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はじめに

皮膚と皮下組織は、血液が循環することによって一定の温度(約37℃)に保たれています。血液の温度は主に、食物の燃焼によって細胞から放出されるエネルギーによって維持されます。このエネルギー生成プロセスを代謝といい、食物と酸素の安定的な供給を必要とします。体の細胞や組織が適切に機能するには、体温を正常に保つことが必要です。体温が低くなると心臓や脳などの働きが低下し、最終的には機能しなくなります。

皮膚が寒冷環境にさらされると体温が下がります。体温が下がると、体はいくつかのしくみで熱の生成を増やします。たとえば身ぶるいをすることで筋肉が熱を生成します。また皮膚の細い血管を収縮させ、心臓や脳など重要な器官に血液を多く回します。その結果、温かい血液が皮膚に少ししか行きわたらなくなり、指、耳、鼻などは急速に冷たくなります。体温が31℃を下回ると、この熱の生成の機能が働かなくなり、自力で体温を上げることができなくなります。体温が28℃を下回ると死亡する可能性が高くなります。

たとえ極寒状態でも、皮膚や指、つま先、耳、鼻が十分に保護されているか、露出時間がごく短い場合は、低温による障害は起こりません。低温障害は、(1)血液の流れが妨げられているとき、(2)食べものが十分に摂取できないとき、(3)標高の高い場所などで酸素が十分でないときなどに起こりやすくなります。

寒い所で体を温かく保つには、衣類を何枚も重ね着します。ウールやポリプロピレンなどの素材は湿っても保温効果が高いため、防寒着に適しています。頭部からも熱が多く奪われるので、保温性のある帽子が必要です。食べものや飲みもの(特に温かい飲みもの)を十分に摂取することも大切です。食物は燃焼(代謝)のための燃料となり、温かい飲みものは体に直接熱を与え、また脱水を防ぎます。アルコールは避けるべきです。アルコールは皮膚の血管を広げるので、一時的に体が温まったように感じますが、実際には多くの熱を放散させてしまうためです。

寒冷による障害には低体温症、浸水足、しもやけ(凍瘡)、凍傷痛、凍傷があります。そのほかの寒冷に関連する障害には、レイノー病とレイノー現象(末梢動脈疾患: レイノー病とレイノー現象を参照)、寒冷に対するアレルギー性反応(アレルギー反応: 物理的アレルギーを参照)があります。

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