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コエンザイムQ10

執筆者:

Laura Shane-McWhorter

, PharmD, University of Utah College of Pharmacy

レビュー/改訂 2020年 7月
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コエンザイムQ10(CoQ10,ユビキノン)は,ヒトの体内で自然に生じる抗酸化物質であり,ミトコンドリアにおけるATP産生の補因子でもある。コエンザイムQ10の値は,高齢者や,心疾患,がん,パーキンソン病,糖尿病,HIV/AIDS,筋ジストロフィーなどの慢性疾患がある人では低いようである。しかし,そのようなコエンザイムQ10の低値がこれらの疾患の一因であるかどうかは不明である。肉,魚,植物油に豊富に含まれる。大多数の試験は,1日摂取用量を100~300mg/日(例,100mgを1日3回)とすることを推奨した。

効能

コエンザイムQ10は抗酸化作用,およびエネルギー代謝における役割をもつために有用であると言われている。具体的には,免疫刺激を介した抗がん作用,糖尿病患者のインスリン必要量の低減,パーキンソン病の進行の遅延,心不全の治療における効力,アントラサイクリン系薬剤の心毒性からの保護作用などがあると言われている。最もよく言われるのは,心血管疾患の一因となる内皮細胞機能障害を改善するというものである。一部の予備研究はコエンザイムQ10がこうした疾患の治療に有用である可能性を示唆しているが,結果ははっきりしたものではなく,さらなる試験が必要である。

エビデンス

420人の心不全患者を対象とした2014年の多施設共同ランダム化比較試験では,標準治療への追加で使用したとき,コエンザイムQ10(100mg,経口,1日3回)は安全で,症状を軽減し,重大な心血管イベントを減少させたことが示された (3) コエンザイムQ10に関する参考文献 コエンザイムQ10(CoQ10,ユビキノン)は,ヒトの体内で自然に生じる抗酸化物質であり,ミトコンドリアにおけるATP産生の補因子でもある。コエンザイムQ10の値は,高齢者や,心疾患,がん,パーキンソン病,糖尿病,HIV/AIDS,筋ジストロフィーなどの慢性疾患がある人では低いようである。しかし,そのようなコエンザイムQ10の低値がこれらの疾患の一因であるかどうかは不明である。肉,魚,植物油に豊富に含まれる。大多数の試験は,1日摂取用量... さらに読む 。これらのメタアナリシスは,コエンザイムQ10の用量や目標血中濃度が規格化されていなかったことが欠点である。

7つの研究(914例)を対象としたコクラン・レビュー(Cochrane Review)では,心不全に対するコエンザイムQ10の使用を支持または否定するエビデンスはないと結論付けられた一方で (4) コエンザイムQ10に関する参考文献 コエンザイムQ10(CoQ10,ユビキノン)は,ヒトの体内で自然に生じる抗酸化物質であり,ミトコンドリアにおけるATP産生の補因子でもある。コエンザイムQ10の値は,高齢者や,心疾患,がん,パーキンソン病,糖尿病,HIV/AIDS,筋ジストロフィーなどの慢性疾患がある人では低いようである。しかし,そのようなコエンザイムQ10の低値がこれらの疾患の一因であるかどうかは不明である。肉,魚,植物油に豊富に含まれる。大多数の試験は,1日摂取用量... さらに読む ,14のランダム化比較試験(2149例)を対象とした2017年のメタアナリシスでは,コエンザイムQ10の使用者では,プラセボの使用者より運動耐容量が大きく,死亡率が低かったとされた (5) コエンザイムQ10に関する参考文献 コエンザイムQ10(CoQ10,ユビキノン)は,ヒトの体内で自然に生じる抗酸化物質であり,ミトコンドリアにおけるATP産生の補因子でもある。コエンザイムQ10の値は,高齢者や,心疾患,がん,パーキンソン病,糖尿病,HIV/AIDS,筋ジストロフィーなどの慢性疾患がある人では低いようである。しかし,そのようなコエンザイムQ10の低値がこれらの疾患の一因であるかどうかは不明である。肉,魚,植物油に豊富に含まれる。大多数の試験は,1日摂取用量... さらに読む 。コエンザイムQ10の補充がスタチン系薬剤に関連する筋症状を軽減するかどうかは,臨床的に議論がある。軽減を示した研究もあれば,示さなかった研究もある。100~600mg/日のコエンザイムQ10を30日間から3カ月間投与した2018年のメタアナリシスでは,プラセボと比較して,疼痛,筋力低下,筋痙攣,および疲労の筋症状が有意に減少したことが報告された。限界は,対象とした試験が不均一であったことである (6) コエンザイムQ10に関する参考文献 コエンザイムQ10(CoQ10,ユビキノン)は,ヒトの体内で自然に生じる抗酸化物質であり,ミトコンドリアにおけるATP産生の補因子でもある。コエンザイムQ10の値は,高齢者や,心疾患,がん,パーキンソン病,糖尿病,HIV/AIDS,筋ジストロフィーなどの慢性疾患がある人では低いようである。しかし,そのようなコエンザイムQ10の低値がこれらの疾患の一因であるかどうかは不明である。肉,魚,植物油に豊富に含まれる。大多数の試験は,1日摂取用量... さらに読む

有害作用

消化管症状(例,食欲不振,腹痛,悪心,嘔吐)および中枢神経系症状(例,めまい,羞明,易刺激性,頭痛)の比較的少数の症例報告がある。その他の有害作用として,そう痒,発疹,疲労,インフルエンザ様症状などがある。

薬物相互作用

コエンザイムQ10はワルファリンに対する反応を低下させることがある。

コエンザイムQ10に関する参考文献

  • Gao L, Mao Q, Cao J, et al: Effects of coenzyme Q10 on vascular endothelial function in humans: a meta-analysis of randomized controlled trials.Atherosclerosis 221(2):311-316, 2012. doi: 10.1016/j.atherosclerosis.2011.10.027.

  • Fotino AD, Thompson-Paul AM, Bazzano LA: Effect of coenzyme Q10 supplementation on heart failure: a meta-analysis. Am J Clin Nutr97(2):268-275, 2013.

  • Mortensen SA, Rosenfeldt F, Kumar A, et al: The effect of coenzyme Q10 on morbidity and mortality in chronic heart failure results from Q-SYMBIO: a randomized double-blind trial.JACC Heart Fail 2(6):641-649, 2014. doi:10.1016/j.jchf.2014.06.008.

  • Madmani ME, Yusuf Solaiman A, Tamr Agha K, et al: Coenzyme Q10 for heart failure.Cochrane Database Syst Rev (6):CD008684, 2014.doi: 10.1002/14651858.CD008684.pub2.

  • Lie L, Liu Y: Efficacy of coenzyme Q10 in patients with cardiac failure: a meta-analysis of clinical trials.BMC Cardiovasc Disord 17(1):196, 2017.doi: 10.1186/s12872-017-0628-9.

  • Qu H, Guo M, Chai H, et al: Effects of coenzyme Q10 on statin-induced myopathy: an updated meta-analysis of randomized controlled trials.J Am Heart Assoc 2;7(19):e009835, 2018.doi: 10.1161/JAHA.118.009835.

より詳細な情報

以下の英語の資料が有用であろう。ただし,本マニュアルはこの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。

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