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アミロイドーシス

アミロイドーシスは、アミロイドと呼ばれる異常なタンパク質がさまざまな組織や器官に蓄積し、正常な機能を悪化させるまれな病気です。

アミロイドーシスには、ほとんど症状の出ないものもありますが、重い症状や致死的な合併症を起こすものもあります。病気の程度は、アミロイドがどの器官に蓄積するかによって異なります。アミロイドーシスは、男性では女性の約2倍発症しやすく、高齢者でより多くみられます。

アミロイドーシスにはさまざまなタイプがあり、(1)原発性アミロイドーシス、(2)続発性アミロイドーシス、(3)遺伝性アミロイドーシス、(4)加齢によるアミロイドーシスの4グループに大きく分類されます。

原発性アミロイドーシス(L鎖アミロイドーシス)は形質細胞の異常を伴い、ときに形質細胞の癌である多発性骨髄腫(形質細胞の病気: 多発性骨髄腫を参照)を併発することがあります。原発性アミロイドーシスでは、心臓、肺、皮膚、舌、甲状腺、腸管、肝臓、腎臓、血管などにアミロイドが蓄積するのが特徴です。

続発性アミロイドーシスは、結核、関節リウマチ、家族性地中海熱など持続的な感染や炎症を起こす病気により発症します。続発性アミロイドーシスでは、主として脾臓、肝臓、腎臓、副腎、リンパ節にアミロイドが蓄積します。

遺伝性アミロイドーシスは、ある特定の家系、特にポルトガル、スウェーデン、日本の家系でよくみられます。血液中の特殊なタンパク質の変異が原因で、アミロイドの産生に異常が生じます。遺伝性アミロイドーシスでは神経系、心臓、血管、腎臓にアミロイドが蓄積するのが特徴です。

加齢によるアミロイドーシスでは、心臓が侵されるのが一般的です。多くの場合、年齢以外にはアミロイド蓄積の原因ははっきりしません。アミロイドは、アルツハイマー病の患者の脳にも蓄積しており、この病気の発症にかかわっていると考えられています。

アミロイド蓄積による影響

蓄積する器官

起こり得る症状

アルツハイマー病
心臓 心不全、不整脈、心臓の肥大
腎臓 腎不全、組織中の体液貯留と浮腫
神経系 麻痺(まひ)、刺すような痛み、脱力感
消化器系 腸閉塞、栄養吸収の低下、舌の肥大
血液・血管 あざができやすい
呼吸困難
皮膚 皮膚の丘疹、あざ、リンパ節の肥大
甲状腺 甲状腺の肥大
肝臓 肝臓の肥大
筋骨格系 手根管症候群
リンパ節 リンパ節の肥大

症状と診断

アミロイドが大量に蓄積すると、多くの器官では正常な機能が妨げられます。多くの人は症状が出現しないまま経過しますが、重症で致死的な病気を発症する人もいます。よくみられる症状にはけん怠感と体重減少があります。アミロイドが蓄積する場所によって、アミロイドーシスの症状は異なります。

アミロイドーシスはさまざまな症状を起こすため、なかなか診断がつかないことがあります。しかし、複数の器官で不全が起きたり、組織中に体液が貯留して浮腫が生じたり、皮膚などに原因不明の出血がみられる場合には、アミロイドーシスを疑います。近親者に遺伝性の末梢神経障害がみられる場合は、遺伝性アミロイドーシスを疑います。

診断するには、へその付近に針を刺し、腹部の脂肪を少量採取して検査します。皮膚、直腸、歯ぐき、腎臓、肝臓などの組織からサンプルを採取し(生検)、特殊な方法で染色して顕微鏡で調べる方法もあります。

経過の見通しと治療

アミロイドーシスには治療法がありません。しかし、続発性アミロイドーシスでは、原因疾患の治療によってアミロイドーシスの進行を遅らせたり、またはある程度回復させることができます。原発性アミロイドーシスでは、多発性骨髄腫併発の有無にかかわらず、経過の見通し(予後)はきわめて悪く、両疾患を併発している場合には1〜2年以内に死に至ります。アミロイドーシス患者が心不全を発症した場合も、経過の見通しはきわめて悪くなります。

アミロイドーシスの症状や合併症を十分に抑制または緩和できる例は限られています。プレドニゾロンとメルファラン、ときにコルヒチンを併用して行う化学療法や幹細胞移植で、症状の緩和がみられることがあります。家族性地中海熱により発症したアミロイドーシスはコルヒチンで緩和できることがあります。アミロイドの蓄積部位によっては、手術で除去できる場合もあります。

アミロイドーシスが原因の臓器不全を起こしている患者では、そのごく少数が、心臓や腎臓などの臓器移植により延命に成功しています。しかし、病気の進行は止められないため、やがて移植した臓器にもアミロイドが蓄積します。ただし肝臓移植(移植: 肝移植を参照)は例外で、遺伝性アミロイドーシスでは、肝臓移植により病気の進行を止めることができます。

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