メルクマニュアル18版 日本語版
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はじめに

アレルギー性およびその他の過敏性疾患: 食物性アレルギーも参照 。)

胃腸炎は,胃,小腸,大腸の内壁の炎症である。大部分の症例は感染性胃腸炎であるが,薬物および化学的毒素(例,金属,植物性物質)摂取後に起こることもある。症状として,食欲不振,悪心,嘔吐,下痢,腹部不快感がある。臨床的にまたは糞便の培養検査によって診断を下すが,イムノアッセイがますます使用されている。治療は対症的に行うが,寄生虫感染症および一部の細菌感染症は特異的な感染症治療を行う必要がある。

胃腸炎は通常,不快であるが,自己限定性である。電解質および水分の喪失は通常,本来健康な成人にとっては不都合にすぎないが,非常に若い人(脱水症および輸液療法: 脱水症を参照 ),高齢者,衰弱した人,重篤な合併症を有する人では重篤となる恐れがある。推定では,世界中で毎年300万〜600万例の小児が感染性胃腸炎で死亡している。

病因と病態生理

ウイルス,細菌,または寄生虫が感染性胃腸炎の原因となりうる。多くの特異的な微生物については,本書の該当節(感染性疾患の生物学を参照 )で詳細に述べる。

ウイルス: 米国において,ウイルスは胃腸炎の最も一般的な原因である。ウイルスは小腸絨毛上皮細胞に感染する。水分および塩分が腸管腔内に漏出する;炭水化物吸収不良によって浸透圧性下痢が起こり,症状が悪化することがある。下痢は水様である。糞便中白血球および赤血球または肉眼的血便を伴う炎症性下痢(赤痢)はまれである。4つのカテゴリーのウイルスが大部分の胃腸炎を引き起こす:ロタウイルス,カリシウイルス(ノロウイルス[旧ノーウォークウイルス]など),アストロウイルス,腸管アデノウイルス。

ロタウイルスは,幼児(発生率のピークは3〜15カ月)の散発性の激しい脱水性下痢の最も一般的な原因である。ロタウイルスは非常に感染性が高く,大部分の感染は糞口経路で起こる。成人は,感染した乳児との密接な接触によって感染することがある。成人の症状は一般に軽症である。潜伏期間は1〜3日である。温帯気候では,ほとんどの感染が冬に起こる。毎年,米国では,ロタウイルスの流行は11月に南西部から始まり,3月に北東部で終わる。

カリシウイルスは年長の小児および成人に感染することが最も多い。感染は1年中起こる。カリシウイルスは,成人における散発性ウイルス性胃腸炎および全年齢層における流行性ウイルス性胃腸炎の主因である;飲料水および食品媒介の集団発生が起こる。ウイルスは非常に感染性が高いので,ヒトからヒトへの伝播も起こる。潜伏期間は24〜48時間である。

アストロウイルスは年齢層を問わず感染しうるが,通常は乳幼児に感染する。感染は冬に最も多い。糞口経路で感染する。潜伏期間は3〜4日である。

アデノウイルスは,小児のウイルス性胃腸炎の4番目に多い原因である。感染は1年中起こるが,夏にわずかに増加する。主に2歳未満の小児が罹患する。糞口経路で感染する。潜伏期間は3〜10日である。

免疫不全患者では,さらに別のウイルス(例,サイトメガロウイルス,エンテロウイルス)が胃腸炎を引き起こすことがある。

細菌: 細菌性胃腸炎はウイルス性胃腸炎よりも頻度が低い。細菌は複数の機序によって胃腸炎を引き起こす。特定の種(例,コレラ菌 大腸菌の腸毒素性株)は,侵入せずに腸粘膜に付着し,エンテロトキシンを産生する。これらの毒素は腸管吸収を阻害し,アデニル酸シクラーゼを刺激することによって電解質および水の分泌を引き起こし,結果として水様性下痢を来す。 クロストリジウム-ディフィシルは,抗生物質使用後に異常増殖すると,同様の毒素を産生する(嫌気性菌: クロストリジウム-ディフィシル誘発性下痢を参照 )。

一部の細菌(例,黄色ブドウ球菌 セレウス菌 クロストリジウム-パーフリンジェンス)は,摂取する汚染食品中で外毒素を産生する。外毒素は細菌感染がなくても胃腸炎を引き起こしうる。これらの毒素は一般に,汚染された食物の摂取後12時間以内に,急性の悪心,嘔吐,下痢を引き起こす。症状は36時間以内に軽減する。

他の細菌(例,赤痢菌 サルモネラ カンピロバクター 一部の大腸菌株)は,小腸または結腸の粘膜に侵入し,顕微鏡的潰瘍,出血,蛋白質に富んだ体液の滲出,電解質および水の分泌を引き起こす。侵入過程およびその結果は,細菌のエンテロトキシン産生の有無にかかわらず生じうる。結果として起こる下痢は,便中白血球および赤血球,時に肉眼的血便を認める。

サルモネラおよびカンピロバクターは,米国では下痢性疾患の最も一般的な起炎菌である。いずれも加熱が不十分な鶏肉から感染することが最も多い;低温殺菌処理していない牛乳,加熱が不十分な卵,爬虫類との接触からも感染する。カンピロバクターは,時に,下痢をしているイヌまたはネコから伝播される。赤痢菌は,米国では3番目に多い下痢の起炎菌で,通常ヒトからヒトへ伝播されるが,食品が媒介する流行が起こる。 志賀赤痢菌1型(米国には存在しない)は,志賀毒素を産生し,溶血性尿毒症症候群(血小板減少症と血小板機能不全: 血栓性血小板減少性紫斑病 および 溶血性尿毒症症候群を参照 )を引き起こすことがある。

数種類の亜型の大腸菌が下痢を引き起こす。疫学および臨床症状は亜型によって大きく異なる:(1)腸管出血性大腸菌は,米国では最も臨床的に重要な亜型である。志賀毒素を産生し,血性下痢を引き起こす。大腸菌O157:H7は,米国ではこの亜型の最も一般的な菌株である。加熱が不十分な牛挽肉,低温殺菌処理していない牛乳およびジュース,汚染された水から感染する可能性がある。ヒトからヒトへの伝播はデイケア環境でよくみられる。 溶血性尿毒症症候群は,症例の2〜7%,通常若年者および高齢者に発症する重篤な合併症である。(2)腸毒素原性大腸菌は,水様性下痢を引き起こす2種類の毒素(1つはコレラ毒素と類似)を産生する。この亜型は旅行者下痢の最も一般的な原因である。(3)腸管病原性大腸菌は,水様性下痢を引き起こす。この亜型は,かつては託児所における下痢の集団発生の一般的原因であったが,現在ではまれである。(4)腸管組織侵入性大腸菌は,血性または非血性下痢を引き起こし,主に発展途上国でみられる。米国ではまれである。

他に複数の細菌が胃腸炎を引き起こすが,大部分は米国ではまれである。エルシニア-エンテロコリチカは,虫垂炎に類似した症状を呈する症候群または胃腸炎を引き起こすことがある。加熱が不十分な豚肉,低温殺菌処理していない牛乳,汚染された水から感染する。複数のビブリオ(例,腸炎ビブリオ)は,加熱が不十分な魚介類の摂取後に下痢を引き起こす。 コレラ菌は,時に,発展途上国において重度の脱水性下痢を引き起こす。 リステリアは,食品媒介の胃腸炎を引き起こす。 エロモナス属は,水泳または汚染された淡水もしくは汽水の摂取により感染する。生の貝類を摂取した患者または熱帯発展途上地域を旅行した患者では, プレシオモナス-シゲロイデスによる下痢が起こることがある。

寄生虫: 特定の腸管寄生虫,特にランブル鞭毛虫腸内原虫: ジアルジア症を参照 )は,腸粘膜に付着または侵入し,悪心,嘔吐,下痢,全身倦怠感を引き起こす。ジアルジア症は,米国および世界中のあらゆる地域で起こる。感染は慢性化し,吸収不良症候群を引き起こすことがある。通常,ヒトからヒトへの伝播により(しばしばデイケアセンターで)または汚染された水から感染する。

クリプトスポリジウム-パーバムは,腹部痙攣,悪心,嘔吐を時に伴う水様性下痢を引き起こす。健常者では,この疾患は自己限定性で,約2週間続く。免疫不全患者では,疾患は重症化することがあり,大量の電解質および水分が喪失する。クリプトスポリジウムは,通常,汚染された水から感染する。

特に免疫不全宿主においてクリプトスポリジウム症の症状に類似した症状を引き起こしうる他の寄生虫として,サイクロスポーラ-カエタネンシス イソスポーラ-ベリ ,,および微胞子虫と呼ばれる寄生虫の一群(例,Enterocytozoon bieneusi Encephalitozoon intestinalis)がある。赤痢アメーバ(アメーバ症)は,発展途上国では亜急性血性下痢の一般的な原因であり,時に米国でもみられる。

症状と徴候

症状の特徴および重症度は様々である。一般に,発症は突然で,食欲不振,悪心,嘔吐,腹鳴,腹部痙攣,下痢(血便および粘液便を伴うまたは伴わない)を伴う。倦怠感,筋肉痛,衰弱が起こることがある。腹部は膨満し,軽度の圧痛を認めることがある;重症例では,筋性防御を認めることがある。ガスで拡張した腸係蹄を触知することがある。下痢がなくても腹鳴がある(麻痺性イレウスとの鑑別に重要な所見)。嘔吐および下痢が続くと,低血圧および頻脈を伴う血管内体液の喪失が起こりうる。重症例では,血管虚脱および乏尿性腎不全を伴うショックが起こる。

嘔吐が体液喪失の主な原因である場合は,低塩素血症を伴う代謝性アルカローシスが起こることがある。下痢がより顕著な場合は,アシドーシスが起こる可能性が高い。嘔吐および下痢はいずれも低カリウム血症を引き起こしうる。特に補充療法に低張液を使用した場合に低ナトリウム血症が発現することがある。

ウイルス感染の最も一般的な症状は水様性下痢である;粘液便や血便はまれである。乳幼児におけるロタウイルス胃腸炎は5〜7日間続くことがある。嘔吐は90%の患者に起こり,39°Cを越える(102.2°Fを越える)発熱は約30%に起こる。カリシウイルスは通常,急性の嘔吐,腹部痙攣,下痢を引き起こし,症状持続期間は1〜2日に過ぎない。小児では,嘔吐は下痢より顕著であるが,成人では,通常下痢が顕著である。患者はまた発熱,頭痛,筋肉痛を起こすことがある。アデノウイルス胃腸炎の特徴は,1〜2週間続く下痢である。感染した乳児および小児では,軽度の嘔吐が起こることがあり,これは通常下痢発症から1〜2日後に始まる。約50%の患者に微熱が出る。アストロウイルスは軽症のロタウイルス感染に類似した症候群を引き起こす。

侵襲性疾患を引き起こす細菌(例,赤痢菌 サルモネラ)は,発熱,衰弱,血性下痢を起こす可能性が高い。エンテロトキシンを産生する細菌(例,黄色ブドウ球菌 セレウス菌 クロストリジウム-パーフリンジェンス)は通常水様性下痢を引き起こす。

寄生虫感染は通常,亜急性または慢性下痢を引き起こす。大部分は非血性下痢を引き起こすが,赤痢アメーバ ,は例外で,アメーバ性赤痢を引き起こす。下痢が続くと,疲労および体重減少が起こることが多い。

診断

同様の症状を引き起こす他の消化器疾患(例,虫垂炎,胆嚢炎,潰瘍性大腸炎)を除外する必要がある。胃腸炎を示唆する所見として,大量の水様性下痢;汚染の可能性のある食物(特に流行時),処理されていない地上水,または既知の消化管刺激物の摂取;最近の旅行;似たような病状の人との接触がある。 大腸菌O157:H7による下痢は,感染症の代わりに出血病変と間違われることが多く,便がほとんどまたは全くない消化管出血として現れる。腎不全および溶性血貧血から明示されるように,続いて 溶血性尿毒症症候群が起こることがある(血小板減少症と血小板機能不全: 血栓性血小板減少性紫斑病 および 溶血性尿毒症症候群を参照 )。 最近(3カ月以内)の経口抗生物質使用歴があれば,クロストリジウム-ディフィシル感染(嫌気性菌: クロストリジウム-ディフィシル誘発性下痢を参照 )を疑う必要がある。腹筋の痙攣および限局性圧痛がない場合は,急性腹症の可能性は低い。

糞便検査: 直腸診で潜血を認める場合または水様性下痢が48時間を越えて持続する場合には,糞便検査(糞便中白血球,虫卵,寄生虫)および培養検査の適応となる。しかしながら,ジアルジア症またはクリプトスポリジア症の診断には,酵素免疫測定法を用いる便中抗原検出の方が感度が高い。ロタウイルスおよび腸管アデノウイルス感染は,便中のウイルス抗原を検出する市販の迅速アッセイを用いて診断できるが,これらは通常流行を実証するためにのみ行われる。

肉眼で確認できる血性下痢患者全てに大腸菌O157:H7の検査を行うべきであり,流行時には非血性下痢患者にも行うべきである。この菌は標準便培地で検出されないので特異的な培養検査を行う必要がある。 代わりに,糞便中志賀毒素検出用迅速酵素アッセイを実施できる;検査陽性は大腸菌O157:H7または他の血清型の腸管出血性大腸菌の感染を示す。(注:米国における赤痢菌は志賀毒素を産生しない。)

肉眼で確認できる血性下痢の成人には通常,培養および生検を伴うS状結腸鏡検査を行うべきである。結腸粘膜の外観は,アメーバ性赤痢,細菌性赤痢,大腸菌O157:H7感染の診断に有用なことがあるが,潰瘍性大腸炎でも類似病変が生じることがある。最近の抗生物質使用歴がある患者については,糞便のクロストリジウム-ディフィシル毒素検査を行うべきである。

一般検査: 重篤にみえる患者については,水分および酸塩基状態を評価するために,血清電解質,BUN,クレアチニンを測定すべきである。CBCは非特異的であるが,好酸球増加は寄生虫感染を示すことがある。

治療

大部分の患者において,必要な治療は支持療法だけである。トイレまたは便器がすぐ利用できる床上安静が望ましい。経口ブドウ糖電解質液,ブロス,またはブイヨンは,脱水予防または軽度脱水の治療に有効であろう。患者は嘔吐しても,そのような液体を少量ずつ頻回に摂取すべきである:嘔吐は水分補充とともに軽減しうる。小児はすぐに脱水症状に陥る可能性があり,適切な水分補給液(数種類市販されている―脱水症および輸液療法: 溶液も参照 )を与えるべきである。炭酸飲料およびスポーツドリンクは,ブドウ糖とナトリウムの配合比が適正でないため,5歳未満の小児には不適である。母乳で小児を育てている場合は,授乳を継続すべきである。嘔吐が長引く場合または重度の脱水がある場合は,静脈注射による水分および電解質の補充が必要である(ショックおよび輸液蘇生術: 輸液による蘇生を参照 )。

患者が吐かずに液体を摂取し,食欲が回復し始めたら,食事を徐々に再開してもよい。刺激のない食物(シリアル,ゼラチン,バナナ,トースト)に限定することが有効であるということは証明されていない。患者によっては一過性の乳糖不耐症を起こすことがある。

止瀉薬は,5歳以上の水様性下痢(ヘム陰性便によって証明)患者に安全である。しかしながら,止瀉薬は,クロストリジウム-ディフィシルまたは大腸菌O157:H7感染患者の悪化を引き起こす恐れがあるため,最近抗生物質を使用した患者やヘム陽性便患者については特異的診断まで投与してはならない。 有効な止瀉薬として,ロペラミド,初回4mg,その後の各下痢発作に対して2mg経口投与(最大6回/日または16mg/日);ジフェノキシラート2.5〜5mg,錠剤または液剤で1日3回または1日4回投与;次サリチル酸ビスマス524mg(2錠または30mL),6〜8回/日経口投与がある。

重度の嘔吐で,外科的病気が除外されている場合には,制吐薬が有効であろう。成人に有用な薬剤として,プロクロルペラジン5〜10mg,1日3回もしくは1日4回静脈内投与,または25mg,1日2回経直腸投与;プロメタジン12.5〜25mg,1日3回もしくは1日4回筋肉内投与,または25〜50mg,1日4回経直腸投与がある。これらの薬剤は,有効性が証明されていないことに加え,ジストニー反応の発生率が高いことから,通常,小児に対する使用を避ける。

抗菌薬: 特定の旅行者下痢症例または赤痢菌もしくはカンピロバクター感染の疑いが強い場合(例,既知症例との接触)を除いて,一般に経験的な抗生物質治療は推奨されない。 そうでなければ,抗生物質の使用,特に大腸菌O157:H7感染率が高い小児に対する使用は,便培養検査の結果を待ってから行うべきである(抗生物質は大腸菌O157:H7感染患者の溶血性尿毒症症候群のリスクを増加させる)。

証明された細菌性胃腸炎に対して,必ずしも抗生物質が必要とは限らない。それらは,サルモネラ胃腸炎に対しては役に立たず,糞便中排菌期間を延長する。例外として,免疫不全宿主,新生児,およびサルモネラ菌血症患者が挙げられる。抗生物質は,中毒性胃腸炎(例,黄色ブドウ球菌セレウス菌クロストリジウム-パーフリンジェンス)にも抗菌力を示さない。抗生物質の無差別な使用は薬物耐性菌の出現を助長する。しかしながら,特定の感染症には抗生物質が必要である(胃腸炎: 感染性胃腸炎に対する経口抗生物質の選択*表 1: 表を参照)。

表 1

感染性胃腸炎に対する経口抗生物質の選択*

微生物

抗生物質

成人用量

小児用量

コレラ菌

シプロフロキサシン

1g,1回

NA

 

ドキシサイクリン†

300mg,単回投与

6mg/kg,1回

 

TMP‑SMX

1DS錠,1日2回を3日間

4–6mg‡/kg,1日2回を5日間

クロストリジウム-ディフィシル

メトロニダゾール

250mg,1日4回または500mg,1日3回を10日間

7.5mg/kg,1日4回を10日間

 

バンコマイシン(メトロニダゾールで失敗した場合)

125–250mg,1日4回を10日間

10mg/kg,1日4回を10日間

赤痢菌

シプロフロキサシン

500mg,1日2回を5日間経口投与

NA

 

TMP‑SMX

1DS錠,1日2回

4–6mg‡/kg,1日2回を5日間

ランブル鞭毛虫

メトロニダゾール

250mg,1日3回を5日間

5mg/kg,1日3回を5日間(最大750mg/日)

赤痢アメーバ

メトロニダゾール§

750mg,1日3回を5–10日間

12–16mg/kg,1日3回を10日間(最大750mg/日)

カンピロバクター -ジェジュニ

シプロフロキサシン

500mg,1日2回を5日間

NA

 

アジスロマイシン

500mg,1日1回を3日間

10mg/kg,1日1回を3日間

*大部分の症例で抗生物質は適応とならないが,特定の微生物に起因する感染症の治療に静脈内輸液とともに支持的に使用してもよい。

†8歳未満の小児に投与してはならない。

‡トリメトプリムとして。

§治療後,引き続いてヨードキノール10–13mg/kg,1日3回を20日間投与またはパラモマイシン500mg,1日3回を7日間経口投与すべきである。

TMP‑SMX =トリメトプリム-スルファメトキサゾール;DS =2倍力価;NA =該当なし。

乳酸桿菌などのプロバイオティクス細菌の使用は一般に安全で,症状の緩和にある程度の効果があるかもしれない。それらを配合したヨーグルトとして投与できる。

免疫が正常な小児のクリプトスポリジウム症に対して,ニタゾキサニドが有用なことがある。12〜47カ月の小児に対しては,100mg,1日2回経口投与,4〜11歳の小児に対しては,200mg,1日2回経口投与する。

予防

無症候性感染の頻度が高く,多くの病原体,特にウイルスはヒトからヒトへ簡単に伝播するので,感染の予防は困難である。一般に,適切な食品の取り扱いおよび調理手順に従う必要がある。旅行者(後述参照)は,汚染の可能性のある飲食物を避ける必要がある。

新生児および乳児の感染は母乳栄養である程度予防される。世話をする人は,おむつを交換した後,石鹸で手を十分に洗い,おむつを交換する場所は新たに調製した家庭用漂白剤の64倍希釈液(14カップ(60mL)を1ガロン[3.785L]の水で希釈)で消毒すべきである。下痢の小児は症状の持続期間中,保育施設に通わせてはならない。また,腸管出血性大腸菌または赤痢菌に感染した小児については,再び保育施設に通わせる前に,便培養検査で2回陰性を確認すべきである。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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