メルクマニュアル18版 日本語版
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はじめに(ヘモジデローシス;ヘモクロマトーシス)

(鉄中毒については中毒: 鉄中毒を参照 。)

身体が必要とする以上の鉄(Fe)は,組織にヘモジデリンとして沈着する。組織損傷(または5gを超える全身鉄量)を引き起こす鉄沈着は,ヘモクロマトーシスと呼ばれる。関連する組織の損傷を伴わない局所的または全身的な鉄沈着は,ヘモジデローシスである。鉄過剰は,鉄代謝の原発性(遺伝性)障害,または鉄の過剰摂取もしくは放出を伴う他の障害に続発する疾患として生じる。過剰な鉄はほぼ全ての組織内に蓄積するが,病的状態のほとんどは肝臓,甲状腺,下垂体,視床下部,心臓,膵臓,および関節における沈着に起因する。肝障害はアミノトランスフェラーゼ(ALTおよびAST)値の上昇をまねき,線維症または肝硬変をもたらす。

ヘモジデローシス: 局所性ヘモジデローシスは,1つの臓器内での反復的な出血に起因しうる。溢血した赤血球から遊離した鉄は当該臓器内に沈着し,最終的に著しいヘモジデリン沈着が発症することもある。通常罹患する臓器は肺であり,また通常その原因は反復性の肺出血で,特発性の肺出血(例,グッドパスチャー症候群)か,または慢性肺高血圧症(例,原発性肺高血圧,肺線維症,重度の僧帽弁狭窄)を引き起こす状態で生じる肺出血のどちらかである。時に,これらのエピソードによる鉄喪失は鉄欠乏性貧血を引き起こすが,これは組織内の鉄は再利用されえないためである。

腎ヘモジデローシスは,広範な血管内溶血に起因する(溶血による貧血を参照 )。遊離ヘモグロビンが糸球体で濾過され,鉄は腎臓内に沈着する。腎実質は障害されないが,重症のヘモジデリン尿症は鉄欠乏を引き起こす。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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