メルクマニュアル18版 日本語版
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骨軟骨異形成症(遺伝性骨格形成異常)

骨軟骨異形成症は,骨または軟骨の成長異常から骨格の発育異常につながり,しばしば短肢性低身長症に至る。診断は身体診察,X線検査,そして一部の症例では遺伝子検査による。治療は手術による。

骨軟骨異形成症のほとんどの型でその基本的欠陥は不明であるが,いくつかのまれな病型では,Ⅱ型コラーゲンの異常が関係している。

低身長症は,しばしば体幹と四肢の不均衡な成長を伴う著明な低身長(最終身長で4フィート10インチ[147cm]未満)である。軟骨無形成症は短肢性低身長症の中で最も一般的で最もよく知られる病型であるが,他にも多くの明確に異なる病型があり,これらは遺伝的背景,経過,予後において大きく異なる(小児における骨および結合組織疾患: 骨軟骨異形成性低身長症の種類表 2: 表参照)。致死性短肢性低身長症(致死性異形成)は,新生児における重度の胸壁変形と呼吸不全を引き起こし,結果的に死をもたらす。

表 2

骨軟骨異形成性低身長症の種類

障害

症状と徴候

通常の遺伝様式

報告された症例

軟骨形成不全症

大きな額,鞍鼻,腰椎前弯,O脚

AD

一般的

点状軟骨異形成症

様々な骨外性症状;X線上のカルシウム沈着による乳児期の骨端の斑点

下記参照

下記参照

点状軟骨異形成症,近位肢型

著明な四肢近位部の短縮;乳児期の死

AR

30

点状軟骨異形成症,コンラディ-ヒウネルマン型

軽度の四肢の非対称性短縮;良性

ADまたはXL優性

100

軟骨外胚葉性異形成(エリス・バン・クレイフエルト症候群)

四肢遠位部の短縮,軸後性多指症,構造的心欠陥

AR

100

捻曲性骨異形成症

硬直したヒッチハイカー母指と固定された内反尖足を伴う重度の低身長症

AR

200

軟骨低形成症

軟骨無形成症の症状があるが軽度

AD

100

中間肢異形成症*

主に前腕および脛部の短縮;正常な顔貌および脊椎

ADまたはAR

50

骨幹端軟骨異形成症†

一部の型では吸収不良,好中球減少,胸腺リンパ球減少

ARまたはAD

200

多発性骨端異形成症

軽度の低身長症,正常な脊椎と顔貌,ときに短く太い指,股関節異形成(しばしば最初の症状);極めて異質

AD

一般的

偽性軟骨無形成症

正常な顔貌,様々な程度の低身長症および後側弯;異質

ADまたはAR

200

脊椎骨端異形成症

主に後側弯;ときに近視と平坦な顔貌;異質

AD,AR,またはXL

100

*名祖の名を付したいくつかの型がある(例,ニーベルゲルト型,ランガー型)。

†多くの異なる名祖の名を付した型がある(例,ジャンセン型,シュミット型,マックージック型)。

AD =常染色体優性;AR =常染色体劣性;XL =X連鎖。

診断と治療

X線上の特徴的変化が診断に有用である。予後予測には正確な診断が不可欠であるため,全ての罹患新生児において,たとえ死産児であっても,全身X線検査が実施されるべきである。一部の症例(例,胎児四肢の短縮が重度である場合)においては,胎児鏡検査または超音波検査により出生前診断が可能である。標準的な臨床検査は役に立たないが,軟骨無形成症(FGFR3の変異による)およびDTDST遺伝子の欠陥に関連する障害(例,捻曲性骨異形成症,多発性骨端異形成症,骨発生不全症2型,軟骨無発生症1B)に対しては分子診断が可能である。

一部の非致死性の病型では,手術(例,人工股関節による置換)が機能改善に有用となる場合がある。歯状突起の低形成により,第1および第2頸椎の亜脱臼と脊髄の圧迫が起こりやすくなっていることがある。したがって手術前に歯状突起の評価を行うべきであり,異常があれば,麻酔中の気管内挿管のために過伸展させる際には患者の頭部を注意深く支持しなければならない。

ほとんどの病型で遺伝様式が判明しているため,遺伝カウンセリングが有効なことがある。リトル-ピープル-オブ-アメリカ(www.lpaonline.org)などの機関によって,患者への医療資源提供や患者の代弁者としての活動が行われている。他国においても同様の団体が活動している。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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