メルクマニュアル18版 日本語版
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バルトリン腺嚢胞

バルトリン腺嚢胞は粘液貯留性で,腟開口部の片側に生じる。バルトリン腺嚢胞は最も一般的な大型の外陰嚢胞である。大型の嚢胞の症状としては,外陰部の刺激,性交疼痛,歩行に伴う疼痛,および外陰の非対称性がある。バルトリン腺嚢胞は膿瘍(疼痛があって通常は赤色)を形成することがある。診断は身体診察により行う。大型の嚢胞および膿瘍には排膿(切開による場合とそうでない場合がある)が必要である;膿瘍にはときに抗生物質が必要となる。

バルトリン腺は丸くて非常に小さく,触知不能であり,後外側腟口の深部にある。バルトリン管の閉塞により,粘液で腺が増大し,結果的に嚢胞となる。閉塞の原因は通常,不明である。まれに,この嚢胞は性感染症(例,淋疾)により起こる。嚢胞が感染を起こし,膿瘍を形成することがある。

症状,徴候,診断

大部分の嚢胞は無症状であるが,大型の嚢胞は刺激性となり,歩行や性交を妨げる場合がある。多くが圧痛を起こすことなく,片側性で,腟口近くに触知可能である。嚢胞により罹患大陰唇は膨らみ,外陰部は非対称となる。膿瘍により重度の外陰部疼痛やときに発熱が生じる;圧痛があり,典型的には紅斑を認める

診断は通常,身体診察により行う。外陰癌(婦人科腫瘍: 外陰癌を参照 )の一部はバルトリン腺から発症し,嚢胞に類似することがある。したがって,40歳以上の女性では嚢胞の生検を行う。

治療

40歳未満の女性では,無症状の嚢胞については治療を必要としない。症状のある嚢胞には手術が必要なことがある。嚢胞は単純な排膿後にしばしば再発するため,手術では管から外部までの永久的な開口を形成するようにする。小さなバルーンカテーテルを嚢胞に挿入し,膨らませ,そして4〜6週間嚢胞に留置する;この処置により線維形成が促進され,永久的な開口が形成される。もう1つの方法は造袋術(嚢胞の反転させた端を外部に縫合する)である。再発性嚢胞では切除術を必要とする場合がある。40歳以上の女性では,全ての嚢胞に対し診査および生検が必要である。膿瘍は,経口広域抗生物質(例,セファレキシン500mg,6時間毎,7〜10日間)の投与とバルーンカテーテルの挿入により治療する。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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