多くの腫瘍細胞が抗原を産生し,血流に放出されたり,細胞表面上に発現したりしている。免疫系によって認識される可能性がある全ての分子が抗原とみなされる。 バーキットリンパ腫, 神経芽腫, 黒色腫, 骨肉腫, 腎細胞癌, 乳癌, 前立腺癌, 肺癌, 結腸癌などのヒト悪性腫瘍のほとんどで抗原が同定されている。免疫系の重要な役割は,これらの抗原を検出し,その後の根絶に向けての標的化を可能にすることである。しかしながら,腫瘍抗原の異物としての構造にもかかわらず,それに対する免疫応答は様々であり,多くの場合,腫瘍増殖を阻止するには不十分である( 腫瘍に対する宿主応答も参照)。