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片頭痛

執筆者:

Stephen D. Silberstein

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

レビュー/改訂 2020年 4月
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片頭痛は発作性の一次性頭痛である。症状は典型的には4~72時間持続し,重症例もありうる。疼痛はしばしば一側性,拍動性で,労作により増悪し,悪心,光,音,または匂いに対する過敏などの症状を伴う。前兆は約25%の患者に起こり,通常頭痛の直前に生じるが,ときに頭痛の後にも同様の症状が起こる。診断は臨床的に行う。治療はトリプタン系薬剤,ジヒドロエルゴタミン,制吐薬,および鎮痛薬による。予防的措置としては,生活習慣の改善指導(例,睡眠習慣や食生活など)および薬物療法(例,β遮断薬,アミトリプチリン,トピラマート,ジバルプロエクス[divalproex],モノクローナル抗体)がある。

片頭痛の疫学

片頭痛は中等度から重度の反復性頭痛の原因として最も頻度の高い病態であり,米国における1年有病率は女性で18%,男性で6%である。思春期または若年成人期における発症が最も一般的で,その後何年にもわたり頻度および重症度の点で消長を繰り返す;しばしば50歳以降に消失する。研究では片頭痛の家族集積性が示されている。

片頭痛の病態生理

片頭痛は,中枢神経処理の異常(脳幹核の活性化,皮質の過興奮,皮質拡延性抑制)および三叉神経血管系の関与(神経ペプチドの放出を誘発することにより,頭蓋内血管および硬膜に疼痛を伴う炎症を引き起こす)を伴う,神経血管性の疼痛症候群と考えられている。

片頭痛を誘発しうる因子が数多く同定されており,具体的には以下のものがある:

  • 赤ワインの摂取

  • 食事を抜く

  • 過剰な求心性刺激(例,閃光,強い匂い)

  • 天候の変化

  • 睡眠不足

  • ストレス

  • ホルモン因子,特に月経

  • 特定の食物

誘因となる食物は人によって異なる。

頭部外傷 外傷性脳損傷(TBI) 外傷性脳損傷(TBI)は,脳機能を一時的または恒久的に障害する脳組織の物理的損傷である。診断は臨床的に疑い,画像検査(主にCT)により確定する。初期治療は確実な気道確保,十分な換気,酸素化,および血圧の維持で構成される。損傷が重度の患者では,しばしば外科手術が必要となり,頭蓋内圧亢進の追跡および治療のためにモニターを設置し,頭蓋内圧亢進に... さらに読む 外傷性脳損傷(TBI) 頸部痛 頸部痛および背部痛の評価 頸部痛および背部痛は最も一般的な受診理由の1つである。本章では,後頸部を含む頸部痛(前頸部に限った痛みは扱わない)および腰痛を扱うが,ほとんどの重度の外傷性損傷(例, 骨折, 脱臼, 亜脱臼)は扱わない。 原因によっては,頸部痛または背部痛は神経症状を伴うことがある。 神経根が侵されている場合,痛みがその神経根の分布に沿って遠位に放散する... さらに読む ,または 顎関節機能障害 顎関節疾患(TMD)の概要 顎関節疾患とは,顎関節,咀嚼筋,および関連する全ての構造に影響を及ぼす筋骨格系および神経筋疾患群に対する包括的用語である。顎関節疾患は,しばしば顎,顔面,および頸部の疼痛ならびに/または顎関節の機能障害(可動域の減少が多い)を呈し,しばしば 頭痛または耳痛を伴う。疼痛または機能障害が専門家のケアを受けようとするほど重度の場合に,患者は顎関... さらに読む が,ときに片頭痛を誘発または増悪させる。

エストロゲンレベルの変動は片頭痛の強力な誘発因子である。多くの女性が初経時に片頭痛を発症し,月経時に重度の発作を経験し(月経時片頭痛),更年期に増悪する。ほとんどの女性患者では,妊娠中に片頭痛が寛解し(ただし第1または第2トリメスターでときに増悪がみられる),出産後にエストロゲンレベルが急速に低下すると悪化する。

経口避妊薬およびその他のホルモン療法は片頭痛を誘発または増悪させることがあり,前兆のある片頭痛を有する女性の脳卒中との関連が報告されている。

家族性片麻痺性片頭痛と呼ばれる片頭痛のまれな亜型には,1番,2番,19番染色体の遺伝子異常が関連している。より一般的な病型の片頭痛における遺伝子の役割は現在研究中である。一部の家系では,片頭痛の表現型はかなり多様であり,家系員によって主な症状が頭痛の場合もあれば,回転性めまいの場合もあり,また片麻痺または前兆である場合もある。この知見から,片頭痛は実際には単なる頭痛ではなく,より全身性の疾患である可能性が示唆される。

片頭痛の症状と徴候

しばしば,発作に先立って予兆(片頭痛が始まるという感覚)がみられる。予兆には気分変化,頸部痛,食物への渇望,食欲減退,悪心や,これらの組合せなどがある。

約25%の患者で発作に前兆を伴う。前兆は,感覚,平衡,筋協調運動,発話,または視覚に影響しうる一時的な神経学的障害である;数分から1時間持続する。前兆は頭痛開始後も持続することがある。最も一般的な前兆は視覚症状(閃輝暗点―例,両眼性閃光,閃輝の弧,ジグザグの光,暗点)である。錯感覚およびしびれ(典型的には片手から始まり同側の腕および顔面に進展),発話障害,一過性の脳幹機能障害(例えば運動失調,錯乱,または意識障害さえ引き起こす)は,視覚症状ほど一般的ではない。前兆の後に頭痛がほとんど,または全くみられない患者も存在する。

頭痛は中等度から重度まで様々で,発作は4時間から数日持続し,典型的には睡眠により寛解する。疼痛はしばしば一側性であるが両側性のこともあり,前頭側頭部に好発し,典型的には拍動性の痛みまたはズキズキする痛みと表現される。

片頭痛は単なる頭痛ではない。悪心(ときに嘔吐を伴う),羞明,聴覚過敏,嗅覚過敏などの随伴症状が顕著である。患者は発作の間,集中困難を訴える。片頭痛は通常,日常的な身体活動により増悪する;このため,羞明および聴覚過敏を伴うことも相まって,患者の大多数は発作中,暗く静かな部屋で横になりたがる。発作は,家庭生活や仕事など,他のことができなくなるほど重度となりうる。

慢性片頭痛

反復性片頭痛(episodic migraine)の患者は慢性片頭痛を来す可能性がある。それらの患者では,月に15日以上の頻度で頭痛が起こる。この疾患は,片頭痛の特徴および緊張型頭痛の特徴を有するため,混合型頭痛または混合性頭痛と呼ばれていた。このような頭痛は,頭痛の急性期治療のため薬剤を過剰使用する患者でしばしば生じる。

その他の症状

その他にも,まれな型の片頭痛によってその他の症状を呈しうる:

  • 脳底動脈片頭痛では,回転性めまい,運動失調,視野欠損,感覚障害,局所の筋力低下,および意識レベル変化のといった症状の組合せを来す。

  • 麻痺性片頭痛は,孤発性でも家族性でもありうるが,片側性の筋力低下を引き起こす。

片頭痛の診断

  • 臨床的評価

(たとえ片頭痛の存在が判明している患者でも)別の診断を示唆するレッドフラグサインとしては以下のものがある:

よくみられる診断エラーとして以下のものがある:

  • 片頭痛はしばしば両側性の疼痛を生じ,必ずしも拍動性の痛みと表現されるわけではないことに対する認識不足

  • 片頭痛の自律神経症状や視覚症状がみられないために,片頭痛を副鼻腔炎に伴う頭痛や眼精疲労と誤診すること

  • 片頭痛を有すると分かっている患者において,あらゆる頭痛を片頭痛の発作とみなしてしまうこと(雷鳴頭痛または以前の頭痛パターンからの変化は,新しい重篤な疾患を示唆している可能性がある)

  • 前兆のある片頭痛を一過性脳虚血発作と間違えること(特に高齢者で前兆の後に頭痛が伴わない場合)

  • トリプタン系薬剤で症状が緩和するため,雷鳴頭痛を片頭痛と診断すること(トリプタン系薬剤はくも膜下出血による頭痛も緩和しうる)

いくつかのまれな疾患が前兆のある片頭痛に類似することがある:

片頭痛の予後

一部の症例では,片頭痛は,不便ではあるものの頻度が低く,許容可能である。他方で,作業不能,生産性の低下,および生活の質の著しい低下が頻繁にみられる深刻な症例もある。

片頭痛の治療

  • 誘因の除去

  • ヨガまたは行動療法

  • 軽度の頭痛に対し,アセトアミノフェンまたは非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)

  • 重症発作に対して,トリプタン系薬剤,ラスミジタン,またはジヒドロエルゴタミンに加え,制吐薬としてのドパミン拮抗薬

疾患について十分に説明することで,片頭痛は完治はしないがコントロール可能であることを患者に理解させ,治療に積極的に参加するように促すことができる。

発作回数,タイミング,可能性のある誘因,および治療に対する反応を頭痛日記に記録するよう患者に促す。同定された誘因は可能であれば除去する。誘因を避けるように患者を促すべきである。

臨床医はときに片頭痛を管理するために行動療法(バイオフィードバック,ストレス管理,精神療法)を勧めることがあり,特にストレスが主な誘因である場合や鎮痛薬が過剰使用されている場合に有用である。

ヨガは頭痛の頻度および強度を低減することができ,迷走神経の緊張を高め,交感神経系優位の状態を抑制し,心臓自律神経のバランスを改善する。

急性片頭痛の治療は,発作の頻度,持続時間,および重症度に基づいて行うべきである。鎮痛薬,制吐薬,トリプタン系薬剤,ジヒドロエルゴタミンなどを使用する(1 治療に関する参考文献 片頭痛は発作性の一次性頭痛である。症状は典型的には4~72時間持続し,重症例もありうる。疼痛はしばしば一側性,拍動性で,労作により増悪し,悪心,光,音,または匂いに対する過敏などの症状を伴う。前兆は約25%の患者に起こり,通常頭痛の直前に生じるが,ときに頭痛の後にも同様の症状が起こる。診断は臨床的に行う。治療はトリプタン系薬剤,ジヒドロエルゴタミン,制吐薬,および鎮痛薬による。予防的措置としては,生活習慣の改善指導(例,睡眠習慣や食生活... さらに読む )。患者が薬物治療を避けたい場合,または薬物治療が無効であった場合は,ときに ニューロモジュレーション ニューロモジュレーション治療 片頭痛は発作性の一次性頭痛である。症状は典型的には4~72時間持続し,重症例もありうる。疼痛はしばしば一側性,拍動性で,労作により増悪し,悪心,光,音,または匂いに対する過敏などの症状を伴う。前兆は約25%の患者に起こり,通常頭痛の直前に生じるが,ときに頭痛の後にも同様の症状が起こる。診断は臨床的に行う。治療はトリプタン系薬剤,ジヒドロエルゴタミン,制吐薬,および鎮痛薬による。予防的措置としては,生活習慣の改善指導(例,睡眠習慣や食生活... さらに読む 治療が用いられることがある。

軽度から中等度の発作

軽度から中等度の片頭痛発作の治療には,NSAIDまたはアセトアミノフェンを用いる。

これらの薬剤が無効に終わる場合は,トリプタン系薬剤,ラスミジタン(新しい選択的セロトニン[5-HT]1F受容体作動薬),ジヒドロエルゴタミン,またはウブロゲパント(ubrogepant)(低分子カルシトニン遺伝子関連ペプチド[CGRP]受容体拮抗薬)の使用を考慮すべきである。

軽度または中等度の発作を緩和するために制吐薬(例,メトクロプラミド,プロクロルペラジン)を単独で使用することがある。

重度の発作

軽度の発作から他のことができなくなるほどの片頭痛に進展する場合,または発作が開始時から重度の場合,トリプタン系薬剤またはラスミジタンが用いられる。トリプタン系薬剤は選択的セロトニン1B/1D受容体作動薬である。それ自体は鎮痛薬ではないが,片頭痛の痛みを誘発する神経ペプチドの放出を特異的に阻害する。トリプタン系薬剤は発作開始時に服用すると最も効果が得られる。経口,経鼻,皮下注の製剤があり(片頭痛および群発頭痛に対する薬剤 群発頭痛に対する薬剤* 群発頭痛に対する薬剤* の表を参照),中でも皮下注用製剤の効果が高いが,有害作用の頻度が高い。トリプタン系薬剤の過剰使用も 薬物乱用頭痛 薬物乱用頭痛 薬物乱用頭痛は,3カ月を超えて定期的に頭痛薬を過剰使用している患者で,月に15日以上発生する慢性の頭痛である。通常は片頭痛または緊張型頭痛の患者に発生する。治療は,過剰使用されている頭痛薬の中止,離脱症状の管理,および基礎にある頭痛を予防する薬剤の使用から成る。 ( 頭痛患者へのアプローチも参照のこと。) 薬物乱用頭痛の有病率は一般集団の1~2%である。男性よりも女性に多くみられ,また,この種の頭痛を有する患者の大半が基礎疾患として反復... さらに読む を招きうる。悪心が顕著な場合,発作開始時にトリプタン系薬剤を制吐薬と組み合わせて投与することが効果的である。

輸液(例,生理食塩水1~2L)は,特に嘔吐により脱水状態にある患者において,より頭痛を緩和し,健康感を増すことができる。

ジヒドロエルゴタミンの静注と制吐薬としてのドパミン拮抗薬(例,メトクロプラミド10mg,静注,プロクロルペラジン5~10mg,静注)の併用は非常に重度の持続性発作を止めるのに役立つ。ジヒドロエルゴタミンは皮下投与の形でも,鼻腔スプレーとしても利用可能である。肺吸入製剤は現在開発中である。

トリプタン系薬剤およびジヒドロエルゴタミンは冠動脈狭窄の原因となりうるため,冠動脈疾患またはコントロール不良の高血圧がある患者では禁忌である;また高齢患者および血管危険因子を有する患者では,これらの薬剤は慎重に使用しなければならない。ラスミジタンは1B受容体よりもセロトニン1F受容体に対する親和性がはるかに高いため,心血管系の禁忌はない。(トリプタン系薬剤は,5-HT1B受容体を活性化することにより血管収縮を引き起こす。)ウブロゲパント(ubrogepant)は代替薬である;現時点で,心血管系の病態に関する注意事項や禁忌はなく,心血管系および消化管への重篤な作用もない。

ジヒドロエルゴタミンまたはトリプタン系薬剤はくも膜下出血およびその他の器質的異常による頭痛を軽減することがあるため,これらの薬剤への反応が良好であることをもって,片頭痛と診断できると考えるべきではない。

トリプタン系薬剤およびその他の血管収縮薬に耐えられない患者には,プロクロルペラジンの坐薬(25mg)または錠剤(10mg)も1つの選択肢である。

オピオイドは,重度の頭痛に対し他に有効策がない場合の最後の手段(レスキュー薬)として用いるべきである。

慢性片頭痛

片頭痛の発作の予防に用いられるものと同じ薬剤(CGRPを阻害するモノクローナル抗体など)が,慢性片頭痛の治療に用いられる。また,A型ボツリヌス毒素と程度は低いもののトピラマートが有効であるという強いエビデンスがある。

ニューロモジュレーション治療

ニューロモジュレーション治療には,非侵襲的なもの(市販の機器を用いる)と侵襲的なものがある。予防にも使用できるものもある。

非侵襲的な経頭蓋磁気刺激療法は,手持ち式の機器を後頭部に装着して行うもので,前兆のある急性片頭痛を緩和できることがある(3 治療に関する参考文献 片頭痛は発作性の一次性頭痛である。症状は典型的には4~72時間持続し,重症例もありうる。疼痛はしばしば一側性,拍動性で,労作により増悪し,悪心,光,音,または匂いに対する過敏などの症状を伴う。前兆は約25%の患者に起こり,通常頭痛の直前に生じるが,ときに頭痛の後にも同様の症状が起こる。診断は臨床的に行う。治療はトリプタン系薬剤,ジヒドロエルゴタミン,制吐薬,および鎮痛薬による。予防的措置としては,生活習慣の改善指導(例,睡眠習慣や食生活... さらに読む )。アームバンドを使用して無痛の皮膚電気刺激を送る機器(この方法は遠隔電気ニューロモジュレーション[remote electrical neuromodulation]と呼ばれる)は,片頭痛の急性疼痛を緩和できるようである。非侵襲的な 迷走神経刺激療法 迷走神経刺激療法 脳起源の発作(seizure)は,大脳皮質の灰白質で発生する無秩序な異常放電のために正常な脳機能が一過性に妨げられる現象である。典型的な発作では,意識変容,異常感覚,局所的な不随意運動,または痙攣(広範囲の随意筋に生じる激しい不随意収縮)が引き起こされる。診断は臨床的に下すこともあるが,新規発症の発作では神経画像検査,臨床検査,および脳波... さらに読む を行える手持ち式の機器も使用可能である。

三叉神経刺激療法(機器を前額部に当てる)は,18歳以上の患者における急性片頭痛発作の治療(前兆の有無は問わない)に,また一部の患者で発作の頻度を減らすために用いることができる。

侵襲的治療は専門医療機関でしか利用できない傾向があり,非侵襲的治療よりもリスクが高い。

治療に関する参考文献

  • 1.Marmura MJ, Silberstein SD, Schwedt TJ: The acute treatment of migraine in adults: The American Headache Society evidence assessment of migraine pharmacotherapies.Headache 55 (1):3–20, 2015.

  • 2.Miller S, Sinclair AJ, Davies B, Matharu M: Neurostimulation in the treatment of primary headaches.Pract Neurol 16 (5):362–375, 2016.doi: 10.1136/practneurol-2015-001298.Epub 2016 May 5.

  • 3.Lipton RB, Dodick DW, Silberstein SD, et al: Single-pulse transcranial magnetic stimulation for acute treatment of migraine with aura: A randomised, double-blind, parallel-group, sham-controlled trial.Lancet Neurol 9:373–380, 2010.doi: 10.1016/S1474-4422(10)70054-5.Epub 2010 Mar 4.

片頭痛の予防

急性期の治療にもかかわらず頻繁な片頭痛により活動に支障を来す場合,日常的な予防治療が必要である。A型ボツリヌス毒素を第1選択薬と考える専門家もいる。

頻繁に(例,週2日を超えて)鎮痛薬を使用する患者,特に薬物乱用頭痛がみられる患者には,予防薬の投与(片頭痛および群発頭痛に対する薬剤 群発頭痛に対する薬剤* 群発頭痛に対する薬剤* の表を参照)と組み合わせて,鎮痛薬の過剰使用を止めるためのプログラムを実施すべきである。選択すべき薬剤は,以下のように併存疾患に応じて決まることがある:

  • 不眠症患者には低用量のアミトリプチリンを就寝時投与

  • 不安または冠動脈疾患のある患者にはβ遮断薬

  • トピラマートは,体重減少をもたらす可能性があるため,肥満患者または体重増加を避けたいと望む患者に適する

  • 他の薬剤で効果がみられない場合は,モノクローナル抗体(例,エレヌマブ,フレマネズマブ[fremanozumab],ガルカネズマブ)

治療に関する参考文献

  • 1.Jain S, Silberstein SD: Invited commentary on preventive anti-migraine therapy (PAMT).Curr Treat Options Neurol 21 (4):14, 2019.doi:10.1007/s11940-019-0555-4.

  • 2.Schoenen J, Vandersmissen B, Jeangette S, et al: Migraine prevention with a supraorbital transcutaneous stimulator: A randomized controlled trial.Neurol 80 (8):697–704, 2013.doi: https://doi.org/10.1212/WNL.0b013e3182825055. Epub 2013.

片頭痛の要点

  • 片頭痛は,多数の誘因がありうる一般的な一次性頭痛である。

  • 症状としては,拍動性の一側性または両側性疼痛,悪心,感覚刺激(例,光,音,匂い)への過敏性,非特異的な予兆,頭痛に先行する一過性の神経症状(前兆)などがある。

  • 片頭痛は臨床所見に基づいて診断する;レッドフラグサインがあれば,しばしば画像検査およびその他の検査が必要となる。

  • 誘因の回避,状況に応じたバイオフィードバック,ストレス管理,および精神療法を適切に用いるなど,患者を治療に参加させるようにする。

  • ほとんどの頭痛は,鎮痛薬,ジヒドロエルゴタミンの静注,またはトリプタン系薬剤で治療する。

  • 発作が頻繁で活動の妨げとなる場合,予防薬(例,カルシトニン遺伝子関連ペプチド[CGRP]を阻害するモノクローナル抗体,アミトリプチリン,β遮断薬,トピラマート,ジバルプロエクス[divalproex]),A型ボツリヌス毒素のほか,ときにニューロモジュレーション治療を用いる。

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