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治療に関する決定

医師は治療をスタートする前に、その治療に伴うメリット(利益)とデメリット(リスク)の可能性を慎重に検討します。治療による利益の1つは症状の改善、たとえば痛みの軽減などです。また、より遠くまで歩けるようになるなど、機能改善による利益もあります。もちろん、病気の治癒も利益です。その他に、治療によって病気の合併症など、好ましくない事態も減少します。つまり回避したいリスクを治療によって減らすことも利益です。

リスクとは有害な結果が起こる可能性です。たとえば、医師が脳卒中のリスクを減らす薬の投与を考えます。ある比較臨床試験で、特定の薬を投与した1000人のうち20人が脳卒中を起こしたとします。また、この薬を投与していない1000人のうち40人が脳卒中を起こしています。この研究結果を、この薬は脳卒中のリスクを半減させたとみることができます。なぜなら40の半分が20だからです(リスクの相対的減少)。しかしながら、この結果は脳卒中のリスクをなくすことができたのは1000人中たった20人しかいなかったとも解釈できます。なぜなら、40と20の差が20だからです(リスクの絶対的減少)。脳卒中のリスクが半減したといえば素晴らしい効果のような気がしますが、1000人中20人にしか利益をもたらさない治療法が、果たして患者にとって正しい選択かどうか、医師は慎重に考慮しなくてはなりません。その薬の使用が正しい選択かどうかを決めるにあたり、医師は治療を受ける患者とともに、その薬がどの程度の確率で重大な副作用を起こすかなどのさまざまな情報も検討すべきです。

有害な結果を招くリスクを減らす上で、治療がもたらす効果の平均値については調査研究から情報が得られます。ただし、個々の患者の治療に対する反応は、常に平均的なものであるとは限りません。

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