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慢性疲労症候群とは、日常生活が送れないほどの重度の疲労感が長期間続く状態をいいます。身体的、精神的原因ともに立証されていません。
慢性疲労症候群は、米国では1万人あたり約40人が発症しています。主に、20〜50歳の人が発症し、男性より女性に約1.5倍多くみられます。
原因
多くの研究がされているにもかかわらず、慢性疲労症候群の原因はわかっていません。原因が1つなのか複数なのか、身体的なものか精神的なものかなどについて議論が続いています。
初期の研究では、慢性疲労症候群の原因として、エプスタイン‐バー(EB)ウイルス、風疹ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)による感染が考えられていました。しかし、最近の研究では、ウイルス性感染は症状が現れるのを早めることはあり得るものの、慢性疲労症候群の原因ではないことが明らかになっています。
免疫系の異常が原因だとする研究結果も報告されています。そのほか、アレルギー、ホルモン異常、低血圧、脳への血流の減少、ある種の栄養素の不足が原因として指摘されています。アレルギーについては、慢性疲労症候群患者の約65%が過去にアレルギーを起こしていることがわかっています。
慢性疲労症候群は家族性の病気と考えられており、このことは感染因子説の根拠の1つとなっています。一方、同じ家族では身体的、精神的ストレスに対する反応が似通っていることが多く、これがこの症候群の家族性の理由である可能性もあります。
病気の回復期における長期間の安静状態が慢性疲労症候群を起こす要因になっていると指摘する研究者もいます。
症状と診断
最も重要な症状は疲労感です。この疲労感は、日常生活に支障があるほど重度で、通常6カ月以上続きます。朝起きた時点からひどい疲労を感じ、それが1日中続きます。この疲労感は、しばしば身体的運動や心理的ストレスにより悪化します。しかし、筋肉の虚弱、関節や神経異常などがみられることはまれです。圧痛または痛みを伴うリンパ節の腫れなど、かぜのような病状に続いて症状が始まります。発熱、鼻水、肺のうっ滞(肺胞という肺の空気袋の中に水がたまる状態)とともに極度の疲労感に襲われます。
そのほか、集中力低下、不眠、のどの痛み、頭痛、関節痛、筋肉痛、腹痛などの症状が出ることもあります。
慢性疲労症候群の診断を確定できる検査法はありません。そのため、甲状腺疾患、精神病、アルコール依存症など、同様の症状が現れる病気を除外する必要があります。慢性疲労症候群の診断が下せるのは、薬の副作用も含め、この疲労感を説明できる明らかな原因が見つからなかった場合に限られます。
治療
多くの場合、症状は時間がたつにつれて軽減します。
ウオーキング、水泳、サイクリング、ジョギングなどの有酸素運動を、医師の厳密な指示の下で定期的に行うことにより、疲労感を軽減させ、身体機能を高めることができます。個人またはグループでの行動療法といった心理療法も有益です。
薬物療法の成果はまちまちです。抗うつ薬やステロイド薬が効く場合もありますが、慢性疲労症候群の治療における安全性や有効性はまだ確立されていません。インターフェロンや抗ウイルス薬を使った治療法も多数試みられていますが、ほとんどは効果が出ていません。イブニングプリムローズ(月見草)オイルやフィッシュオイルなどのサプリメント(栄養補助食品)、ビタミン剤の高用量投与はよく使用されますが、その有益性はまだ証明されていません。硫酸マグネシウムの筋肉注射により気分や活力が改善する例は少数ながらあります。免疫グロブリンの静脈注射で効果がみられた症例もありますが、この薬は重い副作用を起こすことがあります。
休養は、長く取りすぎると慢性疲労症候群を悪化させることがあります。
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