メルクマニュアル18版 日本語版
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精巣炎

精巣炎は精巣の炎症で,典型的にはムンプスウイルスによる。症状は精巣痛と腫脹である。診断は臨床的である。治療は対症療法で,もし細菌感染と同定されるならば抗生物質を用いる。

単独の精巣炎はほとんどウイルスに起因し,ほとんどの原因はムンプスである。まれな原因として先天性梅毒,結核,らい,エコーウイルス,リンパ球性脈絡髄膜炎,コクサッキーウイルス,感染性単核球症,水痘およびB群アルボーウイルスがある。ほとんどの細菌性原因は精巣上体にも関与し(精巣-精巣上体炎),精巣上体炎において考察されている(陰茎および陰嚢疾患: 精巣上体炎を参照 )。

男性のムンプス患者の20〜25%に精巣炎が発生し,症例の80%は10歳未満の患者に起こり,3分の2が一側性,3分の1が両側性である。ムンプス精巣炎の患者の60%が一側性の精巣萎縮を起している。腫瘍の発生率が上昇するようにはみえないが,一側性ムンプス精巣炎後の男性の4分の1および,両側性の病歴がある男性の3分の2において,一側性の病変が受精能の減退を起こす。萎縮は受精能または精巣炎の重症度に関係ない。

症状と徴候

ムンプスにおける耳下腺腫脹後,4〜7日の間に急性一側性ムンプス性精巣炎が発症する。30%の症例において,病変は1〜9日後に他の精巣に波及する。疼痛には様々な程度がある。精巣の疼痛や腫脹に加え,全身症状として,倦怠感,発熱,悪心,頭痛および筋肉痛などが発現することがある。精巣の検査では,圧痛,腫大,精巣の硬化,浮腫および陰嚢皮膚の紅斑が認められる。

他の感染性病原体は病原性に応じた発症速度と強度を伴う類似の症状をもたらす。

診断と治療

診断は通常,病歴と身体診察から示唆される。精巣炎と,精巣捻転や急性の陰嚢腫脹と疼痛をもたらすその他の原因との緊急な鑑別は,カラードプラ超音波検査で遂行される。ムンプスは血清免疫蛍光抗体検査で確認できる。他の感染性病原体は尿培養か血清学的検査で同定しうる。

もし細菌感染が除外されているならば,鎮痛薬と温湿布または冷湿布による支持療法で十分である。細菌性原因は適切な抗生物質で治療される。泌尿器学的な注意深い経過観察が推奨される。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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