鼓膜炎は,ウイルス性,細菌性(特に肺炎球菌[Streptococcus pneumoniae]),またはマイコプラズマによる中耳炎に伴って生じうる。疼痛が突然発生し,24~48時間続く。難聴と発熱は細菌性の原因を示唆する。診断は,鼓膜の小水疱を耳鏡により観察することに基づく。
ウイルス性,細菌性,およびマイコプラズマによる原因の区別は困難であるため,中耳炎を引き起こす微生物に対して効果的な抗菌薬を処方する(中耳炎の治療 治療 急性中耳炎は,中耳の細菌感染症またはウイルス感染症であり,通常は上気道感染に併発する。症状としては耳痛があり,しばしば全身症状(例,発熱,悪心,嘔吐,下痢)を伴い,特に非常に若年の患者でその傾向が強い。診断は耳鏡検査に基づく。治療は鎮痛薬により行い,ときに抗菌薬も用いる。 急性中耳炎はどの年齢層でも生じるが,3カ月から3歳の間で最も多い。この年齢層では,耳管が構造的にも機能的にも未熟であり,耳管の角度が比較的水平で,口蓋帆張筋と耳管軟骨... さらに読む を参照)。持続する重度の疼痛は,鼓膜切開刀で水疱を破裂させるか,または経口鎮痛薬(例,オキシコドンとアセトアミノフェンの併用)により軽減しうる。外用鎮痛薬(例,ベンゾカイン,アンチピリン)も有益となりうる。