メルクマニュアル18版 日本語版
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視神経炎

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視神経炎は視神経の炎症である。症状は通常,片眼性で眼痛および部分的または完全な視力障害を伴う。診断は主に臨床的に行う。治療は基礎疾患に対して行うが,ほとんどの例は自然寛解する。

病因と病態生理

視神経炎は20〜40歳の成人に最も多い。ほとんどの例は脱髄疾患が原因であり,一部の例は多発性硬化症(を参照 脱髄性疾患: 多発性硬化症 (MS))によるもので,これらの例では再発しうる。視神経炎はしばしば多発性硬化症の初発症状である。他の原因には,感染性疾患(例,ウイルス性脳炎,副鼻腔炎,髄膜炎,結核,梅毒,HIV),視神経への腫瘍転移,化学物質および薬物(例,鉛,メタノール,タバコ,キニン,砒素,サリチル酸塩,抗生物質),まれではあるが糖尿病,悪性貧血,グレーヴス病,ハチによる刺傷,外傷がある。しばしば徹底的な評価にもかかわらず原因は不明なままである。

症状,徴候,診断

主な症状は視力障害で,しばしば1または2日以内に極期に達し,小さい中心暗点または傍中心暗点から完全な失明まで様々である。ほとんどの患者は軽度の眼痛を自覚する。

視神経乳頭が腫脹している場合は乳頭炎と呼ぶ。そうでない場合は球後視神経炎と呼ぶ。通常,検査により視力低下,視野欠損,瞳孔求心路障害,色覚異常を認める。色覚検査は有用な補助検査である。視神経炎の約3分の2は球後であり,眼底の乳頭に眼に見える変化を来さない。他の視神経炎では乳頭の充血および/または浮腫,乳頭周囲の浮腫,血管の怒張を認める。わずかな滲出および出血を乳頭近傍または乳頭上に認めることがある。

特徴的な疼痛および視力低下を有する患者では視神経炎を疑う。神経画像検査(ガドリニウム増強MRIを用いることが望ましい)により,腫脹し増強された視神経が明らかになることがある。MRIは多発性硬化症の診断にも有用となりうる。視神経炎が脱髄と関連している場合は,MRIの水抑制T2強調画像(FLAIR)シーケンスにより,脳室周囲に典型的な脱髄病変を認めることがある。

予後と治療

予後と治療は基礎原因による。ほとんどの視神経炎は自然寛解し,2〜3カ月以内に視力が回復する。視神経炎の典型的な病歴があり結合組織疾患などの全身性の基礎疾患がない患者のほとんどでは視力が回復するが,25%を超える患者では同眼または他眼に再発する。脱髄疾患について将来の危険性を判定するためにMRIを行う。メチルプレドニゾロン(125〜250mg静脈内投与1日4回)3日間後,プレドニゾン(1mg/kg経口にて1日1回)11日間の治療により速やかに回復しうるが,最終的な視力結果は経過観察のみの場合と変わらない。コルチコステロイド静脈内投与により多発性硬化症の発生が少なくとも2年遅れると報告されている。プレドニゾン経口投与単独の治療では視力の転帰は改善せず,再発率が高まる可能性がある。ロービジョン補助具が役立つことがある。

最終改訂月 2005年11月

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