原因が関節そのものに関連するか腱および滑液包などの関節を取り巻く(関節周囲の)構造に関連するかにかかわらず,患者は「関節の」痛みを訴えることがある;どちらの場合も,単関節または単関節周囲の痛みは単関節痛と呼ばれる。関節内部に起因する痛み(関節痛)は関節の炎症(関節炎)によって引き起こされることがある。炎症は,関節内の体液の貯留(液貯留)および熱感,腫脹,ならびにまれに紅斑の臨床所見をもたらす傾向がある。液貯留を伴う場合は,感染症を除外するための迅速な評価が不可欠である。急性の単関節痛は,ときに,多関節痛(例, 関節リウマチ)を特徴とする疾患により引き起こされ,したがって多関節炎(例, 乾癬性関節炎,関節リウマチ― 複数の関節の痛みを参照)の初発症状であることがある。