腎炎症候群の概要

執筆者:Frank O'Brien, MD, Washington University in St. Louis
レビュー/改訂 2020年 1月
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    腎炎症候群は,血尿および様々な程度のタンパク尿を認め,かつ尿沈渣の鏡検で通常は変形赤血球を,さらにしばしば赤血球円柱を認める場合として定義される。しばしば,浮腫,高血圧,血清クレアチニン値上昇,乏尿のうち1つ以上の要素が認められる。原因は原発性および続発性のいずれもある。診断は,病歴,身体診察,ときには腎生検に基づく。治療および予後は原因によって異なる。

    糸球体疾患の概要も参照のこと。)

    腎炎症候群は糸球体の炎症(糸球体腎炎)の臨床像であり,あらゆる年齢で起こりうる。原因は年齢によって異なり(糸球体疾患の年齢と臨床像による分類の表を参照),機序は原因によって異なる。本症候群は以下の場合がある:

    • 急性(血清クレアチニン値が長くとも何週間の内に上昇する)

    • 慢性(腎機能不全が何年にもわたり進行することがある)

    腎炎症候群はさらに以下の場合がある:

    • 原発性(特発性)

    • 続発性

    表&コラム

    急性糸球体腎炎

    感染後糸球体腎炎は,急性糸球体腎炎のプロトタイプであるが,その病態は他の糸球体症や,結合組織疾患あるいは血液学的悪液質などの全身性疾患に起因する場合がある(糸球体腎炎の原因の表を参照)。

    急速進行性糸球体腎炎(RPGN)は,炎症性(半月体形成性)糸球体腎炎の二次的な続発症に起因する急性糸球体腎炎であり,それには多くの原因がある。RPGNは病理診断により診断する。

    慢性糸球体腎炎

    慢性糸球体腎炎は,急性糸球体腎炎と類似の特徴を有するが,緩徐に発生し,軽度から中等度のタンパク尿を引き起こすことがある。具体例として以下のものがある:

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