統合失調感情障害

執筆者:Carol Tamminga, MD, UT Southwestern Medical Dallas
レビュー/改訂 2020年 5月
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統合失調感情障害は,精神病,他の統合失調症症状,および有意な気分症状を特徴とする。本障害は,生涯のうちに抑うつまたは躁病エピソードが少なくとも1回認められることにより,統合失調症と鑑別される。

精神病とは,妄想,幻覚,まとまりのない思考および発語,現実との接触の喪失を示唆する奇異で不適切な行動(緊張病を含む)などの一連の症状を指す。

統合失調感情障害は,精神病症状と気分症状が併存する場合に考慮される。診断するには,全罹病期間の50%を超える期間で意味がある気分症状(抑うつ症状または躁症状)が存在しており,かつ統合失調症の症状(妄想,幻覚,まとまりのない発語,非常にまとまりのない行動または緊張病性の行動,陰性症状)が2つ以上併存していることが必要である。

統合失調感情障害を統合失調症および気分障害と鑑別するために,症状およびその進行を長期的に評価することが必要になる場合がある。

統合失調感情障害の治療

  • しばしば薬物療法,精神療法,および地域支援の組合せ

統合失調感情障害は長期的な能力障害につながることが多いため,総合的な治療(薬物療法,精神療法,および地域支援を含める)が必要になる場合が多い。

躁病型の治療には,第2世代抗精神病薬で十分なことがあるが,十分でない場合は,リチウム,カルバマゼピン,またはバルプロ酸を追加することが役立つ場合がある。

抑うつ型の治療には,まず第2世代抗精神病薬を投与する。次に,精神病状態の陽性症状が安定したら,抑うつに治療が必要であれば抗うつ薬を導入すべきであり,安全性プロファイルの理由から,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が望ましい。

統合失調症および関連障害群に関する序論も参照のこと。)

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