メルクマニュアル18版 日本語版
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閉じ込め症候群

閉じ込め症候群は,合図として使う眼球運動以外には,表情を示す,動く,話す,または意思を伝達することができない覚醒および意識の状態である。

閉じ込め症候群は典型的には,水平注視を仲介する中枢を破壊・傷害する橋の出血や梗塞に起因する。

患者の認知機能は正常であり,覚醒し,開眼および睡眠-覚醒サイクルがみられる。患者は,下部顔面の運動,咀嚼,嚥下,発語,呼吸,あるいは四肢の運動ができない。垂直方向の眼球運動は可能であり,患者は,目の開閉や特定回数の瞬目で質問に答えることができる。

診断は主として臨床的に行う。脳画像診断は原因の特定に役立ち,長期にわたって証拠を示す。脳波検査は,覚醒中の正常な覚醒パターンおよび睡眠時には正常相を示す。

死亡率は高く,ほとんどの患者は1カ月以内に死亡する。自立までの回復はまれだが,原因が一部可逆的である場合は数カ月かけて回復することもある(例,ギラン-バレー症候群による広範な重度麻痺)。予後良好の特徴には,側方眼球運動の早期回復および運動野の磁気刺激による誘発電位がある。閉じ込め症候群で18年まで生存した例がある。

治療の目的は,全身性疾患(例,肺炎,尿路感染症)の予防,十分な栄養の補給,圧迫潰瘍の予防,四肢拘縮の予防に向けた理学療法の実施である。言語療法士は,瞬目や目の動きによる情報伝達合図の確立を援助できる。患者の認知機能は正常であるため,もし意思伝達が確立できるなら,患者は自分自身の健康管理について意思決定すべきである。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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