メルクマニュアル18版 日本語版
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ポリペプチド

バシトラシンはポリペプチド抗生物質であり,細胞壁合成を阻害し,グラム陽性菌に対し活性を有する。

コリスチン(ポリミキシンE)およびポリミキシンBは陽イオンのポリペプチド抗生物質で,細菌の細胞膜を破壊し,緑膿菌およびアシネトバクターなどのグラム陰性好気性桿菌に対し殺菌性である( 細菌および抗菌薬: ポリペプチドS表 11: 表参照)。グラム陽性菌およびプロテウス種に対する活性はない。

表 11

ポリペプチドS

バシトラシン

コリスチン

ポリミキシンB

適応症: ポリペプチドは一般的に局所的に使用し,全身吸収は無視できる。ネオマイシンまたはポリミキシンB,またはその両者とバシトラシンとを含有する軟膏が入手できるが,臨床上の効果は未確認である。局所バシトラシンは,黄色ブドウ球菌の鼻腔保菌の除菌および膿痂疹に対しては,他の治療よりも効果が低い。バシトラシンはクロストリジウム-ディフィシル腸炎に対し経口的に使用されているが,経口バンコマイシンまたはメトロニダゾールに比べ効果が低く口当たりも劣る。コリスチンは,一般に緑膿菌に起因する外耳炎に対する耳用懸濁液として入手可能であり,ポリミキシンBは他の抗菌薬(例,バシトラシン,ネオマイシン,トリメトプリム-スルファメトキサゾール)およびコルチコステロイドと併せた眼軟膏および点眼薬,ならびに泌尿生殖器洗浄剤として入手可能である。噴霧式コリスチンは,ときに嚢胞性線維症患者に使用し,場合によっては多剤耐性グラム陰性桿菌に起因する院内感染性肺炎に使用する。

コリスチンメタンスルホン酸(コリスチンメタナトリウム)は,緑膿菌またはアシネトバクターなどの多剤耐性グラム陰性桿菌に起因する重症感染症患者に対して,筋肉内または静脈内に使用する(腎不全患者では用量を減らす)。

毒性: ポリミキシン抗生物質は腎毒性がある。非経口コリスチンでは,口周囲および四肢の知覚異常,全身性そう痒,眩暈,不明瞭言語,ならびに神経筋遮断に起因する筋肉脱力および呼吸困難が報告されている(特に腎不全患者において)。神経筋伝導を遮断するか腎毒性を有する他の薬物(例,アミノ配糖体系またはクラーレ様薬物)との併用は避けるべきである。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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