メルクマニュアル18版 日本語版
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好中球減少症(無顆粒球症;顆粒球減少症)

好中球減少症は血中の好中球(顆粒球)の数が減少することである。重症の場合,細菌および真菌感染のリスクおよびその重症度が増す。感染の病巣症状は認められない場合もあるが,ほとんどの重篤な感染症で発熱を来す。白血球数により診断を行うが,評価には原因の同定が欠かせない。発熱がある場合は感染が疑われるので,広域スペクトル抗生物質による迅速な経験的治療が必要である。顆粒球マクロファージコロニー刺激因子または顆粒球コロニー刺激因子を用いた治療が時に有用である。

好中球は細菌および真菌感染から身体を防御することにおいて主たる役割を果たす。好中球減少症があると,そうした感染に対する炎症反応が無効となる。好中球数(総白血球数×%好中球および桿状核球)の正常値の下限は,白人で1500/μLで,黒人はやや少ない(約1200/μL)。

好中球減少症の重症度は感染の相対的なリスクと関連し,軽度(1000〜1500/μL),中等度(500〜1000/μL),または重度(500/μL未満)となる。好中球数が500/μL未満に減少すると,内因性微生物叢(例,口腔や消化管に存在)が感染を起こしうる。好中球数が200/μL未満に減少すると,炎症反応がなくなることもある。重症の急性好中球減少症で,特に,他の要因(例,癌)が同時に免疫系の働きを妨げている場合,死に急速に至る感染症に罹患しやすくなる。皮膚および粘膜の完全性,組織への血管供給,患者の栄養状態も感染のリスクに影響する。重度の好中球減少症の患者に最も頻繁に起こる化膿性感染症は,蜂巣炎,肝膿瘍,フルンケル症,肺炎,敗血症である。血管カテーテルやその他の穿刺部位は皮膚感染のリスクをさらに高め,その最も一般的な原因菌はコアグラーゼ陰性ブドウ球菌および黄色ブドウ球菌である。口内炎,歯肉炎,直腸周囲炎,大腸炎,副鼻腔炎,爪囲炎,中耳炎がしばしば発症する。骨髄移植あるいは化学療法による治療後に好中球減少症を長期にわたって患っている患者,または高用量のコルチコステロイドの投与を受けている患者は真菌感染症に罹患しやすくなる。

病因

急性好中球減少症(数時間から数日で発現する)は好中球の急激な消費または破壊,または産生障害によって起こる。慢性の好中球減少症(数カ月から何年にもわたって続く)は通常,好中球の産生低下あるいは脾臓による捕捉過剰に起因する。好中球減少症は骨髄の骨髄系細胞の内因的欠陥のために起こるものと,二次性のもの(骨髄の骨髄系細胞に対する外的因子による)とに分類される( 好中球減少症とリンパ球減少症: 好中球減少症の分類表 1: 表参照)。

表 1

好中球減少症の分類

分類

病因

骨髄系細胞またはその前駆細胞における内因的欠陥による好中球減少症*

再生不良性貧血

良性好中球減少症を含む慢性特発性好中球減少症

周期性好中球減少症

骨髄異形成

ガンマグロブリン異常血症に伴う好中球減少症

発作性夜間血色素尿症

重度の先天性好中球減少症(コストマン症候群)

症候群(例,軟骨毛髪形成不全症,先天性角化異常症,糖原病ⅠB型,シュバッハマン-ダイヤモンド症候群)に伴う好中球減少症

二次性好中球減少症†

アルコール依存症

AIDSの慢性二次性好中球減少症を含む自己免疫性好中球減少症

癌,骨髄線維症(例,肉芽腫に起因するもの),またはゴーシェ細胞による骨髄置換

細胞傷害性化学療法または放射線照射

薬物誘発性好中球減少症

葉酸またはビタミンB12欠乏症

脾機能亢進症

感染症

T γリンパ増殖性疾患

*まれな疾患。

†よくみられる疾患。

骨髄系細胞あるいはその前駆細胞の内因的欠陥により起こる好中球減少症: このタイプの好中球減少症はまれである。周期性好中球減少症はまれな先天性顆粒球産生障害で,通常は常染色体優性遺伝形式で遺伝する。末梢血中の好中球数の規則的,周期的な変動が特徴である。平均変動周期は21±3日間である。

重度先天性好中球減少症(コストマン症候群)は米国で散発的に生じるまれな疾患で,骨髄系細胞の成熟が骨髄の前骨髄球の段階で抑制され,その結果,好中球の絶対数が200/μL未満になるのが特徴である。

慢性特発性好中球減少症は,骨髄系幹細胞が関与する解明の進んでいない一連のまれな疾患で,赤血球および血小板の前駆細胞に影響はない。脾腫はみられない。慢性良性好中球減少症は,慢性特発性好中球減少症の1つのタイプで,好中球以外の免疫系は正常所見を呈する;おそらく感染に反応して時折,適当量の好中球を産生するためか,好中球数が200/μL未満でも,通常は重篤な感染症は起こらない。

好中球減少症は,まれな症候群(例,軟骨毛髪形成不全症,チェディアック-東症候群,先天性角化異常症,糖原病ⅠB型,シュバッハマン-ダイヤモンド症候群)による骨髄機能不全から起こることもある。好中球減少症はまた,骨髄異形成症候群(白血病: 診断を参照 ―骨髄で巨大赤芽球様の特徴を伴うこともある)および再生不良性貧血(赤血球産生低下による貧血: 再生不良性貧血を参照 )の顕著な特徴でもあり,ガンマグロブリン異常血症および発作性夜間血色素尿症においても生じる。

二次性好中球減少症: 二次性好中球減少症は,特定の薬物の使用,骨髄浸潤あるいは置換,ある種の感染症または免疫反応などから起こる。

好中球減少症の原因で最も多いものの1つに薬物誘発性の好中球数の減少がある。これは,毒性,特異体質性あるいは過敏性機序による好中球の産生低下,あるいは免疫機序による末梢血中の好中球の崩壊亢進による。唯一,毒性機序(例,フェノチアジンによる)だけが用量相関性のある好中球減少症を引き起こす。特異体質反応は予測不可能で,代替医療で用いられる製剤またはエキス剤,および毒素など多様な薬物で起こる。過敏反応はまれで,時に抗痙攣薬(例,フェニトイン,フェノバルビタール)に関連して起こる。こうした反応はわずか数日の場合もあれば数カ月,数年も続く場合もある。しばしば肝炎,腎炎,肺炎および再生不良性貧血が,過敏性機序により発症する好中球減少症に付随して起こる。免疫機序に起因する薬物誘発性好中球減少症は,ハプテンとして作用し抗体産生を促進する薬物に起因すると考えられており,通常,その薬物を中止してから約1週間好中球減少が持続する。アミノフィリン,プロピルチオウラシル,またはペニシリンやその他の抗生物質に起因する。細胞傷害性の抗癌薬または放射線治療で骨髄産生が抑制された後は,用量相関性の,予測されうる重度好中球減少症が生じる。ビタミンB12または葉酸欠乏症が原因の巨赤芽球性貧血では,骨髄における無効造血による好中球減少症が起こる。通常は大球性貧血が,時には軽度の血小板減少症が同時に発現する。

白血病,骨髄腫,リンパ腫または転移性固形腫瘍(例,乳腺,前立腺)による骨髄浸潤が好中球産生を障害する。腫瘍によって誘発された骨髄線維症が好中球減少症をさらに悪化させる場合もある。骨髄線維症は,肉芽腫性感染症,ゴーシェ病および放射線治療からも発症する。脾機能亢進症は,原因の如何を問わず,中等度の好中球減少症,血小板減少症および貧血を惹起する。

感染症は,好中球の産生障害,または好中球の免疫性破壊もしくは好中球の急速な消費を亢進することで好中球減少症を引き起こす。中でも敗血症は特に深刻な原因である。小児期の一般的なウイルス性疾患から起こる好中球減少症は発病後1〜2日で認められ,3〜8日間続くこともある。ウイルスまたは内毒素血症が誘発する好中球の循環プールから辺縁プールへの再分布から一過性の好中球減少症が生じることもある。アルコールは,いくつかの感染症(例,肺炎球菌性肺炎)で骨髄の好中球の反応を抑制し,好中球減少症の一因となる。

HIV感染では,好中球の産生障害および抗体による好中球破壊が亢進し,しばしば慢性の二次性好中球減少症が付随する。自己免疫性好中球減少症は急性,慢性,または一過性に発症する。自己免疫性好中球減少症は,循環血中の好中球または好中球前駆細胞に対する抗体が関与することもある。自己免疫性好中球減少症患者のほとんどが自己免疫疾患またはリンパ増殖性疾患(例,SLE,フェルティ症候群)の基礎疾患を有している。

症状と徴候

好中球減少症は感染症が発現するまでは無症状である。しばしば発熱だけが感染の徴候である。病巣症状は,発現しても多くの場合はっきりとしない。過敏反応が原因の薬物誘発性好中球減少症患者には発熱,発疹,および過敏反応から起こるリンパ節腫脹が認められる。

慢性良性好中球減少症があり,好中球数が200/μL未満でも,重篤な感染症にそれほど頻繁に罹患しない患者もいる。周期性好中球減少症患者または重度の先天性好中球減少症患者は,重篤な慢性好中球減少状態にあるとき,口腔潰瘍,口内炎または咽頭炎,およびリンパ節腫脹を生じがちである。肺炎および敗血症を頻繁に発症する。

診断

患者が頻繁に,または重度の,もしくはまれな感染症に罹患する場合,またはリスクがある場合(例,細胞傷害性治療または放射線治療を受けている)は好中球減少症を疑う。確定は白血球分画を伴う全血球計算により行う。

感染症罹患の有無を見きわめることが最優先である。感染に気づきにくい場合もあることから,身体診察では最も一般的な主要感染部位,すなわち消化管(歯肉,咽頭,肛門)などの粘膜表面;肺;腹部;尿路;皮膚および爪;静脈穿刺部位;血管カテーテルを系統的に評価する。

好中球減少症が急性の場合,臨床検査評価を迅速に遂行しなくてはならない。発熱している全ての患者の血液培養を細菌および真菌について少なくとも2セット行う;静脈内留置カテーテルがある場合は,培養検体をカテーテル内腔および異なる末梢静脈から得る。持続的または慢性の排膿も真菌および非定型抗酸菌について培養する。皮膚病変は細胞診断および培養検体を得るために吸引または生検を実施する。尿検査および尿培養,胸部X線検査は全ての患者について行う。下痢がみられる場合は,腸内細菌性病原体およびクロストリジウム-ディフィシルトキシンについて糞便を調べる。

副鼻腔炎の症状または徴候(例,体位性頭痛,上顎歯または上顎の痛み,顔面腫脹,鼻汁)が認められる場合は副鼻腔のX線検査,できればCTスキャンが役立つ。

次に,好中球減少症の機序および原因を決定する。病歴から,服用した全ての薬物およびその他の製剤,摂取した可能性のある毒素が分かる。身体診察から,脾腫の存在およびその他の基礎疾患(例,関節炎,リンパ節腫脹)の徴候が明らかになる。

抗好中球抗体の存在は免疫性好中球減少症を示唆する。欠乏症の恐れのある患者は,葉酸およびビタミンB12の値を測定する。最も重要な検査は骨髄検査で,好中球減少症が骨髄産生低下によるものか,あるいは好中球の破壊または消費の亢進に伴う二次的(好中球の産生が正常あるいは亢進を示せば確定する)なものかが判明する。骨髄から好中球減少症の具体的な原因(例,再生不良性貧血,骨髄線維症,白血病)が分かることもある。追加の骨髄検査(例,細胞遺伝学的解析;白血病やその他の悪性疾患および感染症を検知するための特殊染色およびフローサイトメトリー)を実施する。乳児期からの慢性好中球減少症があり反復発熱および慢性歯肉炎の病歴を有する患者については,周期性好中球減少症が疑われることから,周期性を評価するため総白血球数と白血球分画を週3回6週間にわたって測定する。血小板数および網赤血球数も同時に測定する。好酸球,網赤血球および血小板はしばしば好中球と同調して周期変動するが,単球およびリンパ球は同調しないこともある。推定される診断によっては,好中球減少症の原因を調べるためさらに検査が必要なこともある。ある種の抗生物質により発症する好中球減少症と感染症によるものとの鑑別は時に困難である。抗生物質治療開始直前の白血球数は通常,感染に起因して起こる血球数の変化を反映する。好中球数を減少させることが知られている薬物(例,クロラムフェニコール)で治療中に好中球減少症が発現した場合は,代替となる抗生物質に変更することが有益なこともある。

治療

急性好中球減少症: 疑われる感染症について常に一刻も早く治療する。発熱または低血圧が認められる場合は,重篤な感染症が疑われるので,経験的な高用量の広域スペクトル抗生物質を静注する。レジメンの選択は,最も可能性の高い感染菌,その特定の医療機関における病原菌の抗菌物質感受性,およびそのレジメンが潜在的に有する毒性に基づいて行う。バンコマイシンは,耐性微生物を作り出す恐れがあるため,他の薬物に耐性のあるグラム陽性菌が疑われる場合のみ使用する。

血管留置カテーテルは,菌血症が疑われるか証明された場合でも通常は挿入したままでよいが,黄色ブドウ球菌バシラス菌 コリネバクテリウム あるいはカンジダ種が関係する感染症の場合,または適切な抗生物質治療にもかかわらず血液培養が引き続き陽性である場合は抜去を検討する。コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が原因の感染症は一般に抗菌療法のみで治癒する。

培養検査が陽性であれば,感受性テスト結果に基づき抗生物質療法を調整する。患者が72時間以内に解熱した場合は,抗生物質は少なくとも7日間継続し,感染の症状または徴候が認められなくなるまで続ける。好中球減少が一過性(骨髄抑制化学療法に続いて出現するものなど)である場合,抗生物質治療は通常好中球数が500/μLを超えるまで続ける;しかしながら,持続性の好中球減少を示す患者で,特に炎症の症状および徴候が解消した患者については,培養が陰性のままであれば,抗菌物質の中止を検討してもよい。

抗生物質治療にもかかわらず,発熱が72時間以上継続する場合は,非細菌性の原因または耐性種による感染,別の細菌による重複感染,抗生物質の血清あるいは組織濃度が不適切,または膿瘍などの限局性感染が考えられる。発熱が続く好中球減少症患者については2〜4日毎に身体診察および培養,胸部X線で再評価する。発熱以外は患者の状態が良好であれば,当初の抗生物質レジメンを継続してもよい。もし患者の状態が悪化していれば,抗菌療法レジメンの変更を検討する。

真菌感染が持続性の発熱および病状悪化の原因として最も可能性が高い。原因不明の発熱が,4日間の広域スペクトル抗生物質治療の後も継続する場合は,抗真菌薬(例,イトラコナゾール,ボリコナゾール,アムホテリシン,フルコナゾール)による治療を,経験的に加える。3週間の経験的治療(2週間の抗真菌療法を含む)の後も発熱が持続し,好中球減少症が解消した場合は,全ての抗菌薬の中止を考慮し,発熱の原因を再評価する。

無熱性好中球減少患者に対する抗生物質の予防的投与は議論の余地が残る。トリメトプリム/スルファメトキサゾール(TMP-SMX)は,細胞性免疫障害をもつ好中球減少患者および非好中球減少患者において,ニューモシスチス-ジロヴェシ(以前のニューモシスチス-カリニ)肺炎感染を予防する。また,TMP-SMXは,非常に重度の好中球減少症が1週間以上持続すると予想される患者の細菌感染症も防ぐ。TMP-SMX予防法のデメリットには,有害な副作用,骨髄抑制が起こる可能性,および耐性菌や口腔カンジダ症などがある。抗真菌薬の予防的投与は,好中球減少症の患者に対してはルーチンには薦められないが,真菌感染症を発症する危険性の高い患者(例,骨髄移植後および高用量のコルチコステロイド服用後)には有益でありうる。

骨髄系細胞増殖因子(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子[GM-CSF]および顆粒球コロニー刺激因子[G-CSF])は,重症の好中球減少症患者(例,骨髄移植および癌の集中的化学療法後)の好中球数増加および感染症防止のため,現在広く使用されている。骨髄系細胞増殖因子は高価である。しかし,熱性好中球減少のリスクが30%以上あれば,(評価は好中球数が500未満,または前回の化学療法時に感染症を発症,関連する合併症,年齢75歳以上,などに基づいて行う)細胞増殖因子を用いる。一般に,化学療法完了後,約24時間で細胞増殖因子の投与を開始すると臨床的に最も効果的である。特異体質性薬物反応に起因する好中球減少症患者,特に回復が遅れることが予想されている患者にも細胞増殖因子が奏効する可能性がある。投与量は,G-CSFは5μg/kg,1日1回皮下注;GM-CSFは250μg/m2,1日1回皮下注で投与する。

グルココルチコイド,蛋白同化ステロイドおよびビタミンは,好中球の産生は促進しないが,分布および破壊に影響を及ぼす可能性がある。急性好中球減少症が薬物または毒素によって誘発されたと疑われる場合は,潜在的に有害な物質の投与を全て中止する。

生理食塩水または過酸化水素水で2〜3時間おきにうがいをしたり,麻酔成分を含むトローチ剤(ベンゾカイン15mgを3〜4時間毎)を含んだり,またはクロルヘキシジン(1%溶液)で1日2〜3回口をゆすいだりすると口腔咽頭潰瘍を伴う口内炎の不快感が和らぐこともある。口腔または食道カンジダ症はナイスタチン(40万〜60万単位の含嗽液,1日4回;食道炎の場合は嚥下)または全身性抗真菌薬(例,フルコナゾール)で治療する。急性口内炎または食道炎では,不快感を最小限に抑えるため半固体食または流動食が必要になることもある。

慢性好中球減少症: 先天性,周期性および特発性好中球減少症における好中球の産生は,顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の1日1回,1〜10μg/kgの皮下注投与で増加する。毎日あるいは隔日のG-CSF投与を数カ月,数年にわたって続けることで有効性が継続する。患者が口咽頭の炎症(軽度でも)や発熱を呈する場合,または蜂巣炎その他の細菌感染症が疑われる場合は適切な抗生物質が必要である。長期にわたるG-CSF投与は,骨髄異形成症候群,HIVおよび自己免疫疾患のある患者を含め慢性好中球減少症をもつその他の患者にも行われている。一般に好中球数は増加するが,臨床的なメリットは,特に好中球減少症が重度でない患者についてはそれほど明らかではない。自己免疫疾患のある,または臓器移植を受けた患者にはシクロスポリンも有効である。

自己免疫疾患に起因する好中球の著明な破壊が認められる患者の一部は,コルチコステロイド(一般にプレドニゾン0.5〜1.0mg/kg,1日1回経口投与)により血液中の好中球が増加する。この増加は,G-CSF隔日投与療法で維持できることが多い。

脾腫および脾臓による好中球の捕捉(例,フェルティ症候群,有毛細胞白血病)がある患者のなかには,脾摘出により好中球数が増加する患者もいる。しかし,脾摘出により,莢膜に包まれた微生物に対する患者の易感染性が高まるため,脾摘出術の適応は重度好中球減少症患者(すなわち,500/μL未満),および感染症で深刻な問題を抱えている患者に限るべきである。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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