メルクマニュアル18版 日本語版
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唾液腺腫瘍

たいていの唾液腺腫瘍は良性で,耳下腺に生じる。無痛性の唾液腺の腫瘤を細針吸引または生検によって評価する。CTやMRIの画像は役に立つ。悪性腫瘍に対する切除と放射線の併用治療は,最も悪性度の高いものであっても50%が治癒する。

約85%の唾液腺腫瘍が耳下腺において発生し,ときとして顎下腺と小唾液腺に生じ,約1%が舌下腺に生じる。約75〜80%は良性で,成長が遅く,可動性で,無痛であり,通常,正常な皮膚または粘膜下の孤立した結節である。ときとして,嚢胞性の場合,それらは硬い。

良性腫瘍: 最も一般的な腫瘍の型は,良性多形性腺腫(混合腫瘍)で主に40歳を超える女性に生じる。悪性化する可能性があり,悪性混合腫瘍の癌を生じる。他の良性唾液腺腫瘍は,単形性腺腫,オンコサイトーマおよび乳頭状嚢腺リンパ腫(以前は円柱腫として知られる)である。これらの腫瘍が再発し,悪性化することはまれである。

悪性唾液腺腫瘍: 悪性の腫瘍は一般的でないが,急速な成長または突然の爆発的成長によって特徴づけられる。それらは硬く,結節状で,通常隣接組織に固着しているが,しばしば辺縁が不明瞭である。疼痛と神経の障害がよくみられる。最終的には,覆っている皮膚または粘膜が潰瘍化する。

粘膜表皮癌は最も一般的な唾液腺癌で,典型的には20〜50代で発生する。それは一般的には口蓋の小唾液腺に生じる。原因不明の持続性の大臼歯後方の腫脹は全て,生検によってそうでないことが証明されるまでは,粘膜表皮癌を疑う。それは骨の中深くに発生し,しばしば含歯性嚢胞の壁に発生する。粘膜表皮癌の全ての型は転移しうる。

腺様嚢胞癌は小唾液腺(および気管)の最も一般的な悪性腫瘍である。それは,よりずっと一般的な良性の円柱腫が緩徐に成長し,悪性化したものである。そのピークとなる発生率は40〜60歳の間で,症状は重度の疼痛,しばしば顔面神経麻痺である。

一般的な耳下腺の腫瘍である腺房細胞癌は,40〜50代の人々において生じる。

良性腫瘍前混合腫瘍の癌は,既存する良性腫瘍に生じた腺癌である。癌性要素のみが転移する。

症状,徴候,診断

たいていの良性および悪性の腫瘍は疼痛がない腫瘤として現れる。しかしながら,悪性腫瘍は神経を浸潤し,局所のまたは所属器官の疼痛,しびれ,知覚異常,灼熱痛または運動機能の喪失を起こす。CTとMRIは腫瘍の位置を確認し,程度を描写する。生検は細胞の種類を確定する。所属リンパ節への拡散または肺,肝臓,骨または脳への遠隔転移に対する調査は,治療の選択以前に必要とされる。

治療と予後

良性腫瘍の治療は外科的切除である。切除が不十分であると,再発率は高い。粘膜表皮癌の治療は,外科的切除と術後の放射線から成る。主として粘液細胞に影響する低悪性度腫瘍の5年生存率は95%であり,類表皮細胞に影響する高悪性度腫瘍では50%である。腺様嚢胞癌の治療は,広範囲にわたる外科的切除であるが,局所の再発がよくみられる。肺へ転移し,死に至ることがある。広範囲の外科的切除後,腺房細胞癌の予後は良好である。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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