メルクマニュアル18版 日本語版
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脚および束ブロック

脚ブロックは,脚におけるパルス伝導の部分的または完全な途絶である;束ブロックは,脚の分枝における同様の途絶である。この2つの障害はしばしば共存する。症状は通常ないが,いずれかの存在は心疾患を示唆する。診断は心電図により行われる。有効な治療法はない。

伝導ブロックの原因となる心疾患は多数あり,他に関連心疾患を伴わない内因性変性もこれに含まれる。

右脚ブロック(RBBB―不整脈および伝導障害: 右脚ブロック。図 15: イラストを参照)は一見正常な者にも生じうる。前壁MIとともに認められる場合,少なからぬ心筋障害を示唆する。RBBBの新規発現に対しては基礎にある心病変の精査を試みるべきであるが,しばしば何も発見されない。一過性RBBBは肺塞栓症後に起こりうる。RBBBはQRS波を変形させるが,MIの心電図診断を著しく妨げることはない。

図 15

右脚ブロック。

右脚ブロック。

左脚ブロック(LBBB―不整脈および伝導障害: 左脚ブロック。図 16: イラストを参照)は,RBBB以上にしばしば構造的心疾患と関連する。LBBBは通常,心電図によるMIの診断を妨げる。

図 16

左脚ブロック。

左脚ブロック。

束ブロックは,左脚の前枝または後枝に生じる。左脚前枝の途絶により,軽度のQRS延長(120ミリ秒未満)および30°を上回る負の前額面QRS軸(左軸偏位)を特徴とする左脚前枝ブロックが生じる。左脚後枝ブロックは,+120°を上回る正の前額面QRS軸を伴う。束ブロックと構造的心疾患の関連はLBBBの場合と同じである。

束ブロックは他の伝導障害と共存することがある:RBBBは左脚前枝または後枝ブロック(二束ブロック)と共存しうる;左脚前枝または後枝ブロックはRBBBおよび第1度房室ブロックと共存しうる(誤って三束ブロックと呼ばれるが,第1度ブロックは通常房室結節起源である)。三束ブロックは左脚前枝および左脚後枝,または左脚および右脚の交代制ブロックを伴うRBBBを指す。心筋梗塞後の二束または三束ブロックの存在は広範囲の心障害を示唆する。第2度または第3度の間欠性房室ブロックが存在しなければ,二束ブロックは直接の治療を必要としない。真性三束ブロックは一時ペーシング,次いで恒久的ペーシングを必要とする。

QRS波が延長する(120ミリ秒を超える)と非特異的心室内伝導障害と診断されるが,QRSパターンはLBBBまたはRBBBに典型的ではない。伝導遅延はプルキンエ線維より末梢側で生じ,心筋細胞間の遅い伝導に起因する。有効な治療法はない。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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