メルクマニュアル18版 日本語版
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はじめに

核型とは,ある個人の細胞の中に収められている染色体の完全なセットを表現したものであり,遺伝子型とはこの核型によって規定される遺伝子構成を表現したものであり,そして遺伝子型と環境因子によって規定される,その個人の生化学的,生理学的,身体的構成を表現したものが表現型である(出生前遺伝カウンセリングおよび評価: 羊水穿刺を参照 )。

染色体異常は様々な障害を引き起こす。性染色体の異常よりも常染色体(男女において相同な対を成す染色体)の異常の方が多くみられる。具体的な異常形態としては,トリソミー,転座,種々の染色体やその一部の欠失および重複,モザイクなどがある。

診断

染色体分析では末梢血リンパ球が使用されるが,出生前検査では例外的に羊水細胞を用いるのが一般的である(出生前遺伝カウンセリングおよび評価: 羊水穿刺を参照 )。細胞の培養ではフィトヘムアグルチニンを用いて細胞分裂を刺激する。次いでコルヒチンの添加により細胞分裂を中期で停止させるが,この時点で各染色体は複製されており,2つの染色分体が動原体で結合した構造を取っている。その後,細胞の染色を行う。単一の細胞から得られる染色体群を写真に撮り,その写真から各染色体の画像を切り取って1枚の台紙に貼り付け,核型を作成する。コンピュータ画像処理を利用して染色体構成を画像表示することも可能である。

染色体染色では,G(ギムザ)またはQ(蛍光)分染法がルーチンに行われている。特定の遺伝子やDNA配列の染色体上での位置を確認するには,蛍光標識したDNAプローブが有用である。遺伝子構成や染色体異常の同定には蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法が用いられる。

染色体のそれぞれの腕は大まかに1〜4個の領域に区分され,さらに各領域が染色によりいくつかのバンドに分けられる。濃染または淡染される各バンドには,動原体から離れるほど大きくなる向きに番号が割り振られている。例えば,1q23は,第1番染色体(1)長腕(q)の,動原体から2番目に遠い領域(2)中の3番目のバンド(3)を表す。

最終改訂月 2005年11月

最終更新月 2005年11月

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