遺伝性代謝疾患に関する序論

執筆者:Matt Demczko, MD, Mitochondrial Medicine, Children's Hospital of Philadelphia
レビュー/改訂 2020年 4月
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遺伝性代謝疾患(先天性代謝異常症とも呼ばれる)の大半は,酵素をコードする遺伝子の突然変異によって引き起こされ,酵素の欠損または活性低下により,以下の結果に至る:

  • 基質またはその代謝物の蓄積

  • 酵素産物の欠乏

何百もの疾患が存在し,遺伝性代謝疾患の大半は個別に見ると極めてまれであるが,全体で見るとまれではない。

遺伝性代謝疾患は通常,病的な代謝基質質によって分類され,具体的には以下のものがある:

米国の大半の州では,特定の遺伝性代謝疾患などの病態について,全ての新生児を対象とした新生児スクリーニングがルーチンに行われており,その対象疾患にはフェニルケトン尿症チロシン血症,ビオチニダーゼ欠損症,ホモシスチン尿症メープルシロップ尿症ガラクトース血症などがある。多くの州では,脂肪酸酸化異常症やその他の有機酸血症など,より多くの遺伝性代謝疾患を対象とする拡大スクリーニングプログラムが実施されている。各疾患の包括的なレビューについては,American College of Medical Genetics and Genomic(ACMG)の新生児スクリーニング行動シートおよびアルゴリズム(newborn screening ACT sheets and algorithms)も参照のこと。

代謝障害の中でも,主として成人期に疾患を引き起こすもの(例,痛風ポルフィリン症),臓器特異的なもの(例,ウィルソン病先天性副腎過形成症),および頻度が高いもの(例,嚢胞性線維症ヘモクロマトーシス)については,本マニュアルの別の箇所で考察されている。リポタンパク質の遺伝性代謝疾患については, see table 遺伝性(原発性)脂質異常症を参照のこと。

より詳細な情報

  1. American College of Medical Genetics and Genomics' (ACMG) Newborn Screening ACT Sheets and Algorithms

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