毛孔性角化症はありふれた疾患である。原因は不明であるが,しばしば 常染色体優性の形式で遺伝 常染色体優性 単一の遺伝子によって規定される遺伝性疾患(メンデル遺伝病)は,最も解析が容易で,最も詳細に解明されている。形質の発現に1コピーの遺伝子(1つのアレル)のみを必要とする場合,その形質は優性とみなされる。形質の発現に2コピーの遺伝子(2つのアレル)を必要とする場合,その形質は劣性とみなされる。例外の1つはX連鎖疾患である。男性では通常,X染色体のほとんどのアレルに対して影響を相殺する対のアレルが存在しないため,X染色体のアレルは形質が劣性で... さらに読む する。
小さく尖った毛包一致の角化性丘疹が多発し,主に上腕,大腿,および殿部の外側面に出現する。顔面にも病変を生じることがあり,特に小児で多い。病変は寒冷期に最も著明となり,ときに夏季に軽快を見る。皮膚は赤く見えることがある。主な問題は美容上のものであるが,そう痒が生じることや,まれに毛包性の膿疱が形成されることもある。
毛孔性角化症の治療
対症療法
毛孔性角化症の治療は通常不要であり,治療を行っても満足できる結果は得られない場合が多い。
親水ワセリンと水(等量混合)または3%サリチル酸含有ワセリンが,病変を平坦化するのに役立つことがある。乳酸緩衡液(乳酸アンモニウム)ローションまたはクリーム,尿素クリーム,6%サリチル酸ゲル,0.1%トレチノインクリームまたはゲルも効果的となりうる。その他の効果的な外用レチノイドとしては,アダパレン0.1%クリームまたはゲルや,タザロテン0.05%クリームまたはゲルなどがある。酸を含有するクリームは,熱感やチクチク感を生じるため,幼児への使用は控えるべきである。
顔面発赤の治療にはパルス色素レーザーが用いられ,良好な結果が得られている。