ケラトアカントーマ

執筆者:Gregory L. Wells, MD, Ada West Dermatology and Dermatopathology
レビュー/改訂 2020年 12月
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ケラトアカントーマは,通常は皮膚常色の硬い円形の結節で,境界部に急な傾斜があり,中央には角質塊を入れた特徴的なクレーターがみられる;通常は自然消退するが,高分化型の有棘細胞癌であるものもある。

皮膚悪性腫瘍の概要も参照のこと。)

ケラトアカントーマの病因は不明である。大半の専門医は,この種の病変は消退傾向を示す高分化型の有棘細胞癌であると考えている。

発生は急速である。通常,病変は1~2カ月以内に最大まで成長し,その大きさは典型例では1~3cmであるが,ときに5cmを超える。好発部位は露光部,顔面,前腕,および手背である。数カ月のうちに自然消退が始まることもあるが,必ず消退するというわけではない。

ケラトアカントーマの診断

  • 生検または切除

この病変は必ずしも消退するわけではないため,生検または切除が推奨される。

ケラトアカントーマの治療

  • 手術またはメトトレキサートもしくはフルオロウラシルの注射

自然消退後はかなりの瘢痕を残すことがある;手術またはメトトレキサートもしくはフルオロウラシルの病変内注射を行えば,通常は整容的により良好な結果を得ることができ,また切除すれば組織学的な確定診断が可能である。

ケラトアカントーマの予防

紫外線曝露の増加によってケラトアカントーマのリスクが高まるか否かは不明確である。その可能性もあるため,曝露を抑えるためのいくつかの手段が推奨される。

  • 日光の回避:普段から日陰にいるようにし,午前10時から午後4時まで(日光が最も強い時間帯)の戸外活動を最小限とし,日光浴や日焼けマシーンの使用を控える

  • 防護用の衣服の着用:長袖シャツ,ズボン,つばの広い帽子

  • サンスクリーン剤の使用:UVA/UVBに対する広域の防御効果がある紫外線防御指数(SPF)30以上のものを指示通りに使用する(すなわち,2時間毎および水泳後または発汗後に塗布し直す);日光曝露の時間を延長させるために使用すべきではない

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