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意思決定の実情

診断や治療に関する決定を行う場合は、常に2つの作業をしなければなりません。第1の作業は、さまざまな情報源の中から最善の行動方針を決定するのに役立つものを選び出すことです。第2の作業は、これらの情報源から学んだことを、個々の患者のケースにあてはめることです。

そこには難問が待ち受けています。まずその1つは時間です。多くの決定を素早く下さなければなりません。医師と患者が利用できるすべての情報を一緒に評価できるほど十分な時間はありません。医師は、患者がさまざまな情報源から得た知識の質を評価検討する手助けもしなければなりません。医師は往々にして、自分自身の経験の方が臨床試験の結果よりも、より信頼に値すると感じています。

医師は、自分の勧めるあらゆる治療について、起こり得るすべての影響を検討しなければなりません。医師は患者に、たとえ可能性は少なくても、重大な病気の見落としが招く結果について慎重に考えるようアドバイスしなければなりません。

治療に関する決定を行う場合にも、同様の推論が行われます。放っておいてもいずれ治癒しそうな軽い病気であれば、医師は重大な副作用が起こる可能性がある治療を勧めません。しかし、病気が重い場合には、そうした副作用のリスクを冒すだけの価値はあると考えます。

リスクに関する判断基準は、医師と患者では異なります。患者は、副作用を起こす可能性があると聞いた薬については、どの程度の頻度で副作用が起こるかに関係なく、その作用が重大かどうかを非常に心配します。一方、医師はその副作用が起こる可能性がかなり低い場合には、さほど心配しない傾向があります。また、多くの患者には比較的軽い副作用しか起こさない薬でも、特定の患者にとっては重大な問題になり得ることを医師が十分に把握していないケースがあります。たとえば患者が運転手の場合、眠気をもよおす薬を規則正しく服用することは困難です。

しかしながら、病気のリスクと治療とのバランスは、通常はこれほど明確ではありません。医師は、治療のリスクと利益について、治療を受けている患者とは異なる判断を下すこともあります。リスクについて理解することは、患者が治療法を選ぶのに役立ちます。医師はいくつかの治療法について全体像を話し、患者がどれを選ぶか尋ねます。さまざまな選択肢の相対的リスクや絶対的リスクをよく理解し、自分自身の価値観も尊重することで、患者は医療に関する適切な選択ができるのです。

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