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裂頭条虫症(広節裂頭条虫感染症)

執筆者:

Richard D. Pearson

, MD, University of Virginia School of Medicine

レビュー/改訂 2020年 3月
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最近の研究に基づき,裂頭条虫科(Diphyllobothriidae)の条虫について再分類および名称の変更が行われた。広節裂頭条虫(D. latum)は,最もよくみられ,最も大型のヒト寄生虫の一種である(最長10m)。広節裂頭条虫(D. latum)および裂頭条虫科(Diphyllobothriidae)に属するその他の種は,水生の生活環を有する。淡水中で,ヒトの便中の広節裂頭条虫(D. latum)の虫卵が自由遊泳性の幼虫に孵化し,これが橈脚類に摂取される。橈脚類が魚に摂取され,魚の体内で幼虫が感染性を獲得する。Dibothriocephalus属の他の数種およびAdenocephalus pacificusは,生魚を摂取した後にヒトに感染することがあるが,より頻度は低い。

裂頭条虫症は世界中で,特に下水で汚染された低温の湖で発生する。米国および北欧における感染は,生または加熱調理不十分な淡水魚を摂食するヒトに起こる。現在は下水処理により,感染の頻度は下がっている。

裂頭条虫症の診断は,便中の特徴的な有蓋卵または幅広の片節(条虫の体節)の同定による。血算により巨赤芽球性貧血の有無を確認する。

裂頭条虫症の治療

  • プラジカンテル

  • ときにニクロサミド(米国外)

裂頭条虫症の治療は,プラジカンテル5~10mg/kgの単回経口投与による。代替薬のニクロサミド(米国では入手不能)は,2gを錠剤4錠(各500mg)として単回投与し,1錠ずつ噛み砕き飲み込ませる。小児には50mg/kg(最大2g)を単回投与する。

巨赤芽球性貧血が存在する場合は,その是正のためにビタミンB12の投与が必要になることがある。

淡水魚は完全加熱調理(内部温度≥ 63℃[≥ 145°F])するか推奨温度で冷凍することにより,広節裂頭条虫を殺虫できる。冷凍する場合は,以下の処理が推奨されている:

  • -20℃(-4° F)以下の温度で7日間(合計時間)冷凍する

  • -35℃(-31° F)以下の温度で固体になるまで冷凍し,-35℃(-31° F)以下で15時間保存する

  • -35℃(-31° F)以下の温度で固体になるまで冷凍し,-20℃(-4° F)以下で24時間保存する

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