレスがかかります(子供と家族に影響を与える社会的問題: 子供の病気を参照)。これらの状況は、子供が自宅から遠距離にある専門病院で治療を受けている場合はさらに厳しくなります。小児癌の医療チームには、小児癌専門医、そのほかの必要な分野の専門医、プライマリケアを担当する医師が参加すべきです。そのほかにはソーシャルワーカー(情緒面での支えと治療に関する経済面での手助けを行う人)、教師(子供が継続して教育を受けられるよう子供や学校、医療チームと協力できる人)、臨床心理士(治療の間、子供本人とその兄弟姉妹、親を援助できる人)なども重要な存在です。多くの病院には親を支援する立場の人、たとえば子供が癌にかかった経験があって家族にいろいろなアドバイスができる人もいます。

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